各都道府県で岩石・鉱物・化石をそれぞれ1つに絞って認定いたしましたが,これ以外にも各地域には選びきれないほど,すばらしい岩石・鉱物・化石が多々あります.
特に化石・鉱物の産地については,充分な保護が必要です.国立・国定公園、並びに自治体の条例で保護が指定されている地域等ではもちろんのこと,そうでない場所で試料の乱獲や盗掘などはせず,露頭保護を心がけるようお願い致します。
日本地質学会は、全国47都道府県について、その県に特徴的に産出する、あるいは発見された岩石・鉱物・化石をそれぞれの「県の石」として選定いたしました。日本地質学会は来る平成30年(2018年)に創立125周年を迎えますが、都道府県の石の選定をその記念事業のひとつとして実施するものです。
2014年8月に学会のHPやプレスリリースを介して一般にも広く推薦を呼びかけました。それをもとに学会内で各支部から委員を選出して選定委員会(委員長:川端清司(大阪自然史博物館))を構成し、約2年をかけて検討し、選定いたしました。
2014年にこの事業を推進するにあたって調査しましたところ、都道府県の花や樹木、あるいは鳥というのはほぼ全てにありました。しかしながら、各都道府県へのアンケートでは「県の石」あるいはそれに類するものを制定しているという回答はありませんでした。
地元の地質を愛する心は国際共通であり,米国では「州の石」を定めているところもあります.我が国では石や岩などというものは、奇岩や特別な景観の中で愛でることはありますが、産業として成り立っているもの、あるいは一部の愛好家を除いて、日常的にはほとんど意識されていないものだと思います。日本は国土の面積こそ小さいのですが、複雑な地質構造をもつ世界でも特異な場所です。
このような日本列島の北から南までの各都道府県の地域特有の「県の石」を選定することによって、一般市民の方々に大地の性質や成り立ちに関心を持っていただき、大地とうまく付き合っていくことができるようになることを目指しております。
また、各都道府県においては、近年盛んになっております「ジオパーク」への貢献ならびにこの「県の石」をさまざまに活用していただくことを希望しております。
(参考)日本の石:日本鉱物科学会は「ひすい(ひすい輝石およびひすい輝石岩)」を国石として選定しました(2016年9月24日).→日本鉱物科学会のサイトへ