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┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン ┬┴┬┴┬┴┬┴
┬┴┬┴┬┴┬ No.604 2024/1/16 ┬┴┬┴  <*)++<<  ┴┬┴┬┴
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【1】令和6年能登半島地震の関連情報
【2】日本地質学会研究奨励金募集(若手野外地質研究者向け)
【3】第15回惑星地球フォトコンテスト受付中
【4】第10回ショートコース:海底鉱物資源 受講者募集中
【5】JABEEシンポ:大学縮小危機のなかで、社会の要求にどのように応えるか
【6】名誉会員候補者の募集が開始されています
【7】本の紹介「北長門海岸国定公園「青海島」のジオツーリズム」
【8】Island Arc からのお知らせ
【9】支部のお知らせ
【10】その他のお知らせ
【11】公募情報・各賞助成情報等
 
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【1】令和6年能登半島地震の関連情報
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令和6年能登半島地震の関連情報を学会HPにまとめています.
*1/16掲載情報
・地震調査研究推進本部地震調査委員会:令和6年能登半島地震の評価
(令和6年1月15日)
・産総研地質調査総合センター:第五報 能登半島北部沿岸域の構造図と
令和6年(2024年)能登半島地震の余震分布
 
この他,各企業,団体,会員による調査情報なども掲載しています.
https://geosociety.jp/hazard/content0108.html
 
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【2】日本地質学会研究奨励金募集(若手野外地質研究者向け)
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日本地質学会では若手育成事業の一環として,野外調査をベースに研究を行う
32歳未満の若手会員を対象とした研究奨励金制度を設けています..
また,規則改正により,助成期間の延長も可能となりました.
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応募締切:2024年2月29日(木)必着
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詳しくは,https://geosociety.jp/outline/content0242.html
(申請に関するFAQも掲載しています)

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【3】第15回惑星地球フォトコンテスト受付中
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***応募締切:2024年1月31日***
 
惑星地球フォトコンテストは,ジオフォト文化を代表する最高峰のコンテスト
です.チャンスを逃さない新たな視点のスマホ写真も大募!!
会員の皆様からの応募もお待ちしています.
・最優秀賞:1点 賞金5万円
・優秀賞:2点 賞金2万円
・ジオパーク賞:1点 賞金2万円
・日本地質学会会長賞:1点 賞金1万円 など
詳しくは,http://www.photo.geosociety.jp
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【4】第10回ショートコース:海底鉱物資源 受講者募集中
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日程:2024年2月25日(日)
<午前> 9:00-12:00
海底鉱物資源概論:その研究と開発の過去、現在、未来
講師:中村謙太郎(東京大学)
<午後> 14:00-17:00
海底鉱物資源の探査と成因研究の最前線
講師:町田嗣樹(千葉工業大学)  
 
参加申込締切:2024年2月16日(金)
申込はこちらから
https://geosociety.jp/science/content0171.html
 
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【5】JABEEシンポ:大学縮小危機のなかで、社会の要求にどのように応えるか
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第4回JABEEオンラインシンポジウム
大学縮小危機のなかで、社会の要求にどのように応えるか
ーJABEEを活用した技術者の育成と輩出ー
日時:2024年3月3日(日)13:30-17:20(予定)
開催方式:Zoomを用いたオンライン方式
参加者:200名(先着順) 会員,非会員を問いません.参加無料
参加申込期間:2024年1月29日(月)-2月26日(月)
詳しくは,https://geosociety.jp/science/content0167.html
 
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【6】名誉会員候補者の募集が開始されています
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募集期締切:2024年2月9日(金)
推薦できる人:日本地質学会会長・副会長,理事,専門部会長
名誉会員候補となる人:75歳以上の日本地質学会会員
そのほか候補となる条件:地質学への顕著な貢献または教育現場や企業等での
活動を通じた地質学の普及・振興への顕著な貢献が認められ,かつ本学会への
貢献も認められる会員
 
(注) 上記「推薦できる人」以外の会員は,候補者を直接推薦することは
できませんが,「推薦できる人」への情報提供をすることができます.
 
