2010年度各賞受賞者 受賞理由

 ■国際賞(1件) ■小澤儀明賞(1件) ■論文賞(2件) ■研究奨励賞(3件)
■Island Arc賞(1件) ■功労賞(1件) ■学会表彰(2件)    

日本地質学会賞

該当無し

日本地質学会国際賞

受賞者:Juhn G. Liou (米国スタンフォード大学名誉教授)
対象研究テーマ:低温高圧・超高圧変成作用の研究と日本の地質学界への貢献学

   Juhn G. Liou(劉 忠光)氏は,水・岩石相互作用の研究,低温変成作用,高圧・超高圧変成作用の研究において,それらの分野を世界的にリードするとともに,日本の地質分野の人材育成と教育にも大きく貢献した.
Liou氏は1962年に国立台湾大学で学位取得後,カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院在学期(1965〜1970),アメリカ航空宇宙局有人宇宙機センター(現,ジョンソン宇宙センター)在職期(1970〜1972),スタンフォード大学在職期(1972〜現在)を通して,沸石,ぶどう石,パンペリ石,緑れん石などの含水Ca-Al珪酸塩鉱物の安定領域の決定を行い,水・岩石相互作用及び低温変成作用から,高圧・超高圧変成作用とそれに関連する造山運動へと研究を発展させていった.この一連の研究キャリアの中で,数多くの日本人地質研究者と学術交流し,共同研究を行ってきた.1976年のグッゲンハイム研究奨学金による日本滞在以来,頻繁に共同研究員や客員スタッフとして日本に滞在し,大学院生を含む幅広い研究者たちと積極的に交流を深めた.また,日本から若手研究者・ポスドクを積極的に受け入れ,若手研究者らの国際舞台への進出を援助した.
Liou氏は,これまでに342編の論文と10編の著書を公表し,2007年にはISI Web of Scienceにおいて,被引用数に関してトップ10地球科学者に選ばれた.論文のうち106編は日本人との共著である.9編の学術雑誌の特集号編集にも携わり,そのうちの3編はIsland Arc誌である.こうした,彼の長年にわたる米日間学術交流に対する貢献は,2002年に全米科学財団国際共同事業センター(日本)フェロー受賞の形で認められた.2005年に公式に教員職を退いた現在も教育・研究の現場で後輩の教育に力を入れており,Island Arc誌編集顧問や,Journal of Asian Earth Sciences誌の編集委員など,アジアの地質学分野の発展に尽力している.
彼の学術的功績は,米国鉱物学会賞(1977年),米国鉱物学会フェー(1978年),米国地質学会フェロー(1979年)の受賞などとして既に認められているが,上述のように,アジア諸国,とりわけ,日本の地質学コミュニティーにおいて,人材育成・教育に関する貢献は極めて大きく,一連の功績は日本地質学会国際賞にふさわしい.

 

 

日本地質学会Island Arc賞

受賞論文:Fu-Yuan Wu, Jin-Hui Yang, Ching-Hua Lo, Simon A. Wilde, De-You Sun and Bor-Ming Jahn, 2007, The Heilongjiang Group: A Jurassic accretionary complex in the Jiamusi Massif at the western Pacific margin of northeastern China. Island Arc, 16, 156-172.

  This paper paid attention to the Heilongjiang complex in the western margin of the Jiamusi Massif, NE China, to understand the tectonic setting of the eastern Asian continental margin in the Jurassic. It provides geological and chronological data of metamorphic rocks from the complex, showing that the Heilongjiang complex is a tectonic mélange of an Early Jurassic accretionary complex. The authors propose a new idea that a continental margin existed at least since the Early Jurassic along the eastern Asian continental margin and was affected by the Late Jurassic to the Cretaceous subduction and accretionary processes. This paper has been stimulating recent researches on tectonic re-interpretation of the continental blocks and accretionary complexes in eastern Asia. It will also make great contribution to future researches on geodynamic evolution of the eastern Asian continental margin.
This paper received the highest number of citations - based on the Thomson Science Index for the year 2008 - amongst all the candidate Island Arc papers published in 2006-2007. The first author has been engaged in geological and chronological studies of eastern Asia for many years and published many other important papers on Asian geology in international journals. In view of the scientific impact of the paper and international scientific activity of the first author, the Judge Panel recommends this paper for the 2010 Island Arc Award.

