シンポジウム


演題・要旨締切:WEB 7/10(木)17時・郵送7/7(月)必着


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講演申込受付終了しました

 下記8件のシンポジウムを開催します.9月20日〜22日の3日間(いずれも午前),各日2-3件ずつ行いますが,原則として一般公募はありません(今回は2件で一般公募があります).シンポジウムの講演者には,一般講演の一人1件の制約は及びませんので,別途一般講演を申し込むことは差し支えありません.また,本年よりシンポジウムにおいて,世話人は,会員・非会員を問わず招待講演を依頼することができます.また,非会員の招待講演者に限り参加登録費は免除となります.一般公募の採択・不採択は,コンビーナによって決定されます.講演要旨原稿は,一般講演と同じ分量ですので,こちらのページを参照して原稿の作成をお願いします.やむを得ず郵送で講演要旨を送る場合は,一般講演の申込フォームをご利用下さい.「シンポジウム」と書き添えた上,必要事項を記入し,保証書・同意書とともに7月7日必着で行事委員会宛にお送り下さい.


  (各タイトルをクリックすると、詳細をご覧いただけます)

1.地震・津波堆積物研究の最先端と防災への貢献
2.新生代後期における北極海—北太平洋/北大西洋間の流通と古海洋環境変動
3.高分解能火山活動史構築の現状・課題
4.地域振興と地質学−ジオパークが開く地域と地質学の未来−
5.地球生命進化と外宇宙との相互作用
6.日韓合同深海掘削シンポジウム2008 (一般公募あり)
7.超高圧変成岩の微細解析の最前線 (一般公募あり)
8.「ちきゅう」による南海トラフ地震発生帯掘削計画ステージ1Aの成果[総括]

1.地震・津波堆積物研究の最先端と防災への貢献

Frontier of seismic and tsunami deposits and contribution to the disaster prevention

後藤和久(東北大;kgoto@tsunami2.civil.tohoku.ac.jp)・藤原 治(産総研)・藤野滋弘(産総研)

地震・津波堆積物研究は,地質学に留まらず,海岸工学や地形学などでも行われている学際分野である.本シンポジウムは,各分野の最先端の研究発表を行い,地震・津波堆積物研究の新たな展開を模索するとともに,どのように防災に生かせば良いかを議論する.

2.新生代後期における北極海—北太平洋/北大西洋間の流通と古海洋環境変動

Late Cenozoic paleoceanography between north Pacific-Arctic-north Atlantic Ocean

佐藤時幸(秋田大;toki@ipc.akita-u.ac.jp)・尾田太良・天野和孝・山崎 誠・嶋田千恵子

2004年秋に実施されたIODP Expedition 303では,新生代後期の古海洋環境変動の詳細と原因を究明するため,北大西洋高緯度海域で欠損なしの深海底連続コアの採取を行った.環境変動の解明で北大西洋〜北極海域が注目されるのは,その特異な海洋循環システムと,それによって導き出される熱循環システムの変動にある.本シンポジウムでは,様々な古生物種と地化学分析から,北極海を介した北太平洋/北大西洋間の流通史や海洋環境の変遷に焦点を当て,北半球高緯度海域の古海洋環境変動の詳細について議論する.とくに,生息地理,生息水深が異なる貝類,石灰質ナンノプランクトン,有孔虫,貝形虫,珪質微化石などの様々な古生物種の生態系/反応様式から描く海洋構造と,地化学分析から描き出される栄養塩循環モデルとの統合を試みるほか,Exp.303の最新の成果も含め,新生代後期の高緯度海域古海洋環境変遷について議論する.

3.高分解能火山活動史構築の現状・課題

High Resolution Volcanic History : Current status and Future prospects

及川輝樹(産総研;teruki-oikawa@aist.go.jp)・伴 雅雄(山形大)・奥野 充(福岡大)・下司信夫(産総研)

火山活動をより深く理解し将来予測に役立つ情報を発信するためには,より高分解能の火山活動史の構築とそれにリンクさせた岩石学的研究が重要である.90年代頃から,従来無視されていた小規模な噴火堆積物も対象とした高分解能な火山活動史の復元がいくつかの火山で行なわれるようになってきた.また,火成岩岩石学の分野においても,時空的に高分解能な岩石学的検討が行なわれるようになっている.
本シンポジウムは,将来予測につながる火山活動のより深い理解のために,これら高分解化した両研究手法を結びつける糸口を探りたい.そのため,高分解能な火山活動史構築の現状と問題点をまとめ,精緻な火山活動史が岩石学的手法を含めた火山のより深い理解にどう貢献できるか議論する.また,分解能があがるとそれだけで新たな研究分野が開けることが多い.そのため,より高分解能な活動史を編むための多方面にわたる新たな手法の導入についても議論する.

