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┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン ┬┴┬┴┬┴┬┴
┬┴┬┴┬┴┬ No.215 2013/4/16  ┬┴┬┴ <*)++<< ┴┬┴┬┴
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★★目次 ★★
【1】第4回惑星地球フォトコンテスト 審査結果
【2】日本地質学第5回総会開催について
【3】第66回国際地質科学連合(IUGS)理事会出席報告
【4】行事委員会より:シンポジウムとセッションが決定しました
【5】本の紹介:「観光地の自然学—ジオパークでまなぶ」
【6】IGCP608 Asia-Pacific Cretaceous EcosystemsのWebsite開設
【7】2013年「地質の日」行事予定
【8】「ジオルジュ」ライター募集
【9】支部情報
【10】その他のお知らせ
【11】公募情報・各賞情報

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【1】第4回惑星地球フォトコンテスト 審査結果
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第4回惑星地球フォトコンテストの審査が行われ、応募総数205点の中から最優秀賞「深い海底の流れ」(坂口有人さん、神奈川県)など12作品の入選が決定しました。授賞式は、5月18日(土)14:15より、東京王子の「北とぴあ」にて行われます。
入選作品はこちらから、、、
http://www.geosociety.jp/faq/content0009.html

——入選作品展示会のお知らせ——
入選作品の展示会が以下のように開催されます。迫力のある作品を
ぜひ会場でご覧ください。

埼玉県立 自然の博物館: 5月25日(土)〜6月9日(日)
兵庫県立 人と自然の博物館: 7月6日(土)〜8月4日(日)
地質情報展(仙台大会): 9月14日(土)〜9月16日(月)
あいちサイエンスフェスティバル: 10月初旬〜11月
奥出雲多根自然博物館: 12月21日(土)〜2月3日(月)

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【2】日本地質学第5回総会開催について
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日時 2013年5月18日(土)12:30〜14:00
会場 北とぴあ 第2研修室(東京都北区王子1-11-1)

1. 定款第20条により本総会は役員ならびに代議員による総会となります.ただし定款により正会員は総会に陪席することができます.

2. 定款第28条第1項により,代議員には別途,総会開催通知ならびに総会規則にもとづく議決権行使書,委任状などをお送りいたします.ご都合で欠席される方は,議決権行使書または委任状を提出してください.

詳しくは,http://www.geosociety.jp/outline/content0111.html
*総会終了後,同会場にて第4回惑星地球フォトコンテストの表彰式を行います。

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【3】第66回国際地質科学連合(IUGS)理事会出席報告
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小川勇二郎(IUGS理事)

2013年2月19〜22日(火〜金),パリのユネスコ・アネックスで開かれた標記の国際地球科学連合 (International Union of Geological Sciences,以下,IUGSと略記; http://www.iugs.org/) の理事会 (Executive Committee) に,初めて出席した.以下はその感想を交えた報告である.
私は,2012年8月オーストラリアのブリスベーンで開かれた第34回万国地質学会議(IGC)でのIUGSの総会で,新規の理事(任期4年)に選出された.会長ほかを含めて理事等計9名で理事会(Executive Committee)を構成する.ほぼ各大陸区分ごとにある程度バランスを取って選出される模様であるが,出資金にもある程度比例しているようである.
続きはこちらから.http://www.geosociety.jp/faq/content0449.html

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【4】行事委員会より:シンポジウムとセッションが決定しました
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本年9月に開催される第120年学術大会(仙台大会)のシンポジウムとセッションが決定しましたので,速報としてお知らせします.詳細はニュース誌大会予告号(5月号)と大会ページに掲載します.
行事委員長(行事担当理事) 星 博幸

セッション名等はこちらから.http://www.geosociety.jp/science/content0055.html

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【5】本の紹介:「観光地の自然学—ジオパークでまなぶ」
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小泉武栄 著 古今書院
A5判 198頁(カラー88頁)2,600円(税別)