 

日本地質学小澤儀明賞

受賞者:後藤和久(千葉工業大学惑星探査センター)
対象研究テーマ:地質学的手法による津波・高波災害履歴と規模の推定に関する研究

    津波や台風に伴う高波など,過去の巨大災害の履歴や規模を知ることは防災上極めて重要であり,地質学が社会に直接的に貢献できる研究テーマでもある.その評価材料として,各国沿岸に分布する数メートル大の巨礫群に関心が集まっているが,津波起源の巨礫の認定と水理量算出の難しさゆえ,この分野の研究は進展していなかった.
同氏は,奄美大島から石垣島に渡る広範囲の島々で,総計5000個もの巨礫の分布をリーフ上で調査し,台風起源の巨礫群は,指数関数曲線で示される明瞭な陸側分布限界線を持つことを明らかにした.この限界線を用いれば,それより内陸側にある巨礫群は津波により運搬されたと認定できる.同氏の研究成果に基づけば,1771年明和津波の被災地域である宮古一八重山諸島にしか津波起源の巨礫群は存在せず,奄美諸島や沖縄緒島においては過去数千年間,巨礫を移動させるような巨大津波が発生した痕跡は無い.これは,琉球海溝での過去の地震履歴の解明や明和津波の波源推定にも繋がっていく,画期的な成果である.さらに同氏は,2004年インド洋大津波によって運搬されたタイ・パカラン岬の巨礫群の分布や特性を津波直後に丹念に調べ上げ,数値計算結果を組み合わせることで,巨礫のサイズ・空間分布から,津波流況および津波波高や水理量を定量的に復元できることを世界で初めて示した.
このように,約5年間に渡る同氏の精力的な研究により,世界中に分布する沿岸巨礫群から津波起源のものを認定できるようになり,津波の水理量をも推定できるようになった.巨礫の打ち上げ年代の測定も合わせて行えば,過去の巨大津波の履歴と規模を同時に知ることができ,画期的な進歩といえる.
同氏は,専門とする野外地質学的研究に,津波工学分野の新技術を積極的に取り入両分野を融合させた新しい研究分野を独自に切り開いた.その成果として,別紙に示したように,3年の短期間で質の尚い論文を多数山している.今や,同氏の研究とその調査地域である琉球列島の巨礫群は,世界の津波研究者から大いに注目されている.例えば,�2008年AGUJointAssemblyでの招待講演,�2009年6月に米国地質澗査所の研究者の依頼を受けて,石垣島で共同調査を実施,�来年開催予定の国際津波シンポジウムを日本に誘致し石垣島での巡検を企画,など,この分野における世界での存在感を存分に示している.その一方で,著書の執筆やメディア発信,市民向け識演会を数多く行い,自治体の防災対策にアドバイスを行うなど,普及活動にも尽力している.
以上の実績から,同氏は小澤儀明賞に相応しいと考えられる.

日本地質学柵山雅則賞

 該当無し

 

日本地質学会論文賞

受賞論文:Sugawara D., Minoura K., Nemoto N., Tsukawaki S. Goto K. and Imamura F., 2009, Foraminiferal evidence of submarine sediment transport and deposition by backwash during the 2004 Indian Ocean tsunami. Island Arc, 18, 513-525.

