第15回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

優秀賞:龍うねる

写真:門脇正晃(島根県)
撮影場所:島根県松江市鹿島町手結(たゆ)
 

 

【撮影者より】
島根半島・宍道湖中海ジオパークに属する島根半島の鹿島町手結にあるスランプ褶曲です.まるで龍がうねるような異様な形状をした地層に太古の地球内部の力のうねりを感じます.

【審査委員長講評】
多く応募作品が地質や地形を遠くから撮影しているのに対して,この作品は地層そのものの面白さを正面からクローズアップで取り組んでいるのが評価されました.このスランプ層だけが彩色されているのは教育として,あるいは芸術として誰がどうやって彩色したのでしょうか.

【地質解説】
このスランプ褶曲は,新第三紀中新世(約1600万年前)の成相寺層に見られるもので,海底堆積物が深海の海底斜面を流れ下ったときにできたものです.火山砕屑岩に挟まれるようにできた水平距離6m,高さ1.7mの紡錘形をした空間に長さ22mの泥岩層が幾重にも屈曲して詰まっている景観は,確かに異様な形状です.この成因は高密度の土石流の中で可塑性の粘土層が急停止したことによるものです.探訪者の多くが驚きの声を上げるジオサイトです.(野村律夫:島根半島・宍道湖中海ジオパーク)

 

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