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【7】本の紹介「北長門海岸国定公園「青海島」のジオツーリズム」
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北長門海岸国定公園「青海島」のジオツーリズム:ジオサイト12の提案
作者:今岡照喜,取材協力:伊藤信行,撮影協力:永山伸一
2023年10月17日,発行者:今岡照喜(自費出版),A4判175頁,
定価:2300円+税
 
 本書は山口県長門市仙崎の北にある景勝地「青海島(おおみじま)」(東西9km×南北4km)の地形・地質・生物を多数のカラー写真入りで紹介した美しいガイドブックであり,作者がそのライフワークの成果をもとに令和元年から5年にかけて地元紙「長門時事」に連載した記事を再編集し,関連するトピックスをコラムとして加筆し,付録として青海島周辺海域の珍しい海洋生物の話題(「自然の水族館 湧昇流と対馬海流が育んだ海洋生物の宝庫」写真・情報提供:ダイビングインストラクター笹川勉・三好芳郁 p. 162-172)を加えたものである.なお,作者は青海島の大部分を含む産総研の1/5万地質図「仙崎」(地質図2005年,説明書2006年発行)の第二著者である.
 
 仙崎は大正〜昭和初期の童謡詩人金子みすゞの出身地であり,筆者は2022年に「童謡詩人金子みすゞの地学的側面」(https://geosociety.jp/faq/content1006.html 日本地質学会News, 25巻2号)を公表したが,作者はこれを読んでこの詩人についても詳しく調査し,本書第4話に彼女の顔写真入りの紹介文を掲載,随所で彼女の詩を引用している.
 
 本書の構成は,冒頭に長門市長と長門市教育委員会教育長の祝辞があり,はじめに(p. 1-),第1話 青海島の魅力と先駆者たち(p. 9-),第2話 青海島の玄関 仙崎砂州(p. 16-),第3話 「青海湖」・「波の橋立」は動く海浜地形(p. 25-),第4話 「王子山」から見下ろせば…(p. 32-),第5話 「竹の子岩」:赤く錆びた花崗岩が語る(p. 41-),第6話 「平家台」はカルデラ火山の地下博物館(p.49-),第7話 「幕岩」の描くマグマ混合絵巻とマグマの流動,そして地下陥没(p. 65-),第8話 「白旗岩」:シルも重なればバソリスになる(p. 78-),第9話 「観音堂」付近の地層はカルデラ湖に堆積(p. 82-),第10話 「大門」:節理の絶妙さを堪能できるジオサイト(p. 86-),第11話 「長浜群洞」:日本海の荒波彫刻(p. 91-),第12話「十六羅漢」:日本海の荒波と岩石の多様性が産んだ地形(p. 93-),第13話 溶結凝灰岩が語る白亜紀の火山活動(p. 101-),第14話 「仏岩」:3回の地震に耐えた貫入性凝灰岩(p. 106-),第15話「屏風岩」カルデラを縁取る境界岩脈(p. 111-),第16話 酷似する青海島と韓国慶尚盆地の地質(p. 115-),第17話 “沈水島”:荒々しい外海vs.穏やかな内湾(p. 123-),第18話 “カルデラ”の形成,そして形態と地下構造(p. 132-),第19話「青海島しまじゅう博物館」(p. 140-),第20話 “青海島ジオサイト12”(p. 146-),おわりに(p. 151-),参考文献(p. 154-),付録(p. 162- 前出)となっている.全体として,青海島をその南端(仙崎の対岸)から時計回りに観光船で一周するコースに沿って解説している.
 
