シンポジウム



演題・講演要旨締切:

オンライン 7月7日(水)17時(郵送7月2日(金) 必着)

7月8日(木)昼12時まで 締切延長




講演申込はこちらから
(修正・変更もこちらから)


今年は8件のシンポジウムを開催します.9月18日〜20日の3日間,各日2-3件ずつ行います.
シンポジウムの講演者には,一般発表の1人1件の制約は及びませんので,シンポジウムの講演者(会員)は別途セッションでも講演を申し込むことができます.また昨年同様,世話人は,会員・非会員を問わず招待講演を依頼することができます.なお,非会員の招待講演者に限り参加登録費は免除となります(講演要旨集は付きません.必要な場合は,別途購入して下さい).一般公募の採択・不採択は,世話人によって決定されます.シンポジウムの一般募集に対して発表を申し込む場合,発表希望者はコンビーナに事前に連絡をとって承認を受けてから講演申込システムに入力して下さい.コンビーナへの事前連絡なしに講演申込をした場合,発表できない場合があります.また,講演を一般募集しないものがありますので,ご注意下さい(今回は5件で一般募集がありません).
講演要旨原稿は,一般発表と同じ分量ですので,原稿フォーマットを参照して原稿の作成をお願いします.

 

 

 (各タイトルをクリックすると、詳細をご覧いただけます)

1)富山深海長谷とその周辺部の堆積作用と後背テクトニクス・気候(一般公募なし)

2)海底地盤変動学シンポジウム「魁!海底地盤変動塾」(一般公募あり:1-2件)

3)ガスハイドレートの起源と環境・資源へのインパクトはどこまで明らか になったか?(一般公募あり)

4)南海トラフ沈み込み帯研究の最新成果(一般公募なし)

5)故藤田和夫追悼シンポジウム,アジアの山地形成論(一般公募なし)

6)故勘米良亀齢追悼シンポジウム,造山帯を読み解く(一般公募なし)

7)島孤地殻で発生するメルトー流体の挙動 (一般公募なし)

8)21世紀モホール(一般公募あり:基本的にポスター発表で10件程度)

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1)富山深海長谷とその周辺部の堆積作用と後背テクトニクス・気候

Sedimentological features and tectono-climatic background of the Toyama deep-sea channel and vicinities

中嶋 健(産総研)・高野 修(JAPEX技研;osamu.takano@japex.co.jp)・金子光好(ジャパンエナジー石油開発)
富山深海長谷は世界的にも有数のチャネル長を保持し,チャネルレビーシステムやセディメントウェーブ,ターミナルファンなど,教科書的な様々なタービダイトの堆積形態を示すとともに,東北日本弧と西南日本弧の境界付近に位置することや,有数の隆起帯である北アルプスと直結することから,後背テクトニクスや気候変動の記録体としても注目される.近年,探査技術の向上により,より詳細な堆積スタイルが明らかになり,後背テクトニクスや気候変動の研究も進展しつつあることから,本シンポジウムでは,これらの研究を紹介し,堆積作用や後背テクトニクス・気候の議論を行うこととしたい.(一般公募なし)
 
 
2)海底地盤変動学シンポジウム「魁!海底地盤変動塾」

Symposium of current researches on submarine landslides and related topics

川村喜一郎(深田研;kichiro@fgi.or.jp)・金松敏也(JAMSTEC)・坂口有人(JAMSTEC)・山本由弦(JAMSTEC)

大規模な海底地すべりは,きわめて大きな津波を引き起こすことが指摘されているが,その実体は良くわかっていない.たとえ大規模な地すべりでなくとも,沿岸構造物や海底ケーブルなどの海底敷設物へ被害や石油などの海底資源開発への影響が懸念されている.世界的にも統合国際掘削計画の次期サイエンスプランを検討する「INVEST」会議(2009年9月ブレーメン)において,海底地すべりは海洋ジオハザードを考える上での重要な議題となり,またIGCP-511として国際海底地すべりシンポジウムが開催され続けている.なおこのプログラムは「the 5th International Symposium on Submarine Mass Movements and Their Consequences」として2011年にアジアで初めて京都大学にて開催される.世界的にも盛り上がりを見せている海底地すべり研究ではあるが,しかし巨大地震が頻発するプレート収束帯の研究はほとんど手つかずの状態である.変動帯の海底地すべり科学の先鞭をつけ,世界をリードしていくために本シンポジウムを企画した.幅広い分野の関係者,そして多くの若者にも参集してもらいたい.(一般公募あり:1-2件

 
 
3)ガスハイドレートの起源と環境・資源へのインパクトはどこまで明らかになったか? 研究動向と新展開

Who knows the origin and consequences of marine gas hydrates? Present and future of gas hydrate science.