 本論文は,2004年インド洋でおきた津波による砕屑物の挙動を,タイ南西部で,津波前後の海岸から沖合までの堆積物中の有孔虫の証拠から明らかにしたものである.これまでの多く報告されている海岸遡上津波堆積物は実際に期待される津波周期よりも保存されている割合が少なく,これは海岸の堆積物が比較的容易に再移動されてしまうためと考えられる.本論文では,津波の前,津波直後および1年後という得難いコア資料において有孔虫指標の比較をおこない,砕屑物の運搬過程を推定している.このように微化石群集に基づく堆積物の挙動の可視化は,イベント堆積物研究の新たな着眼点であり,論文賞に値するものである.



受賞論文:宮田雄一郎・三宅邦彦・田中和広,2009,中新統田辺層群にみられる泥ダイアピル類の貫入構造.地質学雑誌,第115巻,第9号,p470-482.

  本論文は下部中新統田辺層群にみられる泥ダイヤピル構造の形成要因を明らかにしたものである.筆者らは野外における詳細な産状記載から上昇機構を推定し,それらに基づく検証実験や,現在の海底や内陸部で活動する泥火山•ダイヤピル活動との比較を行っている.このような手法は,野外における堆積相解析の精度を向上させるだけではなく,様々の形成要因の検討を可能にしている.また,露頭での詳細な解析からは田辺層群の急激な海水準上昇やテクトニクスなど時代的背景との関連性の推定もおこなわれている.本論文はこのように堆積学研究の解析能力を十分に発揮しており,論文賞に値するものである.

 

 

日本地質学会小藤賞

 該当無し

日本地質学会研究奨励賞

受賞者:佐藤雄大(国交通省国土地理院測地部)
受賞論文:佐藤雄大・鹿野和彦・小笠原憲四郎・大口健志・小林紀彦,2009,東北日本男鹿半島,台島層の層序.地質学雑誌,第115巻,第1号,31-46.

  本論文は,著者らの長年にわたる地道な野外調査で蓄積した知見を背景として,東北日本の日本海側の新生界の模式的地域の下部中新統台島層について,精密な調査の結果を報告している.この層は,広域対比に用いられる台島型植物群を産することからも重要である.佐藤らは,岩相層序・古地磁気層序・火山学的な堆積機構を検討し,台島層がカルデラとその周辺に堆積・定置したさまざまな岩体の集合体であることを明らかにした.これは,東北日本でグリーンタフ層準のカルデラを発見した最初の論文でもある.また,下位の門前層と上位の西黒沢層との関係も明確にした.これらの結果,台島層とそれをとりまく地層の層序に関する長年の論争に,ほぼ決着をつけたと言える.本研究は一地域の層序に関するものであるが,調査の精密さは賞賛に値するものであり,また,グリータフ地域の標準層序の改訂という,広い波及効果をもつ.これらのことから,本論文は地質学会奨励賞にふさわしい.

 

 

受賞者:大橋聖和(広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻)
受賞論文:大橋聖和・小林健太,2008,中部地方北部,牛首断層中央部における断層幾何学と過去の運動像.地質学雑誌,第114巻,第1号,16-30.

 標記論文は中部地方北部に分布する,北東—南西方向の右横ずれ活断層系牛首断層について,詳細な野外調査に基づき断層の幾何学,運動像および構造発展史を解析したものである.本論文はまず,断層面の走向の頻度分布を検討し,牛首断層の一般走向に反時計回りに10-20°斜交するR1剪断面が優勢であることを明らかにした.また,北東—南西方向の断層が北北東—南南西方向の断層に繋がれ断層屈曲部を形成し,断層屈曲部に左横ずれに伴う伸張デュープレックスが形成されたと推察した.したがって,反時計回りに斜交するR1剪断面も含めて,牛首断層はもともと後期白亜紀に左横ずれ断層として形成され,その後第四紀に右横ずれ活断層として再活動したと考えられる.本論文で明らかにされた断層の幾何学や構造発展史は確実性が高く,今後,日本列島内陸活断層の起源の研究において標準ともなるべき優れた研究である.よって,本論文は研究奨励賞に値する.

