意見・提言2025

令和7年度大学入試共通テストの地学関連科目に関する意見書

独立行政法人大学入試センターへ,令和7年度大学入試共通 テストの地学関連科目に関する意見書を提出しました.


2025年4月25日

独立行政法人大学入試センター
理事長 山口 宏樹 様

一般社団法人日本地質学会
会長  山路 敦
 

 日本地質学会は、ここ数年にわたり、旧・大学入試センター試験/現・大学入学共通テストの地学関連科目の問題に関する意見並びに改善に向けた要望を大学入試センターに申し入れてきました。その要望の主眼は、地学関連科目の平均点が他の理科科目に比べて低くならないようにしていただきたいということでありました。本年度も問題作成に携わった関係各位の努力に敬意を表するとともに、令和7年度大学入学共通テスト(本試験)の地学関連科目に関して、以下のような意見を申し入れ致します。

(1)「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」の「地学基礎」においては分野横断型の出題がなされるようになり、工夫された良問が作成・出題されたと評価されます。平均点は昨年より若干落ちたものの、難易度は適正であったと思われます。今後も学習指導要領にある「(1) 地球のすがた」及び「(2) 変動する地球」を意識するとともに、選択科目間の平均得点率に著しい差が生じないように配慮した作題をお願いいたします。

(2)「地学」においては、平均点が昨年から大幅に下がり、他理科科目と比べても極端に低い41点台でした。得点調整の対象にならないことから、「地学」を選択した受験生の中には不公平感を抱く者がいたと考えられます。「地球や地球を取り巻く環境を科学的に探究するために必要な資質・能力を育成する」とした学習指導要領の趣旨を踏まえた作題がなされており、ご尽力が伺えますが、選択科目間の平均得点率に著しい差が生じないように配慮しつつ目標平均点60点を達成できる出題となるよう、更なるご検討・ご尽力をいただければと思います。