地学教育委員会 三次徳二
日程:2020年9月23日
会場:山口大学吉田キャンパス
山口大会の1日目に, 小さなEarth Scientistのつどい〜第17回小,中,高校生徒 「地学研究」発表会〜が行われた.年会における発表会は2003年の静岡大会からおこなわ れており,今回の開催で17回目を迎えること となった.この発表会の目的は,地学普及の 一環として学校における地学研究を紹介する ことで地学教育の奨励と振興を図ることと,地学を研究する児童・生徒と研究者の交流が 進み,地球科学普及の一助となることである. この行事は,児童・生徒が参加しやすい日 程に設定されており,本大会では休日である 1日目となった.ただし,大会の各種行事の 都合で,審査や表彰式まで1日で終えること ができない.そのため,今回の「小さなES のつどい」は学会会場における発表を行うも のの,審査については愛媛大会から用いてい るデジタルポスター審査という形式をとっ た.東京・桜上水大会以降,自然災害によるや むを得ない事情で,愛媛大会,北海道大会と 2年連続して学会会場での発表会は中止とな った.今回は当日早朝までの台風の影響で参 加できなかった生徒がいるものの,多くの会 員の方にご覧頂けたものと思われる.児童・ 生徒が,学会に参加する研究者・専門家らと 直接交流することは,小さな地球科学者たち の学習意欲へのよい刺激と励みとなり,本企 画の大きなねらいのひとつでもある.特に, 大学院生レベルの研究者の存在は,高校生が 近い将来に目指す自分たちの姿でもあるの で,大学院生が生徒に積極的に声をかけてい ただいたことは担当者としてとてもありがた かった.また,デジタルポスター審査について概要 を記すと,2つの段階に大きく分けられる. 第1段階では,学会HP内で各校のポスター を閲覧し,理事の方々に感想やコメントを提 出いただいた.第2段階では,審査委員によ る審査であり,第1段階で寄せられた感想や コメントも参考に,審査を行った.最終的に は,本行事を担当する地学教育委員会が審査 結果を集計し,結果を発表した.なお,審査 項目は,「研究の動機が明確であり,問題点 をはっきりととらえているか」,「観察・実験 から導かれたデータを基に,結論が導かれて いるか」,「わかりやすいポスターとしてまと められているか」の3つであり,それぞれ10 点満点で評価する.審査の結果,優秀賞は高 得点を取得した上位3件の発表に決定した.奨励賞は例年「フィールドワークに根ざした研究を行い,今後の成果が期待される発表」に授与しており,今回は4件の発表に決定した.研究者の研究とは違い,高校生の部活動等 のグループ研究において,どのようなテーマを設定するかとても難しい問題である.高校 生にふさわしい研究とはどのようなものか,ポスターをご覧いただいた会員の方々にもご 意見をいただきたいところである.最後となりましたが,今回の行事に参加いただいた各校の皆様,またご多忙のところ審 査にご協力いただいた理事の皆様に,あらためて御礼申し上げます.
【優秀賞 3件】