松本 良(東京大;ryo@eps.s.u-tokyo.ac.jp)・角和善隆(東京大)・町山栄章(JAMSTEC)・棚橋 学(産総研)
第100年学術大会(東大駒場)で初めてガスハイドレートシンポジウムを開催してからすでに16年,国際深海掘削計画によるガスハイドレート掘削(1995)から15年,経産省/資源エネルギー庁が本格的資源化プロジェクトを始めて10年.国内外でガスハイドレート研究と探査が進み,海洋のガスハイドレートの分布,産状に関する知見は飛躍的に拡大した.その資源ポテンシャルは「将来の夢」としてではなく「明日のエネルギー」として現実的なものとなりつつある.一方,環境インパクトは当初想定していた温暖化=大量分解というほど単純なものではないことも分かってきた.国のプロジェクトとしては南海トラフにおける探査が進められているが,私たちは2004年より日本海東縁・上越沖と北海道奥尻島沖に,メタンフラックスが極めて高い海域を発見し,複合領域的調査を展開し,従来とは異なり集積度の極めて高いハイドレート鉱床を発見しその起源と進化を説明するモデルを提唱し,分解効果を地質学的時間軸の中で評価している.高集積ガスハイドレートは東縁変動帯の比較的浅部に広く分布することが予想され,当該海域のガスハイドレートとメタン活動は,資源ポテンシャルと現海洋環境へのインパクトという両面から重要である.本シンポジウムでは富山湾・上越沖だけでなく当該海域と同様の産状を示す内外の例も含め,変動帯におけるメタン活動とガスハイドレート・システムの進化について知見を統合し”新しい炭素シンク”であるガスハイドレートの人間社会への意義について多角的に議論する.(一般公募あり)
 
4)南海トラフ沈み込み帯研究の最新成果

Update of Nankai Trough subduction zone researches

橋本善孝(高知大;hassy@cc.kochi-u.ac.jp)・氏家恒太郎(JAMSTEC)
南海トラフ沈み込み帯では,2010年秋から地球深部探査船「ちきゅう」による1944年東南海地震震源域を目指した超深度掘削(ステージ3)にいよいよ着手する予定です.一方で,2007-2008年と2009年にそれぞれ実施されたステージ1とステージ2の航海後研究では,掘削コア,孔内検層・計測等による最新のデータが積み上がっています.また地震観測網の充実に伴い,最近になって沈み込みプレート境界やアウトオブシークエンススラスト付近などで様々なスロー地震が発生していることが明らかになってきました.このように南海トラフ沈み込み帯を対象に観察,実験,観測,理論といった多種多様なデータによる研究成果があがりつつあります.そこで,南海トラフ沈み込み帯に関する最新の研究成果の紹介・議論を中心としたシンポジウムを企画致します.(一般公募なし)
 
 
5)故藤田和夫追悼シンポジウム,アジアの山地形成論:日本列島からヒマラヤまで

Memorial Symposium of Late Professor Kazuo Huzita— Morphogenesis of mountain ranges in Asia: from Japanese island arcs to Himalayas

酒井治孝(京都大;hsakai@kueps.kyoto-u.ac.jp)・竹村恵二(京都大)・竹内 章(富山大)

本シンポジウムの目的は,近畿のネオテクトニクスとアジアの変動帯の山地形成を論じ,日本の地質学の発展に大きな功績を残された故藤田和夫,大阪市立大学教授を追悼すると同時に,第四紀に日本列島とアジア各地の変動帯で何が起こったのかを,最近の研究の進歩に基づき総合的に検討し,今後の研究の進むべき道を探ることにある.藤田和夫氏の研究の成果は,1983年に出版された2冊の著書に集約されている.その結論は,「アジアの変動帯の大部分は新第三紀末にいったん準平原化され,第四紀に入って急激に隆起あるいは沈降して現在の大地形の枠をつくった」ということであった.その出版後,四半世紀が経過したが,その間に発生した兵庫県南部地震,集集地震,中越地震,四川地震などを契機に活断層と地震活動の研究は飛躍的に進歩した.また西南日本各地の第四紀の山地と盆地形成過程についても,多くの新しいデータが蓄積され,モデルが提唱され,数値シミュレーションによる検討も行われている.さらに地質学的な基礎データの乏しかったヒマラヤ山脈やチベット高原,インドシナ地域についても,地質学的な研究のみならず,測地学的,地震学的研究も飛躍的に進み,各変動帯の運動像の概要が得られ,山地形成のメカニズムが論じられるようになった.本シンポジウムでは,以下の3つのセクションを設け,最後に総合討論を行う.1.日本列島:(1) 近畿・中国地域,(2) 新潟・北アルプス地域,2.アジアの変動帯:(1) 台湾・東南アジア,(2) チベット高原とその周辺,(3) ヒマラヤ山脈とその周辺,3.測地・地震・モデル,4.総合討論 これらの発表と質疑を通じ,アジア大陸と日本列島の第四紀地殻変動像を描くことを目指す.(一般公募なし)

 
 
