Garnet metagabbro-ultramafic complexes in the Pekulney Range, northeast Russia
Akira Ishiwatari, Galina V. Ledneva, Boris A. Bazylev, Yasutaka Hayasaka, Suren A. Palandzhyan, Odin L. Morozov, Kazuto Koizumi, Vasily D. Stcherbakov and Sergey D. Sokolov
ロシア北東部,ペクルニー山脈のざくろ石変斑れい岩−超苦鉄質岩体
石渡 明, Galina V. Ledneva, Boris A. Bazylev, 早坂康隆, Suren A. Palandzhyan, Odin L. Morozov, 小泉一人, Vasily D. Stcherbakov and Sergey D. Sokolov
Fluids and metamorphism:竹下 徹, 宮崎一博
熱水実験による亜臨界,超臨界状態における地殻流体の化学反応多様性
土屋範芳,平野伸夫
花崗岩および石英の溶解実験を亜臨界から超臨界状態にいたる600℃,60MPaまでの範囲で行った.従来,超臨界状態は,液体でも気体でもない均質な'相 'と考えられていたが,溶解実験の結果は,超臨界状態が, 'liquid-like' 域 と 'vapor-like' 域の2つに区分でき,'liquid-like' 域は亜臨界状態の液体に近い化学反応性を,'vapor-like' 域は亜臨界の気体に近い化学反応性を示すことを明らかにした.また, 臨界状態を可視化して臨界点を測定できる実験システムを考案し,H2O-CO2-NaCl 系流体の臨界点を直接明らかにした.
Keywords: geofluid, supercritical state, chemical reaction, critical point, dissolution, water-rock interation, hydrothermal experiment
変成反応における初期遷移状態から定常状態への遷移:ドロマイト−石英−水系の実験によるアプローチ
西山忠男, 富永愛子, 磯部博志
ドロマイト−石英−水系の反応実験により,反応帯形成過程における同時進行反応の相対的な反応速度の時間変化を追跡した。出発物質としてはドロマイト単結晶+石英粉末+水と石英単結晶+ドロマイト粉末+水の2種を用意し,それぞれ別個に金チューブに封入した。0.1GPa, 600oCの条件下で反応させ,以下の結果を得た。
1) 45−71時間の比較的短時間の実験では,珪灰石やタルクを含む準安定な累帯配列が見られたのに対し,168−336時間の長時間実験では,それらの鉱物は出現しなかった。2)短時間実験では累帯配列の様式は同じドロマイト結晶の場所により異なっていた。3)短時間実験での多様な累帯配列は長時間実験では特定の累帯配列に収斂する。4)ドロマイト結晶には反応帯が形成されるのに対し,石英結晶にはいかなる反応帯も形成されない。これらの現象は初期遷移状態から定常状態への遷移を記録していると考えられる。定常拡散モデルにより累帯配列の安定性について考察し,石英の周囲に反応帯が形成されない理由を体積変化の観点から検討した。
Key words : metamorphic reactions, transient state, steady state, diffusion, reaction zone, kinetics
西彼杵変成岩類の蛇紋岩-変泥質岩反応帯における化学マスバランスと流体生成
森 康, 西山忠男, 柳 哮
蛇紋岩と変泥質岩の反応帯における化学マスバランスから、交代作用にともなう流体生成について検討した。西彼杵変成岩類(九州西部に分布する低温高圧変成帯)では、蛇紋岩と泥質片岩の間の反応帯から多数の鉱物脈が伸びている様子が見られる。反応帯と鉱物脈に含まれる流体包有物が同じ均質化温度を示すことから、両者は同時に形成されたと考えられる。反応帯形成前後の化学マスバランスをアイソコン法により推定したところ、反応帯はプロトリスに比べSiO2、MgO、H2O、K2Oに枯渇していることが明らかになった。これらの成分は、反応帯の成長時に流体相を形成し、鉱物脈を通じて放出されたと考えられる。以上の結果は、反応帯が流体起源になりうることを示す。
