第7回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

入選:朝陽輝く幾何学模様の干潟
写真:谷山誠四郎(東京都)
撮影場所:兵庫県たつの市御津町 新舞子海岸


 

【撮影者より】
新舞子海岸に現出する幾何学模様の干潟は,東西1.5kmにも及ぶ.毎年11月下旬から1月の干潮時の限られた日の僅かな時間である.朝陽に照らされる幾何学模様の干潟が黄金色に輝き,まるで別世界のような感動的な光景です.

【審査委員長講評】
作品の選考は,作品自身の素晴らしさに加えて,類似した作品の有無,学術的な価値,意外性などの視点からも評価されます.新舞子海岸は有名な撮影スポットで,展望台と干潟の位置関係から干潮の明け方に撮影された類似作品が多数あることから,この作品のポイントは下げざるを得ませんでした.ジオの要素がもう少し加わればと思います.


【地質的背景】
砂質海岸で潮が満ちると水面下に沈み,潮が引くと現れる場所を“干潟”と呼んでいます.干潟には上げ潮流・下げ潮流によって砂や泥が運ばれています.流れや波の作用が比較的強いところには砂が多く堆積して“砂干潟”を形成し,流れの働き方によって“砂堆(デューン)”や“砂漣(リップル)”と呼ばれる周期的な微地形ができます.それらと水面との組合せによって様々な幾何学模様が見えるのです.干潟にはまた,様々な生物が棲息し,海水の浄化作用を担ってもいます.(横川美和:大阪工業大学)
 

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