地学オリンピック2008年フィリピン大会  おめでとう!

第2回国際地学オリンピック(IESO)が、8月31日から9月8日までフィリピンで開催されました。筆記・実技試験はケソンのフィリピン大学で、フィールドワークは、場所を移して、マヨン火山麓のグラツピで行われました。


登録参加国 は8ヶ国で、実際に参加した生徒は、フィリピン、日本、韓国、台湾、アメリカ、シンガポールからの6ヶ国24名でした。インドネシアはオブザーバのみで生徒の参加はなく、モンゴルは直前のキャンセルでした。


日本チームは、初めてのオリンピック参加にもかかわらず、銀メダル3個、銅メダル1個の素晴らしい成績でした。その内訳は以下のとおりです。


銀メダル
森里文哉(もりさとふみとし:香川県立丸亀高等学校3年)
雪田一弥(ゆきたかずや:青森県立青森高等学校3年)
平島崇誠(ひらしまたかまさ:石川県立金沢泉丘高等学校2年)

銅メダル
日野愛奈(ひのあいな:愛媛県立松山南高等学校3年)




試験風景
式典風景
マヨン火山麓にて

このほか部門賞として森里文哉君は地質・固体地球科学部門で堂々の一位でした。
さらに国際混合チーム(グループ1−4)で競うフィールドワーク・コンテストでは、日野愛奈さんのグループがベストフィールドワーク賞を受賞しました。
なお金・銀・銅メダルの個数は、大会規定により、登録参加国の参加者数(1カ国4名)の10%が金メダル、その2倍が銀メダル、その3倍が銅メダルとなっており、今大会では、それぞれ4個、8個、12個でした。また筆記試験 (3時間;100点満点)は、地質・固体地球科学部門が45%、気象・海洋科学部門が35%、天文・惑星科学部門が20%の構成比となっています。実技試験も同様の3部門で構成され、それぞれ10点が与えられます。金・銀・銅メダルは、この筆記試験と実技試験の合計点で決定します。


フィールドワークでは、マヨン火山麓で、「自然と人間生活」をテーマに、現地での露頭観察や村民へのインタヴューがグループごとに行われました。その記録をもとに、パワーポイントを用いた発表コンテスト形式で、発表内容・構成や成果などの観点で競われました。


なお金メダルは、台湾と韓国からの参加者が2個ずつ受賞しました。第3回は台湾大会となります。

(団長 久田健一郎)

 

大会参加の印象

  1. 地学オリンピックは、各国の高校生・教育者・研究者の国際交流や情報交換を図る上で最適な場でしょう。ただし日本がIESOの運営に積極的に携わることも重要です(地学を創設した国として)。

  2. 韓国、台湾の国を挙げての応援に驚きました。

  3. 3分野(地質・固体地球科学、気象・海洋科学、天文・惑星科学)の専門家の派遣が必要です。これは問題の選択など様々な場面に少なからず影響するものと思われます。

(団長 久田健一郎)