Anayaタイ地質学会会長との懇談

副会長 佃 栄吉

三菱マテリアル資源開発(株)松坂総一郎氏(タイ地質学会名誉会員)のご紹介により,来日中であったタイ地質学会会長(チュラロンコン大学)のAraya Nakanart教授と木村会長及び佃副会長とで将来の両地質学会の協力について2007年8月4日に懇談を行った.タイ及び日本の地質学会,地球科学関係団体に関わる広範な情勢など,話題は多岐に渡り,相互理解のための貴重に時間がとれた.Araya会長からは,タイでは地質学会(会員約1300人)以外には大きな地球科学関係の学会がないが,新たな学会を作る様々な動きがあり,将来的に地球科学のコミュニティが発散していくことを懸念していることなど現状認識が示され,地質学会の体制強化(組織化,法人化?)を通して,会長イニシャティブを発揮して進めたいこと,また,日本地質学会との連携により,多くを学んでいきたいこと等が述べられた.これに対して,日本側からは地球惑星科学連合における関連学会の連携活動,合同大会を活用した活動などの紹介を行った.最後に連携協定文書(MOU)のドラフトをお渡しし,具体的な連携についての検討を両者で進めることを約束して終了した.なお,Araya会長は10年ほど前までDMR(タイの地質調査所)にいたこともあり,バンコクに事務所のある政府間組織CCOP(http://www.ccop.or.th/)に関しても話題となった.
日本地質学会として,幅広く国際連携を進めることにしているが,今回は会長同士がオフィシャルに会談を持つ最初の例となった.今後の具体的な連携については,現在すでに大学,研究機関,JICA/企業等で進められている共同研究,研究協力・支援活動などの情報を集約しつつ,AOGSでの共同セッション企画,IYPE,ジオパークなどの活動で具体的な新たな協力を進めることも大事であろう.なお,タイ地質学会の英文ホームページはまだない.英文ホームページへの支援,共同運営も協力の一つとなろう.


写真:Araya Nakanart教授と木村会長

タイ地質学会HP
<http://www.dmr.go.th/geosothai.html>