5月21日の総会で承認された2011年度事業計画においては東日本大震災に対して以下の取り組みが提起され,それらに関連して200万円の震災関連事業費が予算に計上されている.
すでに環境地質部会で6月4日にシンポジウム「人工改変地と東日本大震災」を開催したほか,独自の企画をしている専門部会もある.会員各位や各専門部会におかれては,地質学会にふさわしい事業を積極的に提案していただきたい.
また,9月の水戸大会では,「大規模災害のリスクマネージメント―東北地方太平洋沖地震に学ぶ―」と題するシンポジウムが企画されているほか,震災に関連する活動の成果や経験を交流する場として夜間集会を持つ予定である.
4月2日の理事会で上記内容の事業計画案および会長名の提言が承認された.提言はすでにNews誌第4号やホームページに掲載されているが,1)超巨大地震は想定しておくべきであったこと,2)津波堆積物の詳細な解析が急務であること,3)長期的視点に立つ地質学が防災にとって重要であること,4)地学教育の重要性などを骨子としている.
一方,関東支部から「2011年東日本大震災を受けて地質学研究者・技術者・教育者としての社会的・歴史的責任を検討する臨時特別委員会の設置」という提案が出された.
これらを受けて執行理事会では,今回の地震の地質学的な背景や総括を行うとともに提言作成へ向けて,執行理事会のもとに作業部会を組織して議論を開始することとした.作業部会のメンバーは以下のとおりである.
池田安隆・伊藤谷生 ・佐藤比呂志・重松紀生・宍倉正展・中山俊雄・平田直・藤井敏嗣・藤本光一郎(幹事)・山本高司(幹事)
作業部会では,4月29日に会合を持って議論を行ったほか,メールなどによって議論を進めた.また,5月21日の総会および理事会において議論された内容も反映させて作業部会としての報告がまとめられた.今後の専門部会や会員のそれぞれの領域での研究,分析,社会貢献,教育,実践などの活動の参考にしていただければ幸いである.
(常務理事 藤本光一郎)