第6回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

入選:柱状節理(組写真)
写真:永友武治(宮崎県)
撮影場所:宮崎県えびの市




【撮影者より】
霧島連山の西に位置するところに飯盛山(標高846m)があります.約3万年くらい前にできた火山です.撮影場所は,飯盛山の溶岩流の末端であると思われます.霧島ジオパークガイドを行っており,折々に地質露頭を観察する機会がありますが,この柱状節理の美しい姿に驚きました.全面,側面ときれいに見えていました.とても貴重なジオ材料になると思います.やがては壊されるでしょうが今回の写真を使って勉強材料にしたいと思います.

【審査委員長講評】
柱状節理の自然露頭は全国各地にありますが,自然露頭では長年の間に風化が進み,シャープさがなくなっているものですが,この柱状節理は切り出したばかりの印象的な露頭です.3枚の内1枚に人物をスケールとして入れたのは良かったのですが,人物を右端に寄せるとなお良かったと思います.


【地質的背景】
飯盛山は,南九州霧島火山の北西端にある火山体です.比高250m程度の小さな砕屑丘ですが,その北から西麓には広く溶岩が分布しています.工事現場や採石場では,写真のような柱状節理の発達した断面がよく現れます.この溶岩が流出した約3万年前の加久藤盆地は湖でした.そのため周辺には,この溶岩と湖水が接触して作られた二次噴火口がいくつも見られます.湖水の絡んだ複雑な溶岩の冷却プロセスが,縦横に走る柱状節理を作り出したと考えられます.(井村隆介:鹿児島大学)


(注意) ジオパークに限らず,このような場所を見学する際には,ヘルメットをかぶる等十分安全に配慮した上で見学を行って下さい.
 

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