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┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン ┬┴┬┴┬┴┬┴
┬┴┬┴┬┴┬ No.080 2009/10/20 ┴┬┴┬ <*)++<< ┴┬┴┬┴┬
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★★目次 ★★
【1】第四紀の下限が変わる!
【2】国際交流:モンゴルへの交流協定締結
【3】2010年連合大会:旧レギュラーセッション提案お願い
【4】2010年度会費請求・学部生/院生割引申請受付開始!
【5】名簿作成アンケート実施中:会員情報変更締切 11/6(金)
【6】来年は富山大会です:日本地質学会第117年学術大会
【7】その他お知らせ
【8】公募情報
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【1】第四紀の下限が変わる!
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この度,国際地質科学連合(IUGS)の理事会は,2009年6月29日に,第四紀・系の
下限を2.588 Maとする国際層序委員会(ICS)の提案を批准いたしました.今回,
この変更に関する日本地質学会の対応方針の検討が、理事会より地層名委員会に
諮問されております.従来の地層名委員会の委員に,専門部会長,研究委員会委
員長,理事等を加えた拡大地層名委員会を立ち上げて検討を開始しました.今後,
学術会議や関連学協会と連携をとりながら日本としての対応を検討していきます.
問題の背景を理解していただくために,今回このような変更がなされた経緯に関
して簡単に紹介します.
1948年のロンドンでの万国地質学会(IGC)において,第四系の基底は,海生動物
群の変化に基づいて決定するとされました.その後の検討により,第四系の基底
の模式地(GSSP;Global Strato-type Section and Point)として,イタリア地
中海沿岸ヴリカのカラブリア層が選ばれ、同系の基底としてオルドバイ正磁極期
上限付近のsapropel層であるe層の上面が指定され,1985年に国際地質科学連合(
IUGS)で批准されました.しかしその後,古気候や古海洋環境の変遷に関する研
究が進展するにつれ,第四紀更新世の始まりは,深海底コアの底生有孔虫化石の
酸素同位体比が現在の値より大きくなる時期,北半球高緯度においてIce Rafted
Debirsが産出し始める時期(いずれも北半球氷床の形成を示す),中国レスの堆
積開始時期等と一致させるべきとの見解が出され,長らく議論が続けられてきま
した.
今回批准された提案は,この見解に従ったもので,カラブリア期(Calabrian)の
前のジェラ期(Gelasian)が第四紀更新世に含められることになりました.新た
な第四系の基底(鮮新統・更新統境界),すなわちジェラ階の基底は,シシリー
島のモン・サン・ニコラの南斜面にあり,古地磁気層序における松山/ガウス境
界の約1m上位に位置します.その年代は2.588Maであり,これは酸素同位体ステー
ジ(Marine Isotope Stage)のMIS103の基底に相当します.この時期は,地球史
のうえでは,パナマ地峡が2.7Ma頃に閉塞したために,現在の湾流(Gulf Stream)
に相当する海流が成立し,北半球高緯度域に多量の水分がもたらされ氷床が形成
されはじめた時期にあたります.これは,深海底コアの底生有孔虫化石の酸素同
位体比の変化からも支持されます(第1図).
第1図.過去500万年間の深海底底生有孔虫化石の酸素同位体比変動曲線(Lisiecki, and Raymo, M.E. [2005, Paleoceanography, 20, PA1003, doi:10.1029/2004PA001071]をもとに井龍が作成).2.60M頃を境に,現在の値よりも大きな値を示すようになり,4.1万年周期のミランコビッチサイクルが顕著になっています. |
2009年10月1日
日本地質学会拡大地層名委員会
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【2】国際交流:モンゴルへの交流協定締結
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日本地質学会とモンゴル地質学会の交流協定の調印式が、10月14日モンゴル地質
学会のモンゴル地質調査70周年記念学術大会の際に行われました。
モンゴル地質学会からの招待を受け、地質学会からは、宮下会長と石渡理事(国
際交流担当)及び地質学会日・モンゴル小委員会の高橋裕平会員・坂巻幸雄会員
にご出席頂きました.
