4月に発生した熊本地震により被害を受けられた皆様に,心からお見舞い申し上げます.
日本地質学会は,「出番ですぜ!江戸前地質学」をキャッチフレーズに,関東支部を中心に,東京都世田谷区桜上水の日本大学文理学部キャンパスを会場として,第123年学術大会(2016年東京桜上水大会)を9月10日(土)から12日(月)に開催いたします.
大都会である首都東京は地質学とは無縁であるかのような印象を受けるかもしれません.しかし,関東平野の南部に位置し,フィリピン海プレートの沈み込み境界である相模トラフにも近い東京は,実は第1級の変動帯に位置しており,1923年の関東地震を初め,多くの大規模な地震災害に繰り返し見舞われてきました.2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の際にも,長周期地震や地層の液状化によって林立する高層建築に被害が出ました.こうした地震災害には,地盤の地質が大きな影響を与えます.東京の地下に伏在する活断層の問題も重要です.東京の下町では地盤沈下があり,これは地震時に発生する津波災害にも関係してきます.また,天井川の存在は大規模な都市洪水をもたらす危険があります.東京の山手では,集中豪雨時の小規模河川の洪水や,斜面崩壊なども問題です.これらの自然災害は,何れも東京の地質・地形と密接に関係しています.実は,東京ほど地質学を必要としている場所はないのです.まさに,「出番ですぜ!(江戸弁)江戸前地質学」です.
本大会では「ジオハザードと都市地質学」をメインテーマに,社会に役立つ地質学,社会から必要とされる地質学を中心に,わが国の地質学の様々な分野における最新の学術的到達点を示したいと考えています.みなさん,東京の桜上水に集まり,大いに議論し,親交を深めましょう.多くの方々の御参集をお待ちしております.
巡検コースも多様な地質現象を対象としたコースを用意しています.こちらにも,多くの方のご参加をお待ちしております
各種申込は,従来と同様の参加登録システムを利用します.お支払いは銀行振込またはクレジットカードによる支払いが可能です.発表についても演題登録システム(PASREG)を利用したオンライン登録が可能です.なお,大会準備がスムーズに運ぶよう,締切日の厳守をお願いいたします.