┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬
┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン   ┴┬┴┬┴┬┴
┬┴┬┴┬┴┬ No.023 2008/03/04 ┴┬┴┬  <*)++<<  ┴┬┴
┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴
★★目次 ★★
【1】東レ科学技術研究助成に加藤泰浩氏(東大)決定!
【2】第2回国際地学オリンピック参加者募集に354名応募!
【3】シンポ「五島列島と地球の歴史」 自然に残されたタイムカプセルの探求
【4】「カタカナ英語本」の紹介
【5】地質マンガ「堆積岩」「変成岩」
【6】ノーザン・イリノイ大学銃乱射事件に学ぶ日本の危機管理
【7】地質学雑誌 表紙デザイン応募状況
【8】地質の日関連行事:宮澤賢治ジオツアー
【9】国際恐竜シンポジウム2008「アジアの恐竜研究最前線」
【10】地域連携シンポジウム:茨城県の湖沼環境をめぐって
【11】8th International Scientific Conference SGEM2008

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】東レ科学技術研究助成に加藤泰浩氏(東大)決定!
──────────────────────────────────
本会から推薦された加藤泰浩 会員(東大)が、東レ科学技術研究助成を受領
することが決定しました。研究課題は、
「同位体を指標とする固体地球の応
答の解明」です。
授賞式は3月17日に開催される予定です。以下に研究の抱負を加藤会員から
いただきました。

日本地質学会からご推薦いただき、東レ科学
技術研究助成を受けることになりました。こ
の助成は,物理、生物(医学)、化学などの
あらゆる研究分野から推薦された研究者間で
争われるものであり、今回受賞できたことは
研究者として非常に光栄なことです。私の研
究テーマは,「大気CO2濃度の上昇に対する
固体地球の応答の解明」というものです。百
万年を超えるタイムスケールでは、大陸地殻
を構成するケイ酸塩鉱物の化学的風化作用が
大気CO2濃度をコントロールしていると考え
られていますが、それよりも短いタイムスケ
ールでも固体地球の応答が起こっている可能
性があります。1万年ー10万年で寒冷と温暖を繰り返した第四紀の海底堆積物中
のOs (オスミウム)同位体比組成を解析することにより、固体地球の応答のタイ
ムスケールを解明できると考えています。それにより、大気CO2問題に対して我
々人類が対処すべきタイムスケールが明らかになるはずです。

加藤泰浩(東京大学)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】第2回国際地学オリンピック参加者募集に354名応募!
──────────────────────────────────
2008年8月31日から9月7日までフィリピンで開催される第2回国際地学オリンピッ
クに派遣する高校生日本代表団4名を選抜するための試験(国際地学オリンピッ
ク日本委員会主催、地球惑星科学連合共催)に、日本全国から354名の応募があ
りました(25都道府県の44高等学校・中学校)。この354名の中には、中学3年
生が15名、チャレンジする中学2年生4名なども含まれています。
地学オリンピック事務局では予想をはるかに上回る応募に嬉しい悲鳴をあげて
おり、参加賞として用意していたボールペンを急遽追加注文することになりま
した。なお一次選抜として3月16日に在籍高校で筆記試験が実施され約20名が、
二次選抜として5月31日に東京大学で実技試験と面接試験が実施され4名が選抜
される予定です。そして7月下旬の箱根合宿研修を経て、フィリピン大会に臨み
ます。日本地質学会は、国際地学オリンピック日本委員会の協賛団体です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】「五島列島と地球の歴史」 自然に残されたタイムカプセルの探求
──────────────────────────────────
Projact A 第9回シンポジュームin Goto Island
公開講演会 「五島列島と地球の歴史」 自然に残されたタイムカプセルの探求

日時 3月7日 18:30-20:30
場所 五島市福江文化会館 3F 展示室
参加料 無料 (中学生・高校生・一般の方々)
共催 九州大学掘削研究リサーチコア・五島市教育委員会

