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┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン ┬┴┬┴┬┴┬┴
┬┴┬┴┬┴┬ No.650 2025/3/18┬┴┬┴ <*)++<< ┴┬┴┬┴
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【1】2025年熊本大会 トピックセッション まもなく締切
【2】2025年「地質の日」行事のご案内
【3】Island Arcからのお知らせ
【4】オーサーシップ・二重投稿等に関するアンケート調査への協力依頼
【5】本の紹介「月面フォトアトラス」
【6】支部のお知らせ
【7】その他のお知らせ
【8】公募情報・各賞助成情報等
【9】会員情報に変更があった場合は...
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【1】2025年熊本大会 トピックセッション まもなく締切
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熊本大会トピックセッションはまもなく募集締切です.セッション開催希望
のグループ・団体は,忘れずにお申し込みください.
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トピックセッション募集(3月21日締切)
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第132年学術大会(2025年熊本)
2025年9月14日(日)〜16日(火)
会場:熊本大学黒髪キャンパス ※対面開催
詳しくは,
https://geosociety.jp/science/content0041.html
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【2】2025年「地質の日」行事のご案内
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2025年の「地質の日」に関連した日本地質学会主催,共催,後援等の催しを
ご紹介します。
惑星地球フォトコンテスト第16回ほか入選作品展示会/オンライン一般講演会
「ナウマン来日150年.その功績と足跡を辿る」/街中ジオさ散歩
in Chiba/地球科学講演会 などなど
このほかにも随時情報を更新します.
https://geosociety.jp/name/content0181.html
このほか,地質学会以外の全国の地質の日イベント情報はこちら
https://www.gsj.jp/geologyday/2025/index.html(地質の日事業推進委員会)
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【3】Island Arc からのお知らせ
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■Island Arc:新しい論文が公開されています.
(RESEARCH ARTICLE)Diatom and Radiolarian Biostratigraphy in the Vicinity of
the 2011 Tohoku Earthquake Source Fault in IODP Hole 343‐C0019E of JFAST.
Masao Iwai et al
学会の会員ページからログインすると全文が無料閲覧できます .
https://www.geosoc-member.jp/Member/login.php
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【4】オーサーシップ・二重投稿等に関するアンケート調査への協力依頼
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近年、不適切なオーサーシップや二重投稿など、特定不正行為以外が問題となる
ケースが増えています。研究活動を萎縮させず、研究者が安心して研究活動に
取り組んでいくためには、学協会や学術誌、大学、研究機関等において、研究
活動の実態や研究分野の特性を踏まえたうえで、ルールの策定を含めた適切な
取り組みが進展することが重要です。
そこで今回、オーサーシップと二重投稿に関するアンケートを実施いたします。
ご協力いただけますと幸いです。
【オーサーシップ・二重投稿等の認識に関するアンケート(Web)】
1.調査目的
研究活動にかかわっている研究者のみなさまが、オーサーシップや二重投稿に
ついてどのように考えているかを把握し、研究分野による特性や分野を超えた
認識について明らかにするため。
2.アンケートサイト
(1)URL(以下のリンクよりご回答ください。回答は任意です。)
https://forms.office.com/r/KGbgwSx4Gf
(2)調査対象:研究者(学部生・大学院生、ポスドク等を含む)
(3)所要時間:15分程度
(4)回答締切:2025年3月23日(日)
3.結果の公開
アンケートの結果は、研究者のみなさまや協力いただいた学協会にて
ご活用いただけるよう、プロジェクトウェブサイトにて公開いたします。
また、詳細な分析結果については、学会や学術誌等にて発表する予定です。
<アンケート問い合わせ先>
大阪大学全学教育推進機構・教授 中村征樹
「研究分野の多様性を踏まえた研究公正規範の明確化と共有」
(JST科学技術イノベーション政策のための科学研究開発プロジェクト採択課題)
E-mail : inquiry-ristex21[at]research-integrity.info
https://research-integrity.info/2021ristex/
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【5】本の紹介「月面フォトアトラス」
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月面フォトアトラス 精細画像で読み解く月の地形と地質
白尾元理著
誠文堂新光社 2025年2月15日発行,A4判,239ページ,
ISBN978-4-416-52409-1 定価4400円+税

本書は,著者所有の口径35cm反射望遠鏡で撮影した高解像度の月面写真を用いて,月面の表側(地球に面する側)を14地域に分け,地域ごとに数枚の写真を示して解説を加えた月面写真地図である.著者の前著「月の地形ウォッチングガイド」(誠文堂新光社,2009)では周辺部に漏れた部分があったが,本書では全面を漏れなくカバーしている.前著ではA5判の写真だったのが,本書では全て見開きA3判(面積で4倍)で,各々が1000枚程度の写真を処理して大気の揺らぎの影響を取り除くイメージスタッキング法による高解像度写真なので,迫力と分解能が違う.そして,前著と同様,地域別の写真・解説の前に,月齢順の月の全体写真がある(p.12-59,月齢3〜27).特定の海やクレーターに注目して月齢順に写真を見ていくと,太陽高度の変化による地形の見え方の移り変わりがわかる.著者によると,本書の喉(のど,紙を綴じた部分)は丈夫に作ってあり,ページを大きく開いて見ても大丈夫とのことである.
