ジオパーク賞:巨岩聳える
写真:小林健一(埼玉県)
撮影場所:群馬県甘楽郡下仁田町御堂山,下仁田ジオパーク ジオサイト「じぃとばぁ」
【撮影者より】
群馬県の西上州の山々には奇岩が多く存在しますが,御堂山(878m)の「ジジ岩,ババ岩」もそのひとつです.下仁田ジオパークのジオサイトでは,「じぃとばぁ」という名称で登録されています.突如として山中に現れた不思議な形の巨岩群にとても驚きました.
【審査委員長講評】
2011年に認定された下仁田ジオパークは妙義山,荒船山などを中心としたジオパークです.岩の上に生えた松がスケールとなって巨岩であることがわかりますし,霞んだ谷間に見える家々や遠くの高圧鉄塔から高い場所に登っている感動が伝わってきます.下仁田ジオパークを訪れたくなる作品です.
【地質的背景】
「じいとばあ」の構成岩は後期中新世に堆積した凝灰角礫岩です.本宿第一次陥没盆地(本宿団体研究グループ,1970)内で発生した火山活動で生まれた火山岩類が,その後の浸食で今日の姿になりました.立像の周辺に断層が見あたらないので,岩塊が垂直方向の節理にそって剥ぎ取られて形成された,と推定されます.(ジオパーク下仁田協議会)
(文献)本宿団体研究グループ, 1970,本宿グリーンタフ層の層序学的研究. 地団研専報, no. 16, 1-12.