第8回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

優秀賞:奇妙な宇宙(SORA)
写真:渡辺昌也(和歌山県)
撮影場所:和歌山県東牟婁郡古座川町池野山


 

【撮影者より】
国の天然記念物「虫喰岩」を夜撮影しました。岩肌が呼吸をしているような錯覚に陥り,はっとしました。

【審査委員長講評】
夜の虫食岩の撮影はなかなか難しく,フラッシュをたいて撮影するとのっぺらぼうで手前ばかりが明るい写真になってしまいます.このような作品にするためには三脚にカメラを固定,10秒程度の露出をしている最中に,離れた場所から懐中電灯を振り回して虫食岩を照らすようにしなければなりません.色も意図的にコントロールしたのでしょうか.


【地質的背景】
奇岩「鬼の虫喰岩」の表面には,タフォニと呼ばれる奇妙な浸食構造がみられる.タフォニが描く幾何学模様は,夜空の神秘と調和し,無限の空間的広がりを感じさせる.その母岩は,長さ20km,幅数100mに及ぶ火山砕屑岩からなり,太古の巨大カルデラが浸食され,マグマの通路が露出したものと考えられている.すなわち,時空を大きく飛び越え,今ここに存在する宇宙 (SORA) が,この一枚には映し出されている.(電力中央研究所 三浦大助)
 

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