写真:大友幸子(山形大学) Yukiko Ohtomo (Univ. Yamagata)
写真1
写真2
解説:
10年以上前にバルセロナでのある時のお茶会で日本人マダムから,「ジローナのカテドラルのところにアーモンドの化石がたくさんはいっているのよ」という話を聞いた.「はて??アーモンドの化石とは???」と疑問に思いさっそく見学に行った.
ジローナはバルセロナの北東約100kmに位置する町である.小高い丘の一番高いところに11〜18世紀にかけて造られたカテドラルがあり、中世の雰囲気を残す旧市街がそれを取り囲んでいる.駅からカテドラルめざして旧市街の坂をのぼっていくと,バロック様式の正面の前には長い階段が続いていた.階段を登りながら足元を見ると全面貨幣石である(スケール直径約2.5cm).「ああ,これをアーモンドの化石と思ったのか」と妙に納得.カテドラルの周辺を歩くと坂の一角に露頭が顔を出していて,カテドラルは貨幣石石灰岩の小高い丘に建っているようである.始新世にカタルーニャ地方北部から内陸に侵入した海の石灰岩である.