著者の小泉武栄(たけえい)氏は東京学芸大教授で,自然地理学,地生態学がご専門である.登山愛好家の知人から山の自然学に関する本の著者である小泉氏のことを聞いたことがあり,筆者もお名前だけは知っていた.5年近く前から,日本ジオパーク委員会委員として,会議や現地視察でご一緒する機会も増えたこともあり,ジオパークに関連した著書として紹介・推薦する次第である.
本書の主旨は,「はじめに」を読んでいただければよくわかる.その中で「知的観光旅行をしよう!地形,地質,森や植物,滝,棚田,神社,土地利用・・・.面白そうなものをみつけ,なぜそれができたのかを考えよう.」という呼びかけに,本書の中身が集約されている.小泉氏は知的好奇心が旺盛な社会人の巡検サークル「山遊会」のメンバーと巡検を行い,地形・地質から水,植物,ときには昆虫などまで取り上げ,それぞれの繋がりを重視しながら,なぜそこにそれがある(いる)のかを説明されているという.その巡検案内をとりまとめたのが本書である.実は筆者が「日本の地質構造百選」(日本地質学会構造地質部会編)を2年前に企画していたとき,南紀州の天鳥の褶曲を取材するためにネットで検索していた所,「山遊会」の巡検紀行のホームページが露頭の場所を探すのに大変参考になった.
ジオパークはジオ(地形や地質)だけではなく,ジオとエコ(生態)さらには人がつくった文化や歴史などとのつながりをまるごと学び・楽しむ大地の公園である.ただ,私のような地質屋にとっては,植物や動物の知識に乏しいので,なかなかジオとエコの繋がりを説明する事はできない.小泉氏は,この部分がご専門で大変精通しており,その意味でも貴重なガイドブックとなっている.
本書で取り上げられた観光地は下の15地域(テーマ)に及び,多くの美しい写真や見やすい地形図も盛り込まれている.その地域は,1.伊豆半島,2.昇仙峡,3.南紀州,4.室戸岬,5.足摺岬,6.英彦山・耶馬渓・由布岳,7.秋吉台・平尾台・四国カルスト,8.北長門海岸,9.隠岐諸島,10.丹後半島,11.立山,12.佐渡島,13.きのこ岩・塔のへつり,14.磐梯山,15.岩手山・焼走り溶岩流 となっている.そのほか,8つのコラムにはその他のお薦めの地域が記されている.ジオパークという観点で見ると,上記の1, 4, 9, 10, 14の地域(の一部)がすでに日本ジオパークに認定されており,筆者が知る限り3, 7, 8, 12 の地域(の一部)が現在ジオパークを目指している.そのほかの地域も,小泉氏自身が優れたジオサイトをもつという点において将来ジオパークになる資格が充分あるとされている地域である.筆者も様々な地域を旅した経験があるが,たとえば英彦山東方のビュートとか,郡山市のきのこ岩,萩市北方の溶岩平頂丘の萩六島など,日本にもこんな珍しい地形があるのか,と驚かされるものもあり,そのでき方も説明されているので大いに楽しめると同時に,日本列島のジオの多様性を改めて認識させられる.
本書で挙げられた15の地域について,読者はどういう順番で読んでもよく,もしこれらの地域に出かける時は,その章をコピーして持参すると良いだろう.15の地域についてひとつひとつ紹介しても良いが,それは読者の楽しみに残しておくとして,本書のひとつの特徴である「ジオとエコのつながり」についての記述例を11.立山 にみてみよう.筆者も2009年秋に登山に行った場所であるが,その時はジュラ紀の花崗岩の分布や大崩落で有名な立山カルデラに興味を持った程度であった.小泉氏の記述によると,弥陀が原の下部はタテヤマスギの原生林となっているが,この程度の標高であれば白山にみられるように全域がブナ林になっているのが普通なので,ブナが少なく,タテヤマスギが優先しているのは異常だと言う.その種明かしは次のように書かれている.すなわち,タテヤマスギ林の内部には,地形的,地質的条件の悪い所に生える樹木が見られ,スギも同様の悪条件の立地に生育する.弥陀が原の溶結凝灰岩の大地は,形成後10万年近く経過しているにもかかわらず樹木の生育にとって好条件ではなく,厚い土壌を好むブナが少ない.さらにその上部では,通常であればシラビソやオオシラビソなどの亞高山帯の針葉樹林が表れるが,それがみられず,さらに上部の花崗岩分布域でオオシラビソの森となっているという.筆者は八方尾根から唐松岳に登った時に蛇紋岩帯とその上位の砂岩・泥岩分布域で明瞭な植生の違い(森林の逆転現象)を認識することができたが,溶結凝灰岩と花崗岩の違いも表層地質の違いをもたらし,植生の違いをもたらすことがわかり,次回立山に行けば,もっと楽しめるに違いないと思う.立山以外でも,いくつか取り上げられている火山地域では,噴火の時期とその後の植生の変化についても解説されており,興味はつきない.
本書では文中の草花や樹木のいくつかは写真が付けられているが,できれば巻末にでも植物の名称について写真付きで紹介いただけるとありがたい.また様々な岩石名や地形などの専門用語も出てくるので,その説明もどこかに触れられると専門でない読者には助かるであろう.ただ,紙面の都合もあるので,将来たとえば地域別に分冊で小泉流知的ジオ(+エコ)ツーリズムを特集いただき,山にも携帯できる薄めのガイドブックが出版されるとありがたいと思うが,いかがだろうか.
冒頭にも述べたが,本書にちりばめられた謎解きの旅は,多くの自然愛好家の知的好奇心を満足することであろう.ジオパーク関係者はもとより,自然が好きなすべての読者に一読を薦める.

