第13回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

入選:Inside the Volcano
写真:金井雄亮(東京都)

撮影場所:アイスランド レイキャビック南東20km スリーヌカギガル火山
 

 

【撮影者より】
通常噴火が終焉する際には残りのマグマは火口付近で固まり火道が閉じられてしまう.スリーヌカギガルはマグマが後退したことによりできたマグマだまり内部を見学できる世界でただ一つの火山. 最後の噴火は4000年以上前で,再び噴火する兆候はない. 火口はわずか4m四方,しかしゴンドラで降りるその下に広がる空間は自由の女神が入るほど. 日の光が届かないその空間は,赤や黄色,青や紫のカラフルな鉱物に彩られていた.

【審査委員長講評】
スリーヌカギガルはアイスランドの首都レイキャビクの南15kmにあるスコリア丘で,山頂からマグマが退いた火山の深部を覗ける人気の観光スポットになっています.インターネットでは,360°画像や動画が紹介されているので,この作品がどのような場所で撮影されたかがわかるでしょう.溶岩の酸化の度合いや硫黄の昇華物などによって色鮮やかな地底探険となりました.

【地質的背景】
スリーヌカギガル (Þríhnúkagígur) は,レイキャネス半島の割れ目火口群に形成されたスコリア丘のひとつです.このスコリア丘を形成した割れ目噴火では,マグマが地下に戻る際にマグマ供給系の最上部が崩壊せずに空洞として残りました.このため観光客は火口から火道をゴンドラでおりて地下120mの大空間に降りることができます.この大空間はマグマのぬけた岩脈の最上部ですが,マグマだまりへのツアーとして観光スポットとなっているようです.(萬年一剛:神奈川県温泉地学研究所)

目次へ戻る