Key words : fluid, reaction zone, vein, serpentinite, metasomatism, isocon, Nishisonogi metamorphic rocks
糸魚川?青海地域産ヒスイ輝岩中のヒスイ輝石(およびオンファス輝石)の微量元素組成
森下知晃,荒井章司,石田義人
糸魚川?青海地域に産するヒスイ輝岩中のヒスイ輝石(およびオンファス輝石)の微量元素組成をLA-ICP-MSを用いて測定した.これらの輝石の始源的マントル値で規格化した微量元素組成パターンの特徴は軽希土類/重希土類の比が高いこと,イオン半径が大きいために液相濃集元素として振る舞う(LIL)元素,および価数が大きいために液相濃集元素として振る舞う(HFS)元素の両方が多いことである。また,本研究のヒスイ輝石はしばしば自形・累帯構造を呈する事,形成温度圧力条件などから,沈み込み帯で発生した流体からの直接的な結晶化か,もしくは強度の交代作用を受けて形成されたと考えられる。このヒスイ輝岩を形成した流体は,蛇紋岩に関連し,周囲の岩石類と様々な程度で相互作用をした結果形成された可能性がある。
Key words : jadeitite, Itoigawa-Ohmi, trace-element, fluid, subduction, serpentinite
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四万十帯白亜系付加コンプレックスの変成テクトニクス:同造構時鉱物脈中の流体包有物解析からの制約
原 英俊,久田健一郎
関東山地四万十帯白亜系付加コンプレックスの大滝層群にて,2つの構造性鉱物脈(D1・D2ベイン)の水に富む流体包有物のマイクロサーモメトリーから,変成テクトニクス発達史を明らかにした.地温勾配が20-50℃/kmと仮定したとき,D1ベインにおけるマイクロサーモメトリー解析結果から,D1ステージにおける温度・流体圧条件はそれぞれ270-300℃と140-190MPaとなる.またD2ステージのスレート劈開発達時は,D2ベインのマイクロサーモメトリーとイライト結晶度から,300℃および270 MPaを超える変成作用が推定される.D1の付加時からD2のスレート劈開を伴う変成作用の時期にかけて,流体圧は約80 MPa増加する.流体圧が静岩圧に達しているとすれば,この圧力増加現象は,秩父帯付加コンプレックスが四万十帯付加コンプレックスへ衝上したことでもたらされたと考えられる.衝上運動に引き続き,白亜紀最後期に四万十帯・秩父帯付加コンプレックスは同時に変成作用を受けたことになる.
Key words : P-T-d path, micro-thermometry, fluid circulation, quartz vein, slaty cleavage, accretionary complex, Otaki Group, Kanto Mountains
熱い地殻の浸透メルト移動による高温変成コンプレックス形成
宮崎一博
九州中央部肥後変成コンプレックス (HMC)及び中国柳井地方領家変成コンプレックス(RMC-Y)の変成温度構造と花崗岩質岩の空間分布をみると,高変成度岩はミグマタイトもしくは変成作用と同時期の花崗岩質岩を伴っている.これらの岩石の緊密な関係は花崗岩質メルトの輸送と固結による潜熱の放出が熱源として機能していたことを示している.今回提示した熱モデルによれば,メルト移動速度が増すほど,地殻が任意の温度に上昇するのに必要なメルト移動継続時間とメルト固化体積は減少する.そして,HMC形成時のメルト移動速度はRMC-Yの約3-10倍であり,メルト移動継続時間は約1/10であったと推定できる.RMC-Y南部ユニットは花崗岩の量比が大きいにもかかわらず,変成P/T比が中部及び北部ユニットより高い.RMC-Yの異なる構造ユニットのこの一見矛盾する観察結果も今回提示した熱モデルにより説明できる.即ち,中部及び北部ユニットのメルト移動速度は南部ユニットのそれに比べ速かった可能性がある.結果的に,高温変成コンプレックスの変成P-Tトレンド及び花崗岩質岩の空間分布の違いは熱い地殻のメルト移動速度と継続時間の違いで説明できることを熱モデルは示している.