6)故勘米良亀齢追悼シンポジウム,造山帯を読み解く

Memorial Symposium of Late Professor Kametoshi Kanmera—Anatomy of Orogenic Belt

西 弘嗣(東北大学総合学術博物館;hnishi@m.tains.tohoku.ac.jp)・磯崎行雄(東京大)・酒井治孝(京都大)
本シンポジウムの目的は,1974年に世界に先駆け海溝における付加作用のモデルを提唱し,日本列島という造山帯の形成史を全く新しい視点で構築した故勘米良亀齢,九州大学教授を追悼すると同時に,造山帯の研究で,何が,どこまで解ったのか,そして何が未解決の重要な問題なのかを検討することにある.勘米良亀齢氏は1980年に日本で初めて,付加,小大陸の衝突,縁海の拡大という概念を用いて日本列島の形成過程を論じた.その後30年が経過し,世界各地で付加体の深海掘削が実施されると同時に,陸上の造山帯の研究についても飛躍的に研究が進み,海溝付加型および大陸衝突型造山帯の双方について新しいデータが蓄積され,多くのモデルが提唱されている.本シンポジウムの前半のセッション「造山帯を構成する地質体を読み解く」では,チャート,炭酸塩岩,メランジュなどの地質体に関する最近の研究の進歩を総括する.後半のセッション「造山帯の基本構造を読み解く」では,ナップ構造とデタッチメントの形成プロセスとメカニズム,延性剪断帯と変成岩の上昇に関する諸問題などについて議論する.これらの発表と質疑を通じ,造山帯研究の今後の進むべき方向を総合的に検討する.(一般公募なし)
 
 
7)島孤地殻で発生するメルト-流体の挙動 -地震学,高圧実験,岩石からの制約‐

Melt-Fluid behavior in arc crust -constraints from seismology, high pressure experiment and petrology-

岡本和明(埼玉大;kokamoto@mail.saitama-u.ac.jp)・渡辺 了(富山大)・寺林 優(香川大)
沈み込み帯,島孤深部で発生する流体・メルトはさまざまな地質現象を引き起こす.沈み込み帯深部では,「スラブからの脱水流体がマントルウエッジを上昇する」,と考えられてきた.スラブでの脱水流体やマグマだまりから分離する流体は,詳細なトモグラフィーで検出できるまで地震学的に解明されている.しかし脱水流体は温度,圧力等の変化に応じてH2O主体のさらさらの流体からどろどろのメルトまで変化する.またマントルウエッジの部分融解で生じる島孤マグマは上昇の過程でメルト‐流体の分離が起こる.流体‐メルトの挙動を精密に理解するには,高圧実験,岩石学,野外地質学を組み合わせた包括的研究が重要である.平成21年度より東工大高橋栄一教授をリーダーとする地殻流体の総合研究が始まっており,世話人たちもメンバーに含まれている.今シンポジウムでは,1)スラブでの流体‐メルト,2)中部地殻でのマグマからの流体の分離に焦点を絞って話題提供を行いたい.(一般公募なし)
 
 
8)21世紀モホール:マントル掘削計画現状と今後

21st Century Mohole: the present status and the future plan for the Mantle drilling

阿部なつ江(JAMSTEC;abenatsu@jamstec.go.jp)・海野 進・(金沢大)・倉本真一(JAMSTEC)

年平均にして地球上のマグマ活動のおよそ80%を占める中央海嶺において形成され,沈み込み帯でマントルへと戻ってゆく海洋プレートは,マントル対流の上部熱境界層として地球発達史の中で重要な役割を担っている.また海洋プレートは,海水との反応により,地球内部と地表との熱物質交換のフロントでもある.この様に海洋プレートは,太陽系惑星の中でも水惑星「地球」に固有のプレートテクトニクスの主役を担っている.海洋モホ面を貫き,海底面から最上部マントルまで掘削する計画「21世紀モホール計画」は,IODPにおける重要課題の一つとして,初期科学計画(ISP) から取り上げられ,第2期科学計画においても最優先課題の一つとなることが,2009年9月に行われたINVESTなどのワークショップで確認された.海洋プレートの構造・進化過程の解明,海水との反応フロント(即ち地下生命圏フロント)の探求など,モホール計画では,モホの実体解明やマントル物質採取以外にも,様々な科学成果が期待できる.マントルまでの掘削技術は,今後数年間の内に開発される予定である.一方で,掘削地点を決定するには,現在入手できるデータだけでは不十分であり,さらなる海域調査およびオフィオライトなどの岩石試料を用いた研究が不可欠である.2010年6月には,掘削候補地点の絞り込みと,今後の調査計画,さらに掘削・計測技術開発のロードマップ作成のための国際ワークショップが金沢で開催される予定である.そこで本シンポジウムでは,この数年のモホール計画進捗状況を確認し,今後の計画について議論したい.なお,掘削,計測技術開発に関わる技術者や,岩石学,地球化学,生物学,地球物理学など,モホール計画には,地質学会内外の幅広い分野が関係する.そのため,幅広く会員,特に次世代を担う学生にも参加して貰い議論を深め,計画への参加を促進したい.(一般公募あり:ポスターのみ10件程度