(講演)
1)「地球科学からみた「日本で暮らす」ということ」 
茨城大学教育学部 准教授 伊藤孝 (NHK教育テレビ高校講座講師)
2)「五島列島の生い立ち」
九州大学地球惑星科学部門 修士2年 長谷川孝宗
3)「深海掘削船 ちきゅう」乗船と五島列島の地質から学んだこと
マリンワークジャパン 海洋観測船研究支援員 安永 雅
4)「五島列島は何歳ですか?:地球の「人生」を考えよう」
九州大学地球惑星科学部門 講師 清川昌一

お問い合わせは、
清川昌一(九州大学地球惑星科学部門)
Tel. 092-642-2666

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】 カタカナ英語本の紹介
──────────────────────────────────
金沢大学理学部 石渡 明 

このメルマガの1〜3号で,筑波大学の小川勇二郎先生が国際学会などにおける
英語の話し方について,とてもタメになるお話を書かれていますが,今年になっ
て,日本人特有の訛りがある「カタカナ英語」でも,十分に通じさせることがで
きる話し方の要領を,懇切丁寧に説明した本がブルーバックスから出ました.こ
れから世界で活躍しようとする日本の若い地質家に役立つ内容の本だと思うので,
ここに紹介します.

池谷裕一 
「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則 ネイティブも驚いた画期的発音術」 
講談社ブルーバックス,B-1574.2008年1月20日第1刷発行.
1,000円+税.

そこでまずクイズですが,カッコ内の状況で次のように発音すると米国人によく
通じるそうです.さて,何と言っているのでしょうか.答えはすぐ下にあります.
(1)(知人に出会った時) はぜ(鯊)ゴン!【ハゼゴン】
注:相手は怪獣? 魚の化け物? 単なるニックネーム?
(2)(隣席の友人に)  悪酔い天下暴れ!【ワルユーテンカバウレッ】
注:酒癖が悪い迷惑者には勇気を持って直言しましょう.
(3)(ちょっと失礼する時) 赤ブラ目熱 【アカプラメネツ】
注:凝視するとセクハラになります.でもその色はちょっと・・・
(4)(動物園で係員に) 春愛月と万桁魚 【ハルアイゲットゥマンケタウオ】
注:土産物のお菓子とオモチャを探している?
(5)(観光地で他人に) 健乳帝 河白猪 【ケニュテイカワペクチョ】 
注:胸が立派な外国の女帝ですが,水浴好きのある動物のような・・・     
(「白」は韓流に発音します)

以上ですが,おわかりになりましたか.(1)と(2)はこの本にそのまま出て
いますが,(3)〜(5)はこの本の内容をもとにして,私が漢字表記などを考
えました.状況や注は私がつけたものです.正答は以下の通りです.
(1)How is it going? (元気かい?)
(2)What do you think about it ? (どう思う?)
(3)A couple of minutes. (ちょっと待ってて)
(4)How do I get to Monkey Tower? (サル山へはどう行きますか?)
(5)Can you take our picture? (写真を撮ってくれませんか?)

要するに,学校式発音でスペル通りに棒読みしても通じず,自分が発する言葉を
理解してもらうにはリズムや気合い・間合いが大切ということだと思います.