Key words: high-T metamorphism, Higo, melt migration, Ryoke, thermal modeling
三宅島火山2000年噴火期間中の硫黄同位体比の経時変化とその示唆
今井 亮, 下司信夫, 嶋野岳人, 中田節也
三宅島火山の2000年噴火の期間中、火山活動の時間的変化を追跡するために、硫黄同位体比の変化を調べた。2000年7月から9月までの間欠的噴火によって放出された火山灰から抽出された水溶性硫酸根のd34S値は,それぞれの噴火で約3‰の変動があるものの、+5‰から+11‰の範囲である。2000年12月から2001月までの間山麓に設置した金属銅トラップによって捕集された硫酸ミストのd34S 値は+6.2‰であった。これらの火山体内の熱水系において同位体平衡にあった硫酸根の硫黄同位体組成は、間欠的な水蒸気噴火およびマグマ水蒸気噴火の後、カルデラの下にあった熱水系の温度が上昇したことを示す。その後、2001年1月から3月の間に捕集された硫酸ミストのd34S値は+9.0‰、2001年5月の小規模噴火によって噴出した火山灰の水溶性硫酸根のd34S値は+11.0‰で、火山体内の熱水系の温度が低下したことを示している。
Key words : Miyakejima volcano, eruption, volcanic ash, sulfur isotope, subvolcanic hydrothermal system, isotopic fractionation
東海(日本海)Ulleung海盆(対馬海盆)東部海底堆積物中の有機物,間隙水,間隙メタンガスの地球化学的特徴
Ji-Hoon Kim, Myong-Ho Park, 角皆 潤,Tae-Jin Cheong, Byong-Jae Ryu, Young-Joo Lee, Hyun-Chul Han, Jae-Ho Oh, and Ho-Wan Chang
Ulleung 海盆(対馬海盆)東部から採取されたピストンコアの堆積物,間隙水,headspaceガスの化学分析を行い,堆積物中の有機物と間隙流体の起源を検討した.コアは数枚のテフラを含む泥質堆積物からなり,0.5%を越える全有機体炭素を含む. C/N比およびδ13Corg値から有機物は海洋性有機物(藻類)起源であると考えられる.一方Rock-Eval熱分解によると有機物は熱的に未熟成であり,陸上植物に由来することを示唆する値を示した.この相反する結果は,海洋性の有機物が著しい酸化作用を受けたことに起因するものと考えられる.一方間隙水中の硫酸イオンの濃度はいずれのコアでも深度とともに直線的に減少し,硫酸イオン-メタン境界(SMI)深度は調査地域南部域で海底下3.5 mであり,北部域では6 mよりも深いことが明らかになった.SMI深度の地域差はメタン上昇フラックスの違いを反映している可能性がある.南部域のコアではSMI以深においてメタン含有量の急激な上昇も観察され,直下におけるメタン生成やSMI付近における嫌気的メタン酸化(AMO)の進行を示唆した.一方,北部域のコアでは SMI以深でもメタン含有量の増加はほとんど観察されなかった.δ13CCH4値を計測したところ,全てのコアで-83.5から-69.5‰の範囲にあり,いずれもメタンは微生物起源であることが明らかになった.またδ13CCH4値の鉛直分布はSMIに向けて減少して,SMI付近で最小となる傾向がみられ,この際にδ13CCH4値はメタン量増加に相関して減少した.これらは調査地域で普遍的にAMOが進行していることを反映していると考えられる.
Key words : Atomic C/N ratio, δ13Corg , Rock-Eval pyrolysis, SMI, AMO, Ulleung Basin, East Sea (Japan Sea)
ベネズエラ北部,海岸山脈のタカグア・オフィオライト質ユニットの構造変成史:カリブ海プレート南縁部の進化についての考察
カリブ海プレートの南縁部はベネズエラ北部の海岸山脈によく露出しており,そこには大陸性及び海洋性のユニットからなる地塊が融合して産する.海岸山脈においては,カラカス付近の海岸沿いに変成した海洋性ユニットが露出し,その中のタカグア・ユニットは変成した蛇紋岩及びMORB的な化学特徴を示す変塩基性岩によって特徴づけられる.これらの岩石は断片化されたオフィオライト層序を代表し,随伴する泥質・砂質片岩及びそれと互層する石灰質片岩の原岩は,恐らく深海の半遠洋性及びタービダイト性堆積物であろう.タカグア・ユニットでは多段階の変形史が復元され,D1からD4まで4回の褶曲期が認められる.地質学的な状況は,タカグア・ユニットがまず沈み込みプロセスに巻き込まれたことを示唆する.そして,野外で観察されるその後のプロセス(D2からD4)はタカグア・ユニットの上昇削剥過程に関係しているかもしれない.この後期の変形史は,カリブ海・南米プレート境界に平行な移動方向(D2及びD4褶曲期)とそれに垂直な移動方向(D3褶曲期)を特徴とする各変形時期の繰り返しよりなる.これら全ての地質学的証拠は,タカグア・ユニットが斜め沈み込みの卓越する状況下で発達し,横ずれ,圧縮,伸長のテクトニクスが時間とともに繰り返し現われたことを示唆する.
