入選:大地の息吹を感じて
写真:岡本芳隆(神奈川県)
撮影場所:富山県中新川郡立山町
【撮影者より】
立山黒部ジオパークは富山県東部と富山湾をエリアとするジオパークです.約38億年前の日本最古のジルコンに見られる歴史と標高約3000mの北アルプスから水深1000mに達する富山湾の高低差4000mの空間をテーマにしているそうです.この日は秋晴れに恵まれ鮮やかに彩られた紅葉を楽しむことが出来ました.
【審査委員長講評】
室堂から撮影した立山です.紅葉や青空に浮かぶ絹雲も印象的で,作品を見ながら氷期の立山に思いをめぐらすのも楽しいことです.作者は作品の説明で立山黒部ジオパークの1つとしてとらえています.今回は 1枚の作品でしたが,組写真でジオパークの空間・時間的な広がりを示すのも説得力があって面白いかもしれません.
【地質的背景】
立山に活火山のイメージをもつ方もいらっしゃると思いますが,北アルプスの多くやいわゆる立山(雄山・大汝山・富士ノ折立)の山体は隆起した花崗岩類からなります.写真の中央右に写るのは標高2,861 mの真砂岳です.山頂付近には山名の通り花崗岩が風化してできた砂(真砂)が見られ,剱岳などと比べると穏やかな山容をしているのが特徴です.立山黒部アルペンルートの終点である室堂ターミナル(標高2,450 m)から,気軽に登山を楽しむことができます.(増渕佳子:富山市科学博物館)