入選:柱状節理
写真:本田 誠(神奈川県)
撮影場所:アイスランド レイニスフィヤラ ビーチ【撮影者より】
アイスランド南部観光のヴィーク近くの柱状節理の岩壁です.火山から流れる溶岩が海などに到達した際,急速に冷え固まると出来る岩石です.砂浜はブラックサンドビーチとも呼ばれる黒い砂浜でも有名です.冬季に訪問し,貴重な日の出ている時間帯に訪れました.
【審査委員長講評】
柱状節理をテーマにして毎回数多くの作品が応募されています.この作品の魅力は,「私も行って見たい」と感じさせる雰囲気があることで,コロナ禍の現在ではなおさらです.2014年に撮影されたやや古い作品ですが,柱状節理に座って海をながめる人の配置もよかった.アイスランドの1月は極寒かと思っていましたが,このような観光もできるのですね.
【地質的背景】
レイニスフィヤラはアイスランド南端近くにあり,カトラユネスコジオパークのジオサイトのひとつです.最終氷期のひとつ前の氷期に発達した氷河の下で発生した噴火によってこの柱状節理が形成されたようです.近隣には2011年にヨーロッパの空路を混乱させた噴火で有名なエイヤフェルトヨックルもあります.カトラ火山はミーダルス氷河の下にありますが,噴火を起こした際に発生した大洪水でこの露頭付近の黒い砂がもたらされました.(萬年一剛:神奈川県温泉地学研究所)