地震火山地質こどもサマースクール: 実施報告

2022.12.9掲載

第21回地震火山地質こどもサマースクールin浅間山北麗ジオパーク
「浅間のいたずら、鬼のヒミツ」実施報告

 

地震火山地質こどもサマースクールは、日本地震学会、日本火山学会、日本地質学会の3学会が共同して実施している普及事業である。研究の最前線に立つ専門家がこどもの視点にまで下りて地震・火山・地質の現象のしくみや本質について直接語ること、および災害やそれと不可分の関係にある自然の大きな恵みについてこどもたちに伝えることを目的としている。浅間山北麗ジオパークでの「浅間のいたずら、鬼のヒミツ」は2020年開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大により開催が延期された。社会状況が緩和の方向に向かってきたことに伴い、本年(2022年)8月17日と18日に2日間の日程で開催された。直前まで完全オンライン開催の可能性も検討しながら、現地の救急搬送事情の調査やプログラム中の発熱対応マニュアルを作るなどの準備を重ね、講師陣の一部がオンライン参加、こどもたちは現地参加というハイブリッド形式で開催が実現した。

今回の参加者は、こども24名(小学生14、中学生9、高校生1)、講師・スタッフ34名(うちオンライン3)の合計58名であった。感染対策および会場の収容人数を考慮し、現地参加のこども・スタッフ合計が50人以内になるように計画されるとともに、地元以外のスタッフも可能な限り少なくなるように計画された(しかし結果的に講師・スタッフ数がやや多くなってしまった)。大会実行委員長は高橋正樹・地質学会会員(日本大学)であった。3学会のサマースクール運営委員および現地関係者がこども参加者をさまざまな場面で支援した。初日は開会式、フィールドワーク、実験、オンライン質疑応答などが行われた。2日目は展示物観察、オンラインでの講演聴講と質疑応答、フィールドワーク、フォーラムでの発表会、閉会式などが行われた。終了後のアンケートでは回答者全員から「とても楽しかった」、「楽しかった」という回答が寄せられた。興味深かったプログラムとしては、火砕流や泥流の実験、および宿での宿泊が最多得票であった。

今大会は高橋会員のほか、日本大学の安井真也会員と金丸龍夫会員にも地質学会側講師としてご協力いただいた。また、浅間山北麗ジオパーク関係者をはじめ現地の多くの方々にご協力いただいた。なお、2023年度は神奈川県平塚市で、2024年度は徳島県三好市周辺で開催予定である。地震火山地質こどもサマースクールの詳細については公式ウェブサイトで確認できる(https://kodomoss.jp)。

(地震火山地質こどもサマースクール担当理事 星 博幸)