第8回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

スマホ賞:競う曲線美
写真:伊藤正顕(静岡県)
撮影場所:静岡県下田市須崎(恵比須島)


 

【撮影者より】
田舎に住んで十余年、赤ん坊だった娘も、気が付けば1人の女性になっていた。久し振りに娘と二人きりの休日の午後、年頃の娘が行きたいだろう、デパートも映画館もボーリング場も無いけれど、素敵な自然がここにはある。雨風に削られ美しい斜交層理、女性のからだのような、なだらかな曲線美がそこにありました。

【審査委員長講評】
砂岩層の前に立つ健康的な娘さん.タイトルやコメントを読んでいると真面目に書いているのか,意図的に書いているのがわかりませんが,笑ってしまいます.普通のジオフォトでは人物はもっと小さく扱うべきですが,この作品では大きく扱って正解でした.お父さんがスマホで気軽に撮った雰囲気が伝わってきます.


【地質的背景】
静岡県下田市須崎の恵比須島は伊豆半島ジオパークのジオサイトの一つで,遊歩道が あり,10分程で一周できます.遊歩道沿いの崖には,「角礫からなる礫岩層」と「層 理の良く発達した黄白色凝灰岩層」が露出しています.これらは新第三紀白浜層群 で,海成層です.写真の地層は,層理の良く発達した凝灰岩層です.恵比須島の白浜 層群には生痕化石以外の化石は見られませんが,各種の斜交層理や平行層理の観察に は最適です.(静岡大学理学部地球科学科 北村晃寿)

 

目次へ戻る