Key words : ophiolite, Tecagua unit, oblique convergence, Caribbean plate, Venezuela
北西インド,ラダック地方チャン峠北東のシュヨク縫合帯からジュラ紀アンモノイドの発見とその意義
永広昌之,小嶋 智,佐藤 正,Talat Ahmad,大谷具幸
北西インド,ラダック地方のチャン峠北東のシュヨク縫合帯から,中期ジュラ紀カロビアンを指示するアンモノイド化石,MacrocephalitesとJeanneticerasを見いだした.シュヨク縫合帯は,インド−アジア大陸衝突帯に位置し,白亜紀島弧(ラダック弧)の背弧域〜背弧海の諸岩類からなると考えられている.上記アンモノイドは,シュヨク縫合帯からの初めてのジュラ紀化石であり,この地帯からの最古の年代データである.ソルタック層として新たに定義された含アンモノイドジュラ系は,おもに砂岩薄層をはさむ陸源泥岩からなり,おそらくはラダック弧の大陸基盤の一部をなしていたと考えられる.
Key words : Shyok Suture Zone, Tsoltak Formation, Jurassic, ammonoid, Ladakh Arc, Himalaya
八甲田-十和田カルデラクラスターにおける大規模珪長質マグマの岩石学的多様性:東北日本弧における高カリウム珪長質マグマの起源について
工藤 崇・佐々木実・内山祥弘・野沢暁史・佐々木寿・時沢武史・宝田晋治
八甲田-十和田カルデラクラスター(HTCC)の大規模珪長質マグマは, HK(高カリウム)タイプとMLK(中〜低カリウム)タイプに区分される.両タイプの成因は,マントル由来マグマの結晶分化作用と地殻の同化作用により説明可能であり,それらの程度はHKタイプでより高い.マグマの時間変遷に注目すると,MLKタイプは活動全期間を通して噴出しているのに対し,HKタイプは初期のみで噴出している.HTCCの活動以前には数百万年間の火山活動休止期があることから,活動初期の地殻は冷えており,マグマ供給経路も未発達であったと考えられる.この環境がマグマの結晶分化と地殻の同化を促進させ,HKタイプマグマを生成した.その後,繰り返されたマグマの供給によって,地殻の温度が上昇するとともに安定したマグマ供給経路が構築された結果,結晶分化と同化の程度が低いMLKタイプマグマが生成された.東北日本弧中軸部の鮮新世〜第四紀火山活動において,HKタイプマグマの出現は極めて稀である.このことは,その生成にはある特別な条件が必要であることを示している.長期の火山活動休止による冷えた地殻がその条件の1つである可能性が考えられる.