4.地域振興と地質学−ジオパークが開く地域と地質学の未来−

Geology for regional improvement with geopark

渡辺真人(産総研;mht.watanabe@aist.go.jp)・天野一男(茨城大)・沢田順弘(島根大)・斎藤 眞(産総研)・吉川敏之(産総研)
東京への一極集中が進む中,地方の経済の活性化が日本の大きな課題となっている.それぞれの地域の特性を生かした観光振興や特産品開発が,多くの地域で地域経済活性化の重要な柱と考えられている.もっとも基本的な地域の特性は地質・地形などGeoに関わる特性であり,それが地域の景観・生態系・伝統・文化のベースとなっている.したがって,地質学が地域の振興に果たす役割はきわめて大きい.本シンポジウムでは,ジオツーリズム・ジオパークと言った地球科学による観光振興を中心として,地質学が地域振興にどう活用できるか,実践例をもとに議論したい.

5.地球生命進化と外宇宙との相互作用 

Evolution of Earth's life and its interaction with outer space

磯崎行雄(東京大;isozaki@ea.c.u-tokyo.ac.jp)・川幡穂高(東京大)・丸山茂徳(東工大)

地球生命史における諸重要事件が地球表層環境の激変と不可分であったことは広く理解されるようになった.中生代末の巨大隕石衝突事件を除けば,その環境変化の多くは地球固有の原因が引き起こしたと従来考えられてきた.一方,地球外の現象とくに太陽系外での諸事変が地球表層環境や生命進化に関係してきたという考えが1990年代後半から積極的に議論されるようになった.本シンポジウムではこれに関する最新の学説について議論し,21世紀の地質学/古生物学が目指すべきひとつの方向性を探る.

6.日韓合同深海掘削シンポジウム2008  

2008 Japan-Korea Joint Symposium on Ocean Drilling

松本 剛(東京大)・朴 進午(***)・川幡穂高(東京大)・梅津慶太(AESTO;umetsu@aesto.or.jp)・

本シンポジウムは統合国際深海掘削計画(IODP)による日韓共同深海掘削研究を実現するため,日本と韓国(および周辺諸国)の研究者が共同で行う事実上の国際シンポジウムである.日韓近海域またはその海域に類似した地質学的背景を持つ地域での研究成果の発表を行い,日韓およびその他参加国が共同で掘削計画(プロポーザル)の策定および実効を目指す.(一般公募あり・5名程度)

7.超高圧変成岩の微細解析の最前線

Frontier of micro-analysis on UHP rocks

岡本和明(埼玉大; kokamoto@mail.saitama-u.ac.jp)・寺林 優(香川大)・Hafiz Ur Rehman(鹿児島大)                       

1980年代以来,超高圧変成岩の解析は岩石学的手法により進んできた.超高圧変成岩の研究の新たな突破口となる放射光,イオンマイクロプローブ,電子顕微鏡解析による最新研究成果の紹介とともに研究手法の開発の議論をする.(一般公募あり・1-2名)

8.「ちきゅう」による南海トラフ地震発生帯掘削計画ステージ1Aの成果[総括]

Nankai trough seismogenic zone experiments stage 1A

坂口有人(JAMSTEC; arito@jamstec.go.jp)・芦 寿一郎(東京大)・木村 学(東京大)

統合国際深海掘削(IODP)のもと,地球深部探査船「ちきゅう」による初めての科学掘削が本邦熊野灘沖で2007年9月から2008年2月に実施 された(南海トラフ地震発生帯掘削計画のステージ1A).これは今後数年間引き続く震源領域深部掘削の第一弾である.東南海地震(1944年 M=8.0)の分岐断層,付加体先端のプレート境界断層,熊野海盆の合計12地点33ヶ所において,海底下約190m〜1400mの掘削同時検層およびコ ア採取が試みられ成功裏に終了した.シンポジウムでは航海の報告と最新の研究成果を紹介し,幅広い議論を行っていく.本シンポジウムを付加体-地震発生帯 システム研究の記念的マイルストーンとしたい.