第15回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

スマホ賞:離島の夏

写真:澤 健二(島根県)
撮影場所:島根県隠岐郡海士町豊田



 

 

【撮影者より】
島根県の隠岐諸島,中ノ島の海士町にある明屋海岸.隠岐諸島はユネスコ世界ジオパークの認定地のひとつ.この海岸にはキャンプ場があり,島民や観光客にも親しみ深い場所となっている.神がお産をしたとされる神話の伝承地でもある.

【審査委員長講評】
隠岐諸島のジオサイトは赤壁が有名で,多くの写真が撮影されています.しかし自分で魅力的な場所を探し出してアングルを工夫して撮ることが撮影の醍醐味です.赤い火山噴出物,植生の緑,青空と白い雲.バランスがよく,気持ち良い作品となっています.

【地質解説】
赤褐色の約60mの海食崖は,後期鮮新世(約280万年前)にアルカリ玄武岩質マグマが噴出してできた火山砕屑物の地層でできています.この海岸一円は火山の噴出源であったとみられ,マグマが急激に膨張し破砕されてできたスコリアが直径約1kmのスコリア丘(明屋スコリア丘とよばれる)をなしていました.火山弾や溶岩の破片が溶結したアグルチネート(岩滓集塊岩)も見られます.赤色は噴出物に含まれる鉄が酸化したためであり,空と海の青さと相まって一層引き立った景観をなしています.(野村律夫:島根半島・宍道湖中海ジオパーク)

 

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