月齢順の写真の中に満月の写真が2枚あり,そのうち1枚がカラーで,色の違いを強調してある(p.36-37).このような月のカラー写真は初見で驚いた.例えば,アポロ11号が着陸した静かの海(ウサギの顔)は黒く(著者によれば青く),その北の晴れの海(ウサギの胸)は赤くて周辺部が黒い.その西の雨の海(ウサギの胴)は東部が赤くて西部が黒く(p.34,46,172でも明暗の差がわかる),黒い部分は溶岩流の地形が顕著である.嵐の大洋や雲の海・湿りの海など西半球の海は黒い部分が多く,黒い部分はチタンが多い玄武岩とのことである.武田弘(2009)「固体惑星物質進化」(現代図書)のp.87に米国のクレメンタイン探査機による月全球のチタン分布図(蛍光X線分析による)があり,この図の高チタン地域(TiO
2=3〜10%程度)は確かにこの写真の黒い部分とよく一致する.実際,アポロ11号は静かの海から高チタン玄武岩を持ち帰り,その中からarmalcoliteFeTi
2O
5という新しいチタン鉱物が発見された(チタン鉄鉱ilmeniteFeTiO
3よりTiが多い.名称は3人の飛行士に因む).その後のアポロは低チタン玄武岩を持ち帰ったが,最後の17号(晴れの海の南東縁)が再び高チタン玄武岩を採集した(ただし,極低チタン玄武岩もあった).
目次に沿って本書の構成を示すと,はじめに,インデックスMAP(各章冒頭にもある),月の地名の読み方,月を見るための機材(双眼鏡・望遠鏡),月齢別月面ガイド(上述),地域別月面ガイド(上述):1.コペルニクス周辺,2.雨の海,3.静かの海,4.晴れの海,5.神酒の海,6.南部高地,7.南東部高地,8.中央部,9.嵐の大洋,10.湿りの海,11.北部高地,12.東縁部,13.雲の海とその東部,14.西縁部,そして「さらに月を知りたい人のために」として,月の公転・自転と見え方の関係,月を撮影するための機材/画像処理方法,LRO(LunarReconnaissanceOrbiter,米国の月周回機)で月を見る,月探査機一覧表,写真データ(著者撮影写真各々の年月日時分,月齢,秤動等),参考文献/ウェブサイト,地名索引を載せる.なお,裏側も含むKAGUYA月面図を併用すれば表側周辺部の歪んだ地形の理解に役立つ(石渡,2016;
https://geosociety.jp/faq/content0666.html参照).
本書には,米国のアポロ計画で飛行士が撮影した写真やLROの写真等も,解説の必要に応じ多数示されている.「かぐや」が発見した静かの海の直径100mの縦孔をLROが真上と斜め上から撮影した写真(p.97)は,孔の底に太陽光が当たり,角ばった岩塊が散在する様子や,孔壁に水平な溶岩層が露出する様子が写っている.著者はこの孔底に探査機を着陸させる日本のUZUME計画に期待を寄せている.