(高木秀雄)


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【6】IGCP608 Asia-Pacific Cretaceous EcosystemsのWebsite開設
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2013年3月に採択され活動を開始した,地質科学国際研究計画(International Geoscience Programme:IGCP)608 Cretaceous ecosystems and their responses to paleoenvironmental changes in Asia and the Western Pacific (白亜紀のアジア−西太平洋地域の生態系システムと環境変動)(略称:Asia-PacificCretaceous Ecosystems 白亜紀アジア−西太平洋生態系) のWebsiteが開設されましたので,ぜひご覧ください.今後,活動の各種情報を随時提供していきます.ご参加・ご協力・ご支援をよろしくお願いします.
URL: http://igcp608.sci.ibaraki.ac.jp/

(IGCP608 プロジェクトリーダー 安藤寿男)


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【7】2013年「地質の日」行事予定
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2008年より5月10日が『地質の日』に制定され,これを記念した多くのイベントが,全国各地の博物館・大学で開催されています。
今年も学会関連の行事が多数予定されています.

◆地質学会・応用地質学会主催:街中ジオ散歩 in Tokyo「石神井川がつくる地形の移り変わりと地質(仮)」(5/12開催
◆近畿支部:地球科学講演会「大阪平野の地盤環境と地盤災害」(5/12開催)(申込締切4/30)←HP情報更新しました。
◆北海道支部:「地質の日」記念展示「豊平川と共に—その恵みと災い—」(4/23〜6/2
◆西日本支部:身近に知る『くまもとの大地』(5/11開催
◆三浦半島活断層調査会:地質の日記念観察会:「深海から生まれた城ヶ島」(日本地質学会後援)(5/11開催

それぞれのイベントの詳細は,学会HPの「地質の日」よりご覧頂けます.
http://www.geosociety.jp/name/content0014.html

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【8】「ジオルジュ」ライター募集
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地質学会広報誌「ジオルジュ」は創刊1周年です.来月には2013前期号が皆様のお手元に届きます.
一般の読者に向けて地球科学に関する広い話題をわかりやすく紹介するため、ジオルジュはサイエンスライターの皆さんの手により作られています。ジオルジュを多くの人に親しまれる雑誌にするため協力していただける方、その他の学会刊行物にサイエンスを紹介する記事を書きたいという方は、下記事務局までお問い合わせ下さい。応募多数の場合は審査させて頂きます.

eメール main@geosociety.jp  電話03-5823-1150

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【9】支部情報
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■北海道支部
支部例会(個人講演会)
日時:4月27日(土)10:00〜18:00(予定)
場所:北海道大学理学部5号館2階 5-201室
詳しくは,http://www.geosociety.jp/outline/content0023.html

■関東支部
第3回関東支部ミニ巡検=房総・三浦研究サミット関連巡検第1弾
『房総半島南東部夷隅地方における正断層群』
5月25日(土)〜26日(日)
集合場所:JR蘇我駅(自家用車参加不可)
募集人数:10名(先着順)地質学会会員優先
参加申込締切:4/25
詳しくは,http://kanto.geosociety.jp/

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【10】その他のお知らせ
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■電中研ニュースNo.474 発行
「雷から電力流通設備を守るためのガイドを作成」
http://criepi.denken.or.jp/research/news/

■地震本部ニュース2月号(2013.4.5配信)
九州地域の活断層の長期評価(第一版)ほか
http://www.jishin.go.jp/main/p_koho04.htm

