地質学雑誌投稿編集出版規則
細則(オープンファイル,特集号,別刷費用など)も含む(2020年9月12日一部改正)
今月上旬には台風10号が南西諸島から九州西方を北上し,広く暴風雨の被害をもたらしました.会員の皆様におかれましては,いかがお過ごしでしょうか.
さて,9月12日の地質学会理事会で,地質学雑誌投稿編集出版規則(以下,規則と記します.)の改定案が承認されました.改定後の規則を,本号に掲載いたしました.主な変更内容を,以下にご説明いたします.
B. 1.の変更:「投稿原稿の筆頭著者は会員に限る.」という原則は変わりませんが,地質学雑誌編集委員会が適当と認めた場合,非会員を筆頭著者とする原稿も査読プロセスに回せるようになりました.非会員からの投稿の動きがあり,今後も学際的な内容の原稿が非会員から投稿される可能性があるという現状に対応したものです.地質学雑誌を,地質学と関連分野に広く開かれた成果発表・議論の場として,会員の皆様に多様な論文をご覧いただきたいと考えております.また,そうすることで,地質学雑誌への投稿原稿数を少しでも増やせたらと期待しております.
H. 1. 9)の新設:現段階では拘束力が強くありませんが,「論文の結論を裏付けるデータ,資料等全ては,適切な公開リポジトリに記録・保管して共有するか,読者の求めに応じて公開できることが望ましい.」に始まる,本誌のデータ共有ポリシーを付け加えました.論説とレターが主たる対象となります.研究データのオープンアクセス推進と共有(異分野間での共有を含む)は,今や国際的な流れですので,Island Arc誌と同等の「推奨」をすることとなりました.ここでの公開レポジトリには,論文の本文,オープンファイル,および地質学雑誌の「報告」記事を含みます.
H. 4. 5)の変更:2019年4月6日より,日本語論文の文献欄に日本語の引用文献を記す際,英訳を一ヶ所にまとめて示すこととなっています.ところが,URLの引用については,同様な変更がなされていませんでした.この度,URLの引用においても,英訳を一ヶ所にまとめることとしました.
細則4の変更:日本語と英語以外の引用文献を日本語論文の文献欄に記す際,これまでは文献の末尾に(in Russian)のように原語名を記していました.しかし,これでは英語論文の文献欄の書式(I. 8.)と合わず,しばしば混乱の原因となっていました.そこで,日本語論文の文献欄の書式も原則英語論文と合わせるように規則を改訂いたしました.また,具体的な用例を新たな規則に合わせて修正いたしました.
以上が主要な変更内容です.データ共有ポリシーが目新しい点ですが,これまでも多くの著者の方には,データのオープンアクセスにご協力いただいておりますので,さほど大きな変更点とは考えておりません.
お陰様で今月号をもちまして,地質学雑誌も通巻1500号となりました.今月号は,論説3編,レター1編,報告1編という多様な論文から構成されています。今後とも,会員の皆様に様々な情報を提供できる雑誌を編集して参りますので、多様な研究成果を地質学雑誌にご投稿いただきますよう,よろしくお願い申し上げます.