 コラムとしては,「名勝及天然記念物「青海島」の記念碑」(p. 15),「白潟思月句碑」(p. 23-24),「青海温泉と長門五名湯」(p. 29-31),「オスプレー(ミサゴ)」(p. 40),「花崗岩とは」(p. 47-48),「貴重な草花と樹木」(p. 62-64),「蓋井(ふたおい)島とウッツリ〜モドロ岬の苦鉄質火成包有岩」(p. 75-77),「5つのタイプの陥没カルデラ」(p. 80-81),「「長州どり」と「やきとり祭りin長門」」(p. 84-85),「全国で初めて人口ふ化に成功したシロアマダイの稚魚の放流:山口県水産研究センター外海研究部」(p. 85),「長門地域の高級ブランドの一つ「仙崎かまぼこ」」(p. 89-90),「横山白虹句碑「鳥瞰路」」(p. 100),「「青の洞窟」はなぜ青い」(p. 105),「白滝山カルデラの貫入性角礫岩」(p. 108-110),「山口県の流紋岩質岩脈の代表」(p. 113-114),「通(かよい)地区の古式捕鯨,そして青海島鯨墓と通鯨唄」(p. 117-122),「スサノオノミコトが滞在した「大泊」とお静伝説のある「静ヶ浦」」(p. 131),「褐藻綱ホンダワラ属「アカモク」」(p. 138-139),「香月泰男の「花石」」(p. 144-145),「鯨肉郷土料理は「100年フード」認定」(p. 145)がある.
 
 本書の主題は作者が長年研究してきた花崗岩・酸性火山岩とそれらが造るカルデラ構造である.特に青海島北西端の平家台では,ホルンフェルス化した湖底堆積物に石英斑岩,花崗岩が順次貫入する様子が見られ,「カルデラ火山の地下博物館」になっている(第6話).そして,青海島全体が本土側へ34km以上,南そして西へ伸びる「長門−豊北カルデラ」に含まれ,青海島東端の屏風岩にカルデラ縁の岩脈が露出する(第15・18話).ただし,「カルデラ」と言っても円形の構造ではなく,細長い地溝帯状の陥没構造である.
 
 本書には美しいカラー写真が多数掲載されている.表紙は平家台の東上空からの空撮(本書第6話),裏表紙は十六羅漢の遠景である(第12話).写真3-3(p. 28)は波の橋立両側の波の違い(外海と湖)を対照的に写し出した「感動的な一枚」で,「ながとフォトコン2017」のグランプリ作品である.写真4-2(p. 34)は仙崎の町の北上空からの空撮だが,「竜宮みたいに浮かんでいる」家並みとその両側の対照的な海岸の様子(外海と内湾),そして背景の山々が美しい.幕岩(及び下関市吉見沖の蓋井(ふたおい)島)の花崗岩中の苦鉄質包有物(p. 65写真7-1a,b, p. 75コラム),白旗岩の湖成層を貫くアプライト岩床(p. 78写真8),観音堂付近の成層した湖成層(p. 82-83写真9-1, 9-2)も見事である.
 
 本書には気になる点がいくつかある.第3話冒頭の2カ所及び第20話のp. 148で「なかの小原,小石原」という金子みすゞの詩の一節が引用されているが,原文は小原ではなく石原である.第12話の表題が「羅観」となっているが,「羅漢」が正しい.また,第1話冒頭の9頁には島全体の地質概略図があり,主要な地名が示してあるが,本書に出てくる王子山,幕岩,白旗岩など興味深い場所の位置が示されていない.これらは改善していただきたい.なお,青海島の英語表記は,産総研の地質図「仙崎」ではOmi Shimaであるが,本書ではOmijimaである.かな表記は,文化庁の天然記念物リストでは「おうみじま」だが,山口県の文化財データベースや国土地理院地図,本学会編の日本地方地質誌中国地方では「おうみしま」,長門市の観光案内では「おおみじま」であり,本書では現在地元長門市で公式的に使われる「おおみじま」を用いている.
 
 本書の購入を希望する場合は,
青海島観光汽船株式会社(〒759-4106山口県長門市仙崎字漁港南4297-2
TEL:0837-26-0834,FAX:0837-26-0835,
mail: info@omijimakankoukisen.jp; omijimakankoukisen@gmail.comへ連絡されたい.
 