 

 

受賞者:川上 裕(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
受賞論文:川上 裕・星 博幸,2007,火山−深成複合岩体にみられる環状岩脈とシート状貫入岩:紀伊半島,尾鷲−熊野地域の熊野酸性火成岩類の地質.地質学雑誌,第113巻,第7号,296-309.

  この研究は,熊野酸性岩類北部の火砕流堆積物と花崗斑岩の詳細な地質調査と顕微鏡観察に基づいて,花崗斑岩岩体が「コールドロンの環状岩脈とそれから派生した巨大なシート状貫入岩体」であるとする結論を導き,花崗斑岩は溶岩湖が固結したものであるとした従来の見解を否定している.南部の岩体に関する他の研究者の最近の研究結果にヒントを得たようではあるが,貫入境界をこれほど綿密に追跡した研究は珍しく,独自の調査事実に基づいて新しいモデルを提案している点も評価できる.今後の更なる成果を期待して,研究奨励賞候補論文として推薦する.

 

 

日本地質学会功労賞

受賞者:杉山了三
功労業績:地域を生かし,生徒とともに創造する地学学習

  杉山会員は昭和46年に岩手県で高校教員となり,その後現在まで地域を生かした地学教育を生徒ともに創造してこられた.現在,高校の地学教育は必修ではなく,それぞれの学校に勤務する地学教員の地道な努力によって,やっと選択授業として地学が開設されるという状況にある.そのように困難な状況にもかかわらず,杉山会員は勤務地の地域地質を活かした学習指導,生徒の地学研究の指導に精力的にとりくみ,それらは多くの受賞に結実している.そして,杉山会員の地学教育へのひたむきな努力を見て育った生徒が大学の地学関係学科へ進学したり,卒業後地学教員や地質技術者として活躍する姿となって,次の世代に伝わりつつある.
杉山会員は初任校の種市高校では南部潜りを伝える水中土木科に所属し,潜水したりしながら海底の白亜系の巨大な珪化木等を調査した.次の一戸高校では馬淵川沿いの河岸段丘を調べ,県の理科発表会で発表した.三番目の遠野高校では,遠野盆地の地質(遠野物語では遠野は大昔湖であったと書かれているがこれは本当か)を6年継続して研究.平成7年から5年連続して学生科学賞に入選し,平成12年には環境庁長官賞を受賞した.さらに遠野盆地の研究は,これを教材化するという形でまとめ,国立科学博物館主催の平成19年度野依科学奨励賞を受賞した.盛岡一高では,雫石町の舛沢層と火山豆石の研究,ドミノで地震波を再現する実験などを生徒といっしょに研究し,学生科学賞の県代表に2度選ばれた.その一部は2007・2008年度の地球惑星連合大会「高校生のポスターセッション」で発表している.最近では地域の教材を活かした「ミニ造岩鉱物セット」を作成したり,生徒が作れる簡易な岩石薄片器具を開発.これにより平成20年度(第40回)東レ理科教育賞の文部科学大臣賞を受賞した.地質学関係では初の受賞である.その他,県内の先生方と共同で,地域に根ざした課題を地学実験に取り入れた実践集「岩手県の地学実験書」などを作成している.
このように杉山会員は全ての勤務地で地域の地質と係わり,それを地学の授業に生かしてきた.この地道な努力は大いに顕彰されるべきであり,日本地質学会功労賞に値する.

日本地質学会表彰

 

