日本地質学会会長賞:屋根瓦のような重なり
写真:大坪 誠(茨城県)
撮影場所:兵庫県 南あわじ市阿那賀海岸
【撮影者より】
淡路島南西の海岸では,白亜紀の砂岩泥岩互層(和泉層群)に発達するデュープレックス構造を見ることができます.砂層と泥層の縞々が,小規模な断層によって切られ,瓦を積み重ねたように繰り返して露出しています.厚さ10センチも満たないところに当時のダイナミクスが凝縮されている様子が大変印象的でした.(撮影者本人:地質学会正会員)
【審査委員長講評】
この作品は10cm足らずの地層間の変形構造を撮影したものです.このような小さなスケールの構造は一般の人では見過ごしてしまいますが,さすがは地質のプロの眼です.1200万画素のスマホのカメラで撮影していますが,現在では地質を記録する点では十分です.スケールに置かれたカメラキャップがやや目立ちすぎるので,画面の端に置いたり,カメラキャップ無しの写真も取っておくことをお薦めします.