(石渡 明)
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【8】Island Arc からのお知らせ
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新しい論文が公開されています.
■ Island Arc
Eocene extensional tectonics in the Amakusa region, northern Ryukyu arc.
Kentaro Ushimaru, Atsushi Yamaji
https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14401738
※学会HP「会員ページ」(要ログイン)からアクセスすることで,全文無料
で閲覧できます.
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【9】支部のお知らせ
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[関東支部]
・2024年度関東支部総会・講演会
2024年4月20日(土)14:00-16:45
場所:北とぴあ第2研修室.
講師:向山 栄氏(国際航業株式会社 公共コンサルタント事業部)
講演内容:数値地形画像を用いたダイナミックな地表面変位の可視化.
 
・関東支部アウトリーチ巡検 「安房鴨川海岸の地質・地形観察」
2月18日(日)(予備日:3月3日(日))
募集:20人(先着順)
申込期間:1月17日(水)-2月2日(金)17:00終了※定員に達した時点で終了
 
・2024年度関東支部幹事選出のお知らせ
立候補期間:2024年3月1日(金)-3月11日(月)17時締切  
詳しくは,https://geosociety.jp/outline/content0201.html
 
[西日本支部]
・西日本支部令和5年度総会・第174回例会
2024年3月2日(土)
会場:薩摩川内市川内駅コンベンションセンター SSプラザせんだい
参加・講演申込締切:2月1日(木)
講演要旨提出締切:2月22日(木)
支部総会委任状締切:2月29日(木)
https://geosociety.jp/outline/content0025.html
 
 
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【10】その他のお知らせ
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(後)日本応用地質学会令和5年度技術者倫理講習会
1月16日(火)16:30-18:50
Zoomによりオンライン講習会
参加費:学会員/山口大学理学部地球圏システム科学科支援企業社員1,000円,
非学会員 3,000円
CPD:2.0CPDH
https://www.geosociety.jp/uploads/fckeditor/others-pdf/20240116oyorinrikoshu.pdf
 
防災学術連携体
緊急報告会「令和6年能登半島地震の概要とメカニズム」
1月19日(金)17:30-19:00
オンライン,参加費無料
YouTube(一般公開・申込不要)でご視聴いただけます
https://youtu.be/wO34MFfcS6A
 
(後)原子力総合シンポジウム2023 
主催:日本学術会議総合工学委員会,総合工学委員会原子力安全に関する分科会 
1月22日(月)13:00-17:10 
会場:日本学術会議講堂(港区六本木7-22-34)・オンライン 
参加無料
https://www.scj.go.jp/ja/event/2024/353-s-0122.html
 
(後)第61回アイソトープ・放射線研究発表会
7月3日(水)-5日(金) 
会場:日本科学未来館7階 未来館ホールほか(東京・お台場)
発表申込期間:1月15日(月)-2月29日(木)12時
https://www.jrias.or.jp/
 
★日本地質学会第131年学術大会(2024山形)
9月8日(日)-10日(火)
会場:山形大学小白川キャンパス
 
(協)地盤技術フォーラム2024
9月18日(水)-20日(金)10:00−17:00
場所:東京ビックサイト・東ホール(江東区有明3丁目)
http://www.sgrte.jp/
 
その他のイベント情報は,学会行事カレンダーもご参照下さい.
http://www.geosociety.jp/outline/content0238.html
 
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【11】公募情報・各賞助成情報等
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・山田科学振興財団2024年度研究援助候補者推薦依頼(学会締切2/1)
・JST先端国際共同研究推進事業2024年度日英共同研究提案募集(4/16)
 ※募集説明会:1/24 zoom開催

・栗駒山麓ジオパーク専門員(地質学、地理学等)募集(1/26)
・伊那市地域おこし協力隊「南アルプス山と人のコミュニケーター」募集(2/2)
・四国西予ジオパーク専門員(個人事業主型地域おこし協力隊)募集(12/31)

その他,公募,助成等の情報は,
http://geosociety.jp/outline/content0016.html
 
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報告記事やニュース誌表紙写真募集中です.
geo-Flashは,月2回(第1・3火曜日)配信予定です.原稿は配信前週金曜日
までに事務局( geo-flash@geosociety.jp)へお送りください.