この本の著者は脳科学者で,米国に行って言葉が通じずにご自身が大変苦労され
た経験に基づいて,この本を執筆されたそうです.絶望の中に一条の光を見た軌
跡(奇跡?)とのことです.単行本は3年前に出たそうですが,今回それが新書
になりました.発音練習用の8 cm CD付きです.著者の奥さんとネイティブの女性
が録音しています.日本人はなぜ英語ができないかという問題に関する脳科学的
解説もあります.是非ご一読をお勧めします.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】地質マンガ:「堆積岩」・「変成岩」
──────────────────────────────────
詳しくは、 http://www.geosociety.jp/faq/content0057.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6】ノーザン・イリノイ大学銃乱射事件に学ぶ日本の危機管理
──────────────────────────────────
アメリカ、イリノイ州デカルブにあるノーザン・イリノリ大学で2月14日午後
3時(日本時間15日午前6時)に元学生による銃乱射によって、学生5名が死亡、
16名が負傷、犯人は自殺という、痛ましい事件が報道されました。この事件は
地質学の講義中に発生した事件で、地質学を学ぶ若き命が無惨にも銃という武
器によって、突然絶たれてしまったことは、痛恨の極みであります。同大学地
質学教室は私がポストドクで3年過ごした所で地質学関係の知り合いが何人か
おり、これまでに伺った状況を報告させていただくと同時に、被害に遭われた
方々やそのご家族へのお悔やみ、再発防止、精神的な支援の必要な方々へのお
見舞いといたします。
事件は「地質学104」の授業が大教室で行われていた時に起こりました。講義
をしていたのは地質学教室の大学院生、TAも同じく地質の大学院生でした。
講師の院生は肩から上腕部を撃たれたが、大事に至っていません。TAは複数
回撃たれたが意識を失うことなく自力で大講義室から歩いて出たそうです。幸
い2人とも回復の見込みですが、地質学の講義を受けていた学生が5名亡くなっ
たのは報道された通りです。地質学教室の教室主任,Jonathan Berg教授(変成
岩岩石学,南極調査など)は、学生からの電話連絡を受け、半信半疑で現場に
かけつけ、頭から血を流して道路にしゃがみ込んでいる学生を見つけて、連絡
が嘘でなかったことを知りました。その時点で既に救急車とパトカーが到着し、
数十分後に彼が現場から教室に戻る時にはパトカーが100台は集結したそうです。
副学長や他の教員もすぐに現場に現れ、学生を避難させ、カウンセリングを開
始したと聞き、対応が素早く、かつ適切に行われたと感じました。当時,地質
学教室事務室は安否を尋ねる学生でごった返していたそうですが、携帯メール
のリレーが安否確認に役立ったということです。教職員は翌週火曜日に仕事に
戻り、精神的な問題を抱えた学生をどのように対処するかという実習を受け、2
月の最後の週から再開する授業に備えたようです。教室主任のBerg教授のもと
には全国から労りのメールが殺到し、同州の大学教員からは授業を代わって教
えて良いという申し出までもあったそうです。
昨年4月16日に銃乱射事件で33名が亡くなったバージニア工科大学からのもの
を始め、数多くのメールに励まされたといいます。危機管理体制については今
後の評価にゆだねるとしています。社会状況は異なりますが、日本の大学での
危機管理方策について、あらためて考えさせられる出来事でありました。

長谷中利昭(熊本大学)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【7】地質学雑誌 新表紙デザインの投稿状況
──────────────────────────────────
「地質学雑誌」の新表紙デザインを募集中です。今月末が締切ですが、現在ま
での応募数はまだ数点のみです。会員、非会員のみなさまから、学会の新しい
イメージを反映した斬新なデザインを募集します。採用デザインには、賞金5万
円を進呈します。たくさんのご応募、お待ちしております。なお2009年1月号
から表紙のデザインを一新する予定です。

応募の詳細は、
http://www.geosociety.jp/outline/content0050.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【8】地質の日関連行事:宮澤賢治ジオツアー
──────────────────────────────────
GUPIでは地質の日を記念して、宮澤賢治ツアーを企画しました。

主催 (NPO) 地質情報整備・活用機構(GUPI) 
日程 2008年5月17日(土)〜18日(日)(定員になり次第締切)
案内 加藤碵一(産業技術総合研究所)
詳しくは、http://www.gupi.jp/kenji/kenji-tour.pdf