調印式のほかモンゴル訪問の様子を石渡理事よりご報告頂きましたのでお伝えし
ます。
詳しい報告は、こちら、、、
http://www.geosociety.jp/science/content0042.html
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【3】2010年連合大会:旧レギュラーセッション提案お願い
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2010年大会では、現在、10月30日(月)17時締切として、セッション提案を募集
中です。
旧レギュラーセッションの「提案」お願い
●セッション構成上、昨年度までのレギュラーセッション・スペシャルセッショ
ンの区別がなくなったため、旧レギュラーセッションもふくめて、すべてのセッ
ションは通常の「セッション」としての「提案」が必要です。
(これまで昨年度コンビーナーやプログラム委員に対し行ってきたレギュラーセッ
ション継続について、連合側からの確認・問い合わせは今年はありません。)
●Webからのセッション提案時に、過去のレギュラーセッション実績についての入
力項目がありますので、ご入力ください。
セッション採択・編成作業ではこれまでのレギュラーセッションとしての開催
実績を十分考慮していきたいと思います。
●事務局からも、過去のコンビーナへ別途よびかけをしていきますが、どうか、
ご所属の学会から提案のセッションなど、お心当たりの旧レギュラーセッション
について、セッション提案の促すご連絡を急ぎお願いもうしあげます。
●学協会の共催・後援など、未確定の情報がある場合も、後日採択されたセッショ
ンについてWebで再入力いただく機会があります(11月中〜下旬を予定)ので、現
段階で確定していない状態でセッション提案いただいた場合も、それまでに確定
くだされば結構です。(トラブルを避けるため、少なくても提案時には、先方に申
し入れはしておいていただくようお願いします。)
セッションは以下のWebサイトからお申し込みいただけます。
<http://www.jpgu.org/meeting/regist01_session.html>
●旧スペシャルセッション、新規セッション提案
また同様に、過去のスペシャルセッションなど、「レギュラーでない」トピッ
クスや全く新しいテーマなどの セッションについても、もちろん多くのご提案
をお待ちしております。
●連合大会を通じた国際的な交流、国際的な活動を促進するため、国際セッショ
ン(すべての講演を英語で行う)の募集も あわせて推進中です。よろしくお願
いいたします。
セッション構成・システムなどの変更のため、混乱されることもあるかと思いま
す。こちらの説明が十分でない部分についてはお詫び申し上げます。
セッション提案についてご不明の点がありましたら、ぜひ、下記の事務局までご
相談いただけるよう、ご助言いただければ幸いです。
村山泰啓:2010年大会プログラム委員長
一般社団法人 日本地球惑星科学連合事務局
〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-16
学会センタービル4階
Tel: 03-6914-2080 Fax: 03-6914-2088
Email: office@jpgu.org
URL: http://www.jpgu.org/
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【4】2010年度会費請求・学部学生も割引申請書の提出が必要になります!
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去る5月の総会において日本地質学会は,来年度(2010年4月)から任意団体日本地
質学会を解散し,事業の全てを一般社団法人日本地質学会へ移行することを決め
ました.会員も2010年度からは法人の会員ということになります.
つきましては,本年末に徴収のご案内をいたします会費は,一般社団法人日本地
質学会2010年度会費ということになります.また,2009年度およびそれ以前に会
費の未納がある場合には,全財産を引き継ぐ法人の会費として督促請求をいたし
ますので,なにとぞご了承ください.
院生および学部学生にはこれまでと同金額の割引会費があります.学部学生も所
定の書式で申請していただいた方に限り,学部学生割引が適用されることになり
ます.
詳しくは、http://www.geosociety.jp/outline/content0052.html
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【5】名簿作成アンケート実施中:会員情報変更締切 11/6(金)
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日本地質学会では,学会員相互の交流と親睦を図る目的で,2年ごとに会員名簿
を発行することを会則にうたっております.2009年はその発行年にあたり,本年1
2月末日発行の予定で準備を行っております.
会員情報の変更、また会員名簿(冊子)への掲載についての確認を会員ページか
らにログインしてご自身の情報を確認・訂正・変更してください.
Web画面更新締切日:2009年11月6日(金)
詳しくは、(ログインID・パスワードが必要です)
http://www.geosociety.jp/members/content0044.html
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【6】来年は富山大会です:日本地質学会第117年学術大会
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来年、日本地質学会第117年学術大会は、富山で開催されます。シポジウムの募集
など今後順次広報して行く予定です。多くの会員の皆様のお越しをお待ちしてい
ます。
■日本地質学会第117年学術大会
日程:2009年9月18日(土)〜20日(月・祝)
メイン会場:富山大学(富山市五福)
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【7】その他お知らせ
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■2010年度各賞候補者募集中
応募締切:2009年12月25日(金)必着
■2010年度代議員および役員選挙 立候補受付中
代議員立候補受付締切:11月12日(木)(必着)
投票期間:11月30日(月)〜1月9日(土)
いずれも、会員のページをご参照下さい(ログインID・パスワードが必要です).
http://www.geosociety.jp/members/content0026.html
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【8】公募情報
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■北見工業大学工学部社会環境工学科教員公募(12/22締切)
■平成22年度環境研究・技術開発推進費及び地球環境研究総合推進費の新規課題
公募(11/10締切)
■日台科学技術交流の各種事業応募者募集(12/25締切)
詳しくは、
http://www.geosociety.jp/outline/content0016.html
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geo-Flashは、月2回(第1・3火曜日)配信予定です。原稿は配信前週金曜日
までに事務局(geo-flash@geosociety.jp)へお送りください。
geo-Flashは送信用であり、返信はできません。