写真:諏訪兼位
写真1
写真2
解説:
写真1. Blyde River CanyonのTransvaal系.
南アフリカの首都Pretoriaは,海抜1400mのTransvaal高原の町である.Pretoriaの東方約200kmのBlyde River Canyonでは,Tranvaal系の地層がGrand Canyonさながらの景観を呈する.(1970年3月7日撮影).
写真2. Drakensberg断層崖のTransvaal系.
Transvaal高原は東へ向かって高くなり,Drakensberg山脈に達する.山脈の東側は急崖になっており,Transvaal系の地層が見事に露出している.(1970年3月7日撮影).
Transvaal系は,第1図に示すように,東西900kmにわたって広がり,50万km2の分布域を示す.Transvaal系の全層厚は15,000mで4層群が識別される.下位から,Wolkberg層群(苦鉄質溶岩・グレーワッケ・珪岩),Chuniespoort層群(Black Reef珪岩・苦灰質石灰岩・縞状鉄鉱層),Pretoria層群(珪岩・頁岩・アルコース・火山岩・漂礫岩・ストロマトライト質炭酸塩岩),Rooiberg層群(珪長岩)と重なる.
Chuniespoort層群中に胚胎する大規模な縞状鉄鉱層の最大層厚は2,000mに達する.この縞状鉄鉱層は1,000kmにわたってつづいている.
大陸の位置を,中生代の大陸移動以前に復元すると,オーストラリア,アフリカ,南米,北米,ロシアの縞状鉄鉱層地帯はよく連続し,ひとつのベルトをつくる.いずれも20億から25億年前に形成されたものである。