本書の地域別の各章には1つずつ充実したコラム記事がある.1.月のクレーター:火山説vs隕石説,2.月の時代区分,3.「かぐや」が発見した月の縦孔(上述),4.タウルス・リトロー谷:アポロ17号の着陸地,5.高地に着陸した唯一のアポロ16号,6.ティコに注目(チクシュルブと兄弟?),7.クレーター年代学とは,8.嵐の大洋はアメリカの無人・有人着陸地点,9.月にもあった大型火山(マリウス丘等),10.月の谷,11.クレーター年代学で若い年代を調べる,12.オニール橋の謎,13.月の表面を形作った衝突と火山活動,14.オリエンタレベイスン(東の海を中心とする多重衝突構造)発見記.そして,各章には詳しい地名解説があり,月齢別写真を含め,各写真の一隅に白文字で説明を記している.
なお,「11.北部高地」の最初の写真(p.168/169)は,虹の入り江に近い雨の海北部の嫦娥3号(中国)着陸地点を示すが,同写真内にある嫦娥5号着陸地点(石渡,2021;
https://geosociety.jp/faq/content0995.html参照)は示していない.巻末の月探査機一覧表は昨年(2024)の嫦娥6号まで載せるが,4号と6号は裏側に着陸した.昨年1月に日本のSLIMは危機の海の西方,多重衝突構造内に着陸したが,これは「かぐや」がマントル起源のかんらん石を発見した場所を選んだという(p.107).
本書のカバーは月面写真が全面に印刷されているが,この写真の説明が見当たらない.表紙側にヒギヌス谷とアリアデヌス谷が写っており,上(西)は月面中心を含む上弦の月の欠け際,下(東)は静かの海の西端,右(北)は蒸気の海,左(南)はアルバテクニウスで限られ,デカルト高地のアポロ16号着陸地点を含む地域と思われる.唯一高地に着陸したアポロ16号の予想外の成果については,著者の2009年の前著第33章「中央部の高地:高地に火山活動はあったか?」(p.136-138)に詳しい.この話は本書第5章のコラムにもある.そして,本書第2章p.81はアポロ15号(ハドレー谷),第3章p.89,91,96はアポロ11号(静かの海),第4章のコラムはアポロ17号(晴れの海東部,タウルス・リトロー谷,ショーティ・クレーター),第8章のコラムはアポロ12号(知られた海)と14号(フラ・マウロ丘陵,知られた海東縁)の成果について述べている.
本書は月面全体を大画面で漏れなく示した写真地図として使いやすく,しかも写真の質が非常に高い.双眼鏡や小望遠鏡での月観察にはこの上ない案内書である.科学的な読み物としても優れており,自分で月の写真を撮影したい人には専門的なガイドとなっている.欲を言えば,地名索引だけでなく,事項索引もあればよかった.
満月時は月面の色の違いがわかりやすく,ティコ(1.9億年前,p.125)やコペルニクス(8.5億年前,p.65)から射出する光条(天体衝突の痕跡),月面中央付近の数ヵ所の黒色部(DMD,溶岩噴泉の噴出物,p.139,前著33,110),そして上述の海の溶岩の色の違い(チタン量の差)等,本書を読んで小望遠鏡での月面地質学を楽しもう.
(石渡 明)
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【6】支部のお知らせ
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[中部支部]
2025年支部年会
6月21日(土)-22日(日)
会場:静岡大学静岡キャンパス
巡検『瀬戸川帯南部の超塩基性-塩基性岩類の産状』6/22
https://geosociety.jp/outline/content0019.html#2025nenkai
[関東支部]
2025年度関東支部総会・講演会
4月12日(土)14:00-16:45
場所:北とぴあ第2研修室(東京都北区王子)
講演会「潜水船・水中ドローンによる島弧-海溝系の海底露頭観察」
講師:山口飛鳥氏(東京大学大気海洋研究所)
総会委任状(4/11最終締切)
詳しくは,
https://geosociety.jp/outline/content0201.html
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【7】その他のお知らせ
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共同研究グループ「フィールドワークとハラスメント(Harrassment in
Fieldwork, HiF)」の実施した「フィールドワークと性暴力・セクシュアル
ハラスメントに関する実態調査アンケート」(geo-flash No.543,545掲載)
の報告書<第一報>がWEB公開されました.