GUPIの宮澤賢治ジオツアーのページもご参照下さい。
http://www.gupi.jp/kenji/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【9】国際恐竜シンポジウム2008「アジアの恐竜研究最前線」のお知らせ
──────────────────────────────────
福井県立恐竜博物館では、中国、韓国、モンゴル、ロシア、タイ、カナダ、
日本から第一線の研究者を招き、シンポジウム「アジアの恐竜研究最前線」を
開催いたします。皆様の御参加をお待ちしております。

主 催:福井県立恐竜博物館
日 程:2008年3月22日(土) 10:00〜16:00  シンポジウム
23日(日) 13:00〜16:00  普及講演、パネルディスカッション
会 場:福井県立恐竜博物館 講堂
(福井県勝山市村岡町寺尾51-11 URL: http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
発表者:董枝明、季強、呂君昌、金幸生、彰光照、李大慶、 Yuong-Nam Lee、
Rinchen Barsbold、Ivan Bolotsky、 Varavudh Suteethorn、Philip Currie、
Eva Koppelhus、冨田幸光、藤田将人、東洋一、柴田正輝
参加費:無料
申 込:不要
その他:日本語と英語での同時通訳を提供します。
問合先:福井県立恐竜博物館 
野田芳和 y-noda@dinosaur.pref.fukui.jp
一島啓人  hiroto.ichishima@dinosaur.pref.fukui.jp

詳しくは、http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/sympo/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【10】茨城大学・霞ヶ浦環境科学センター地域連携シンポジウム
──────────────────────────────────
茨城県の湖沼環境をめぐって
ー市民とともに考える霞ヶ浦の環境の保全と利用ー

日時:2008年3月18日(火)13:00〜16:30
場所:茨城県立図書館 視聴覚ホール
茨城大学・茨城県霞ケ浦環境科学センター・茨城県立図書館・茨城新聞社
協賛:IYPE日本(国際惑星地球年日本)・日本地質学会関東支部・NPO法人 地質
情報整備・活用機構

プログラム
1.あいさつ :菊池龍三郎(茨城大学学長)
2.趣旨説明 :天野一男(茨城大学理学部教授)
3.2007年度連携活動報告
・茨城大学:田切美智雄ほか
・茨城県霞ケ浦環境科学センター:山本哲也ほか
・産業技術総合研究所:納谷友規
4.市民とともにめざす霞ケ浦の環境の保全と利用
(1)茨城大学と茨城県霞ケ浦環境科学センター連携による教育活動の可能性:前
田 修(茨城県霞ケ浦環境科学センター・センター長)
(2)自然を生かした地域活性化へのチャレンジ−茨城大学学生地域参画プロジェ
クトの成果−:小峯慎司(茨城大学理学部4年)・松原典孝(茨城大学理工学研究
科博士後期過程3年)・地質情報活用プロジェクトチーム
(3)地域から世界への情報発信−ジオパークと霞ケ浦大学構想−:天野一男(茨
城大学理学部教授)
(4)霞ヶ浦の環境保全と地元紙の役割:沼田安広(茨城新聞水戸支社編集部長)
(5)農業・地域と結ぶ霞ケ浦:太田寛行(茨城大学農学部教授)
5.総合討論(司会:天野一男)
6.閉会の辞:前田 修

問い合わせ先
茨城大学理学部地球環境科学コース
TEL:029-228-8390(天野一男)FAX:029-228-8405
e-mail:kazuo@mx.ibaraki.ac.jp

茨城県霞ケ浦環境科学センター
TEL:029-828-0963(水環境研究室) FAX:029-828-0963

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【11】8th International Scientific Conference SGEM2008
──────────────────────────────────
日程 2008年6月16日(月)〜20日(金)
場所 Albena Complex  Bulgaria
参加登録 3月15日までに登録するとで5%割引になります。

詳しくは、http://www.sgem.org/index_eng.php
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
geo-Flashは、月2回(第1・3火曜日)配信予定です。原稿は配信前週金曜日
までに事務局( geo-flash@geosociety.jp)へお送りください。
geo-Flashは送信用であり、返信はできません。