日本地質学会第127年学術大会(2020名古屋大会)
名古屋大学東山キャンパス(愛知県・名古屋市千種区)にて
2020年9月9日(水)〜11日(金)に開催


日本地質学会は,名古屋市の名古屋大学東山キャンパスにて,第127年学術大会(2020年名古屋大会)を9月9日(水)〜11日(金),巡検(見学旅行)を9月8日(火)と9月12日・13日(土・日)に開催します.

名古屋は日本のほぼ中心に位置し,交通の便もよく,皆様の旅程も容易に計画することができます.またすべての学会会場を東山キャンパスの西側に位置する教養教育院に設け,場所的に集中した複数の会場でコンパクトに行う予定です.地下鉄の「名古屋大学」駅1番出口を出て5分くらいで到着できます.

学術大会では多様な学問領域が議論されることでしょう.この学問的な多様さというものは,生物の多様さと同様に,学問領域の健全さ,強さを示していると思います.研究領域が広く,様々な手法で問題と取り組み,異なる研究領域の研究者と触れ合うことが地質学の強みであると同時に,新たな展開を生むことにつながると私は信じています.特に若手研究者にとって,所属する大学以外の研究者と触れ合い,議論し,情報交換を行うことが,新しい考えを生むことにつながります.私自身,修士1年の時に初めて地質学会で発表した際に受けた(そして答えられなかった)質問は今でも忘れることができません.そしてその問題を,その後も考えるきっかけとなりました.これからの地質学を支える若手が,名古屋の大会で新たな展開を得られればと望む次第です.もちろんこれらは若手に留まらず,参加者全員にとって,大会が自身の研究成果の発表の場,さらなる研究の展開の場,情報交換の場,そして「旧友」に出会い,近況を互いに語らう場としても重要でしょう.そのような場を作っていけるよう,実行委員会は努力したいと思います.

名古屋近辺では,日本の地質を見直すきっかけとなった美濃帯の中古生界,愛知県の石にも選定された師崎層群の深海性化石群を始め,多様な地質体を観察することができます.それらのうちから,巡検として今回は以下の8つのコースを考えました.名古屋城(石垣などの岩石の観察),舟伏山周辺(美濃帯の付加体),新城市周辺(領家帯・三波川帯・中央構造線),中新統師崎層群(コンクリーションと深海性化石群),揖斐川町(接触変成岩と花崗岩類),名張〜松阪周辺(四万十帯,三波川帯,変形岩),そして瀬戸層群(陶土層)です.皆様に楽しんでいただけたらと思います.

名古屋大会が研究に関する活発な議論の場となり,これからの地質学を発展させる機会となることを望んでいます.そのために,大会実行委員会一同,開催に向けて頑張りたいと思います.皆様の127年学術大会へのご参加を心からお待ちしています.名古屋にいりゃーせ!

 

2020年1月
日本地質学会第127年学術大会(名古屋大会)実行委員会
委員長 大路樹生