第7回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

スマホ賞:中生代の水辺
写真:池上郁彦(オーストラリア)
撮影場所:韓国南東部・巨済島(閑麗海上国立公園)北緯34度44分20.8秒 東経128度39分40.2秒


 

【撮影者より・地質的背景】
湿った土壌が乾燥すると多角形の割れ目が生じる事は,現在の干潟や田畑でも観察することが出来ます.これは「マッドクラック」と呼ばれ,地質からの古環境復元において水辺であったことを示す強い手掛かりとなります.写真は韓国・巨済島の海岸に露出している白亜紀のJindong Formationにおけるマッドクラックです.さり気なく置いてあるマジックから,割れ目の1辺が20 cmほどであることが分かります.スマートフォンでの撮影なので,ジオタグ* 付きです(解説:撮影者本人).*  写真データに付加される追加情報(タグ)で, 緯度と経度の数値を含めたもの

【審査委員長講評】
韓国南部は白亜紀の地層が広く分布し,恐竜足跡の残る多数の島々からなり,その最大の島が巨済島です.マッドクラックを逆光によって強調させて,目立たないようなスケール(写真中央よりやや右下の赤いマジック)の置き方も憎いばかりです.池上さんは毎回入選している地質研究者で,着眼点がしっかりしていれば,スマホでもこれだけの作品が撮れるという好例です.

※「スマホ賞」:ジオフォトがより身近でより親しみやすいものとなるよう,またチャンスを逃さない新たな視点の作品投稿につながるよう,携帯,スマートフォンでの撮影作品を対象に表彰します.
 

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