https://safefieldwork.live-on.net/survey/report1-jp/
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石川町立歴史民俗資料館第54回企画展
「日本と世界の鉱物〜渡辺敢仁コレクション〜」
会期:3月20日(木)-6月8日(日)
https://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/ishikawa/info/008645.html
(協)MicroArt2025(顕微鏡写真の写真コンペ企画)
エントリー締切:3月28日(金)
どなたでも応募可能です
http://micro-art.tokyo/
シンポジウム 海洋地質学の50年,そしてこれから
5月24日(土)13:30-17:00(ハイブリッドで配信予定)
場所:東京大学本郷キャンパス伊藤国際謝恩ホール
懇親会(徳山英一先生を偲ぶ会・定員250名):17:00-19:00
※懇親会参加申込・参加費振込締切:4/25 (金) 24:00
※シンポジウム参加無料.懇親会参加費10,000円
https://aori-u-tokyo.jimdosite.com/
JpGU 2025(ハイブリッド方式)
5月25日(日)-30日(金)
現地会場:幕張メッセ
https://www.jpgu.org/meeting_j2025/
産総研 地質調査総合センター第7回 鉱物肉眼鑑定研修
6月4日(水)〜 6月6日(金)
場所:茨城県つくば市(産総研)
定員:4〜5名(定員になり次第締切)
CPD:24単位
参加費:48口(1口1000円)の会費が必要です。
https://www.gsj.jp/geoschool/koubutsu/7th.html
(後)第62回アイソトープ・放射線研究発表会
7月2日(水)-4日(金)
会場:日本科学未来館7階 未来館ホールほか(東京・お台場)
https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jrias2025
日本地質学会第132年学術大会(2025熊本大会)
9月14日(日)-16日(月)
会場:熊本大学黒髪地区
https://geosociety.jp/science/content0041.html
Magellan Plusワークショップ
「Land-to-Sea Shaking Studies (L2S3-WS) Unlocking the full
potential of subaqueous paleoseismology at active plate boundaries」
(海底・湖底堆積物を用いた地震履歴研究に関するワークショップ)
10月21日(火)-24日(金)
場所:国立台湾大学(台湾・台北市)
主催:L2S3-WS国際実行委員会
国内問い合わせ先:池原研(産総研)/中西諒(京都大学)
https://sites.google.com/view/land2sea-workshop/home
(協)Techno-Ocean 2025
11月27日(木)-29日(土)
会場:神戸国際展示場2号館ほか(神戸市中央区)
https://to2025.techno-ocean.com/
その他のイベント情報は,学会行事カレンダーもご参照下さい.
https://geosociety.jp/outline/content0255.html
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【8】公募情報・各賞助成情報等
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・JAMSTEC海域地震火山部門 火山・地球内部研究C 地球物理観測研究G
主任研究員、副主任研究員or研究員公募(6/16)
・東大地震研令和7年度第2回 大型計算機共同利用公募研究の公募(5/30)
・令和7年度放射線安全管理功労・環境放射能功労表彰候補者の推薦依頼
(学会締切6/2)
・大阪公立大学理学研究科地球学科地球学専攻/地球進化学講座・地球史学分野助教
または講師(女性限定)(5/9)
その他,公募,助成等の情報は,
http://geosociety.jp/outline/content0016.html
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【9】会員情報に変更があった場合は...
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年度末に向け,所属先や自宅等の登録内容にご変更があった場合は,速やかに
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ご協力をよろしくお願いいたします.
https://www.geosoc-member.jp/Member/login.php
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geo-Flashは,月2回(第1・3火曜日)配信予定です.原稿は配信前週金曜日
までに事務局( geo-flash@geosociety.jp)へお送りください.