Key words: Hakkoda-Towada caldera cluster, high-K felsic magmas,large-volume felsic magmas, magmatic evolution, Northeast Japan Arc, petrological variation, temporal variation
ジュラ紀における東アジア大陸縁の造構場については議論がある.本論文ではこの問題について地質年代学的研究を行うために,中国北東部のJiamusi地塊西部に位置するHeilongjiangコンプレックスを選んだ.野外調査・記載岩石学的研究から,Heilongjiangコンプレックスは主に構造的に重なった花崗片麻岩・大理石・苦鉄質-超苦鉄質岩・青色片岩・緑色片岩・石英岩・白雲母-曹長石片岩・両雲母片岩からなり,これらはメランジであることが示された.大理石・両雲母片岩・花崗片麻岩はまず確実に,Heilongjiang層群が密接に伴うJiamusi地塊の高変成度片麻岩複合岩体である Mashanコンプレックスに由来する.超苦鉄質岩・青色片岩・緑色片岩・石英岩(チャート)はオフィオライト構成岩に類似する.花崗片麻岩のジルコンU -Pb年代265±4 Maは,原岩の花崗岩がJiamusi地塊のペルム紀バソリスと同時代に定置したことを示す.花崗片麻岩・雲母片岩の黒雲母・フェンジャイトの 40Ar/39Ar年代は,184-174Maの前期ジュラ紀の後期の変成年代を示す.Mashanコンプレックスを含むJiamusi地塊の初期構成層は,おそらくゴンドワナからの異地性岩塊の一部を生じ,後期汎アフリカ造山運動により影響され,そして前期ジュラ紀にはアジア大陸縁に衝突した. Jiamusiブロックと中央アジア造山帯の東部との間の海洋地殻の沈み込みは,Zhangguangcai山脈での大量のジュラ紀花崗岩の生成を招いた.したがってJiamusi地塊と西側の中央アジア造山帯の衝突は,中央アジア造山帯とは無関係で,環太平洋付加作用の結果であると考えられる.アジア大陸縁に沿うジュラ紀付加コンプレックスの広範な発達はこの解釈を支持する.
Key words : Heilongjiang complex, Jiamusi Massif, Jurassic subduction, northeastern China, ophiolite
パンサラッサ海におけるトリアス紀大洋性堆積作用
尾上哲治,佐野弘好
ジュラ紀新世〜白亜紀古世付加体である三宝山付加コンプレックスは,パンサラサ海起源の玄武岩,石灰岩,チャートなどの海洋性岩石で特徴づけられる.本研究では,九州南部球磨?五木地域に分布する三宝山海洋性岩石の岩相層序・化石年代から,1)上部トリアス系玄武岩層,2)上部トリアス系浅海成石灰岩層,3)石灰岩角礫岩層,4)中部トリアス〜上部ジュラ系珪質岩層を復元した.これらの層序はそれぞれ海山,海山頂部浅海相,海山上部斜面相,深海相に比較される.復元した珪質岩層の層序から,パンサラサ海の大洋底では,放散虫チャートの堆積がトリアス紀中世からジュラ紀中世頃まで引き続いたことが明らかになった.この期間中,トリアス紀新世カーニアンにはノーマルホットスポット起源の海洋島玄武岩が海山を形成し,海山頂部の浅海域では浅海成石灰岩層の堆積が起こった.珪質岩層の上部ノーリアン放散虫チャートは,この浅海成石灰岩に由来すると思われる再堆積物を含むことから,海山頂部で堆積した浅海成石灰岩層と同時異相として深海環境で堆積したと考えられる.
Key words : Triassic, oceanic sedimentation, Panthalassa, limestone, chert, basalt, Sambosan accretionary complex, Japan
カナダ,スペリオル区西ワビグーン亜区ウッズ湖緑色岩帯,上部キーワチン火山岩類(約27億年前)の地球化学と成因
氏家 治,Alan M, Goodwin,柴田知之
標記火山岩類は,コマチアイト・ソレアイト・Nbに富む玄武岩〜安山岩(NEBA)と通常のカルクアルカリ岩(NCA)・アダカイト・ショショナイトの5 種に分類できる。コマチアイトマグマはマントルプルームから生じ,他のマグマは始生代島弧系で生じた。海洋スラブの溶融深度の違いにより2種類のアダカイトマグマが生じ,マグマとマントル物質の相互作用によって,アダカイトマグマはAl2O3/Y比とHFSEの相対量が低下し,マントルは諸種マグマの起源岩へと組成変化した。プルームの熱的影響を受けたマントルウエッジからはNEBA・NCA・ソレアイトのマグマが,熱的影響の及ばなかった部分からはショショナイトマグマが生じた。
Key words : Archean, adakite, NEBA, shoshonite, arc volcanism, mantle plume, greenstone belt