第11回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

入選:Chocolate Box
写真:長谷川裕二 (長崎県)
撮影場所:長崎県 佐世保市白浜海岸
 




 

【撮影者より】
「九十九島」は長崎県北西部,北松浦半島の西岸に散在する208の島からなる小島群です.島の密度は日本一.また,日本で18番目に指定を受けた「外洋性多島海景観」を特色とする国立公園です.島々は主に砂岩でできており,砂が長い年月の間に高い圧力と高い温度で固まったものです.今回見つけた砂岩はまさに「チョコレートボックス」のように,チョコレート形の部分と仕切りの部分で成り立っています.おそらく波が影響して削り出されたと思われますが,どうしてこのような複雑な形になったのかは全く想像することができません.

【審査委員長講評】
九十九島(くじゅうくしま)は西海国立公園にある多島海で、作者はチョコレートボックスのような地層の形に注目しました。3点の組写真で応募されましたが、似たような構図なので1点のみの応募にすべきでした。レンズを絞り込んで、被写界深度を広くしたほうが良かったかもしれません。

【地質的背景】
長崎県の九十九島は南北2地域にわかれており、北は北九十九島、南は南九十九島と呼ばれている。北九十九島は前期〜中期中新世の野島層群、南九十九島はそれよりも下位の相浦層群からなる島々である。どちらも主に白色砂岩と暗灰色泥岩の互層からなり、海岸沿いに露出する砂岩には塩類風化(岩石表面に塩の結晶が析出する際、結晶が成長する圧力で岩石の表面を破壊する作用)によって形成されるタフォニと呼ばれるへこみが目立つ。枠に入ったチョコまんじゅうのようなこのふしぎな形状も塩類風化が原因の可能性がある。(小松原純子:産業技術総合研究所)  

 

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