■地震本部ニュース3月号(2013.4.15配信)
地震調査委員会[第247回]ほか
http://www.jishin.go.jp/main/p_koho04.htm

■海底地形名称の提案募集のお知らせ
海上保安庁では、海底調査で明らかになった海底地形に名称を付与し海図や海底地形図などに記載するとともに、学術分野等での利用の便宜を図っており、下記のとおり、新たな海底地形名称の提案を受け付けています。
詳しくはこちらから.
http://www.geosociety.jp/uploads/fckeditor//others-pdf/20130416-gf.pdf

■平成24年度笹川科学研究奨励賞受賞研究発表会
4月26日(金)
研究発表会 9:30〜 ※出入り自由
研究奨励の会 11:45〜12:20 研究者交流会 12:30〜14:30
http://www.jss.or.jp/ikusei/sasakawa/kenkyuu/kenkyuu.html

■第150回深田研談話会
5月10日(金)15:30〜17:30
会場:深田地質研究所研修ホール(文京区本駒込2-13-12)
定員:80名(先着順) 参加費:無料
申込締切:5/8
http://www.fgi.or.jp/

■三浦半島活断層調査会・地質情報普及講座 地質の日・記念観察会
『深海から生まれた城ヶ島 』
日本地質学会 後援
5月11日(土)10:00〜15:00(小雨決行)
集合場所:城ヶ島バス停
申込締切:5/3 募集人数:50名
http://www.geosociety.jp/uploads/fckeditor//others-pic/2013jogashima-miura.gif

■2013 Western Pacific Sedimentology Meeting
台湾地質学会,日本堆積学会 主催
日本地質学会,IAS,SEPMほか 共催
5月13日(月)〜18日(土)
13〜14日:研究発表 15〜18日:巡検
場所:The Longtan Aspire Resort, Taoyuan, northern Taiwan
http://wpsm.ncu.edu.tw/

■日本地球惑星科学連合2013年大会
5月19日(日)〜24日(金)
場所:幕張メッセ国際会議場(千葉市美浜区)
事前(割引)参加登録申込締切:5月7日(火) 17:00 JST
5/19:パブリックセッション(一般対象:参加費無料)
5/20-24 13:00-13:40(昼休み):スペシャルレクチャー(大学生・若手研究者対象)
http://www.jpgu.org/meeting/index.htm

■地球惑星科学NYS若手合宿2013
5月24日(金)〜26日(日)
場所:東京大学検見川セミナーハウス
定員:50名(学部生以上)
参加申込締切:4/26(定員を超えた場合、締切前に申し込み終了する場合あり)
https://sites.google.com/site/nyswakate2013/home

■第50回 アイソトープ・放射線研究発表会発表論文の募集
日本地質学会ほか 共催
7月3日(水)〜5日(金)
会場:東京大学弥生講堂(東京都文京区弥生1-1-1)
http://www.jrias.or.jp

■第57回粘土科学討論会
日本地質学会 共催
9月4日(水)〜6日(金)
会場:高知市文化プラザかるぽーと
参加・講演の申込期間 :6月3日(月)〜 14日(金)
講演要旨送付締切 :7月12日(金)
http://www.cssj2.org/

■第30 回歴史地震研究会
9月14日(水)〜16日(月・祝)
会場:秋田大学
講演発表申込締切 :5月31日(金)
講演要旨送付締切 :7月31日(水)
懇親会・巡検・昼食申込締切 :7月31日(水)
http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/menu7.html

その他のイベント情報は,学会行事カレンダーもご参照下さい。
http://www.geosociety.jp/outline/content0098.html#now

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【11】公募情報・各賞情報
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■北海道教育大学:釧路校地学分野教員(教授または准教授)(5/31

■2014年〜2015年開催藤原セミナーの募集(学会締切:6/28
■2013年度「信州フィールド科学賞」(6/28
■East Asia Geoscience and Environmental Research (EAGER)賞の募集(6/1
■山田科学振興財団 国際学術集会開催助成の公募(2014/2/28
■公益財団法人住友財団 2013年度基礎科学研究助成、環境研究助成の公募(6/28 メール締切:6/20

詳細およびその他の公募情報は,
http://www.geosociety.jp/outline/content0016.html

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報告記事やニュース誌表紙写真、マンガ原稿募集中です。
geo-Flashは、月2回(第1・3火曜日)配信予定です。原稿は配信前週金曜日
までに事務局(geo-flash@geosociety.jp)へお送りください。