第10回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

入選:雷光のヴィーナス
写真:白山 健悦(青森県)
撮影場所:青森県 佐井村仏ヶ浦


 

 

【撮影者より】
北海道胆振東部地震発生の7時間前の2018.9.5,午後8時撮影です.この夜は雷が頻繁に発生してその光が岩肌を照らすと共に,月明かりのない空を明るくしました.とても不思議な夜でした.

【審査委員長講評】
昨年は昼の仏ヶ浦で最優秀賞を獲得された作者が,今年は夜の仏ヶ浦を応募されました.夜の仏ヶ浦に行くには長い階段を降りなければならず,潮の満ち引きにも注意しなければなりません.やはり土地勘のある地元の作者ならではの作品です.奇岩の間に見える月光がないのに明るい空と雲間からのぞく無数の星,地平線付近の雷光(街明かり?),夢心地のような作品です.

【地質的背景】
下北半島の西海岸にある仏ヶ浦は,いまから約1500万年前,日本が大陸から切り離されて列島になる時に生じた火山活動でできました.同様の地層は,東北日本の日本海側に広く分布し,変質して緑がかっているため,グリーンタフとよばれます.しかし,仏ヶ浦のような奇岩が発達するのはほかになく,その理由はわかっていないようです.(萬年一剛:神奈川県温泉地学研究所)

 

目次へ戻る