受賞者:山口県(代表者:山口県知事 二井関成)
表彰業績:阿武火山群の火山灰層の保存と観察施設建設

  阿武火山群は,日本の活火山の中でも3つしかない独立単成火山のひとつである.2006年11月末,山口県萩市と阿武郡阿武町の境界付近の伊良尾山(比高約150m)の山麓を通る広域農道の工事現場の両側の法面に,阿武火山群・伊良尾火山から噴出した降下火山礫・火山灰層が露出した.露頭は幅200m,高さ50mの大規模なものである.この露頭は,伊良尾火山の約30〜40万年前のViolent Strombolian Eruption(日本語訳はまだない)で形成された地層の一部であり,調査・研究の結果以下のような火山形成史が明らかになった.
1)マグマ水蒸気爆発で噴火開始.2)スコリア丘の形成と噴煙柱由来の火山灰・火山礫の堆積.3)スコリア丘へのマグマの貫入とスコリアラフトの形成.大量の溶岩流は溶岩台地を形成し,一部は当時の川に流れ込み15km下流まで達した.4)さらに火山礫・火山灰が堆積し,その中に溶岩流が数回流れ込んだ.5)溶岩台地上の別の場所に2つの小規模なスコリア丘を形成し,それぞれ溶岩を流出した.
このような地層の露出は,阿武火山群では初めてのものであり,特に,一見摺曲したように見える降下火山礫・火山灰層は見事なものであった.今後,このような地層は現れることがないと判断し,2006年12月初旬に山口県萩農林事務所に露頭の保存を要請した.しかし,道路の安全性から保存は不可能であるとの回答であった.その後も,学術的な価値を訴え,保存の要請を続けた.その結果,2008年11月27日,山口県は地層の一部保存を決定し,2段目の法面に長さ約80m・高さ3mの屋根付の遊歩道と解説板を設置することにした.また,コンクリートブロックで覆われる1段目の法面の地層は,両側に各1ヶ所の横2m・縦6mの窓を開け地層の観察ができるようにした.さらに,剥ぎ取り標本を作製し,それらは山口大学理学部,県立山口博物館,萩博物館,萩市と阿武町の公共施設に計8枚展示されている.さらに,見学者のための駐車場と案内板が設置される.また,大堂に産出した火山弾を山口県から無償で譲渡していただき大学や博物館などの教材として利用している.
今回,山口県の英断によって,道路の設計が変更され一部ではあるが学術的に重要な地層が駐車場と屋根付きの見学施設として残されることになった.このことは貴重な地層の保存,地質学・火山学の発展や普及に多いに寄与するものと思われる.山口県のこのような貢献は「日本地質学会表彰」にふさわしいものと思い推薦する次第である.

 

受賞者:地球システム・地球進化ニューイヤースクール(NYS)事務局(大坪誠・坂本竜彦・岡崎裕典・ほか)
表彰業績:地球科学系の若手研究者の継続的育成活動

 「地球システム・地球進化ニューイヤースクール(以下NYSと略記)」は,地球惑星科学の未来を担う学部学生・大学院生・若手研究者の研究意識の向上(ボトムアップ)と交流促進を目的に,毎年1月に院生・ポスドク・若手研究者らが自主的に開催し,全国から毎年100名を超える参加者を集め,2001年から継続して実施されている大規模な研究・勉強集会である.NYSは,地球惑星科学全般の幅広い分野をテーマに,その分野の第一線の著名な専門家を招待しての講演,参加者間の討議・意見交換,そして若手研究者の研究発表などを活発に行い,若手が自ら切磋琢磨する場を提供している.近年では研究者のみならず,ライターやサイエンスコーディネーターといったアウトリーチ関連の方々や政府のガスハイドレート開発マネージャーといった旧来のサイエンティストに当てはまらない関係者を積極的に講演に招待し,ポスドクの新たな進路開拓も視野に,若手自らの視野を広げる努力を続けている.
NYSは後援者を募り,テキスト・ポスターの印刷費や会場費程度の支援を受けつつも,特定の大学や研究機関からは独立して運営され,若手のボランティアによって成り立っている.また参加者の中から次の運営者を育て,継続的な運営が成されている.一連の活動を通じて,多くの若者に広い視野とリーダーシップが培かわれ,事務局からは優れた研究者・技術者が次々に誕生している.
この会の活動を表彰し,地質学の未来を担う若者の自発的な成長を促すことは,日本地質学会の設立目的にも合致する.NYSの活動は,全国かつ多方面の地球科学系の若手育成に継続的に貢献しており,地質学会表彰に値する.