地質学とは、そして日本地質学会とは

 

 地質学とは18紀末に生まれた言葉"Geology"を、明治初期に地質学と訳されたことばです。Geoとは地球であり、logyとは学問を意味するので、その言葉に込められた思いは「地球を科学する」ことです。しかし、Geologyという科学が生まれて以降、19世紀〜20世紀前半にはもっぱら固体地球表層の地殻の岩石や地層そして化石などを対象として地球の歴史や現象を包括的にあるいは個別的に研究する ことを主としたので、そのような分野に対して限定的にGeologyというようになりました。

 しかし、20世紀後半に、人類は史上はじめてプレートテクトニクスという科学的包括的な地球観を得ました。以来、地球に関する科学をGeosciencesと一般には呼ぶようになりました。地球諸科学が融合して「地球を知る」作業が必要となったのです。このことはそもそものGeo-logy成立の精神です。今後、地質学は切迫する地球環境問題や大規模自然災害の解明などに答えながら益々発展する科学です。

 日本地質学会は地質学の発展や普及を目指して,今から100年以上前の1893年に創立されました.大学をはじめ研究機関の研究者や学校の先生,地質学を学んで社会に役立てるために仕事をしている人,大学生,大学院生,地質学が好きで勉強している人など約3800人が所属し,この分野を包括し、日本の地球諸科学関連学協会の中で最大規模の学会です。
 

 ▷▷平成26年度中期ビジョン検討ワーキンググループ提言(2015年9月10日)(475KB)