「県の石」:関東

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関東茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川
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近畿滋賀・奈良・京都・三重・大阪・和歌山・兵庫
四国徳島・香川・高知・愛媛

中国岡山・広島・山口・島根・鳥取
九州・沖縄(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・
鹿児島・沖縄


茨城県の「県の石」

◆茨城県の岩石 花崗岩(主要産地:八溝山地南部)
  展示してある場所:筑波山塊・ミュージアムパーク茨城県自然博物館・地質標本館など
八溝山地南部の主要部をつくる深成岩類で,日本の大地が大陸縁辺部にあった約6000万年前に,地下でマグマが貫入・固結してできたものである。後に侵食を受けて関東平野に突出した筑波山塊の山並みは関東地方一円で親しまれている.
また,稲田・真壁地域では古くから花崗岩は御影石として採掘されており,日本有数の石材産業や地域に根ざした文化が育まれている。この御影石は日本各地で広く利用されている.(写真提供:小池 渉)
(注)展示場所の表示を追加しました.(2016.5.13)
   
◆茨城県の鉱物 リチア電気石(主要産地:常陸太田市妙見山)
  展示してある場所:妙見山・ミュージアムパーク茨城県自然博物館・地質標本館など
リチア電気石は妙見山の中腹に露出するリチウムペグマタイトの主要鉱物の1つで,紅,青,緑などさまざまな色をしたきれいな柱状結晶として多く産する.これはマグマが冷え固まっていくときの残液にリチウム元素が濃集してできた珍しい鉱物で,日本での産出は他に福岡県,岩手県など数カ所に限られている.
リチア電気石を多産する妙見山のリチウムペグマタイトの露頭は,常陸太田市指定の天然記念物として保護されている.(写真提供:ミュージアムパーク茨城県自然博物館)
(注)展示場所の表示を追加しました.(2016.5.13)
   
◆茨城県の化石 ステゴロフォドン(主要産地:常陸大宮市)
  展示してある場所:ミュージアムパーク茨城県自然博物館
ステゴロフォドンは,新生代中新世〜鮮新世に南アジアから日本にかけて生息していた,切歯(牙)を4本もつ古いゾウ類である.2011年に高校生(当時)が常陸大宮市の中新世の地層からその頭蓋化石を発見して,大変話題となった。発見された化石は切歯を含む頭部がほぼ完全に残っており,そのすばらしい保存状態から,ステゴロフォドンの形態やゾウ類の進化過程などを解明する上で極めて重要な標本である.(写真提供:ミュージアムパーク茨城県自然博物館)
   

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栃木県の「県の石」

◆栃木県の岩石 大谷石(おおやいし)(凝灰岩)(主要産地:宇都宮市大谷町)
  展示してある場所:栃木県立博物館,大谷資料館
新第三紀中新世に日本列島が大陸から分かれる際に,いわゆる“グリーンタフ”と呼ばれる海底火山の活動で排出された火山灰・軽石などが固まった岩石である.切断しやすく美しいことから,古墳の石室など古くから石材として用いられてきた.また,旧帝国ホテルに使用され,完成披露当日に起きた関東大震災に耐えたことから,建築資材として全国的に有名になった.
表面には,茶色の“みそ”という軟らかい部分があり,“みそ”が少ないものほど,資材として高品質である.(写真提供:栃木県立博物館)
   
◆栃木県の鉱物 黄銅鉱(主要産地:足尾銅山)
  展示してある場所:栃木県立博物館,足尾銅山観光(要確認)など
かつて国内随一の鉱山であった足尾銅山(中期中新世に形成された銅鉱床)の主要な採掘対象が黄銅鉱であった.銅を製錬する際に排出される二酸化硫黄などが煙害を招いた.長年様々な煙害防除の方策が試みられ,昭和31年の自溶炉導入で解決に至った.自形結晶で出にくい鉱物であるが,晶洞の中には四面体の自形結晶がみられることがある.(写真提供:栃木県立博物館)
   
◆栃木県の化石 木の葉石(植物化石)(主要産地:那須塩原市塩原)
  展示してある場所:木の葉化石園(那須塩原市塩原),栃木県立博物館(宇都宮市),那須野が原博物館(那須塩原市)
約30万年前(第四紀中期更新世)の湖底にたまった塩原湖成層からは,これまでに180種余に上る多数の美しい植物化石が発見されている.稀に,昆虫や魚,ネズミといった動物化石が見つかることもある.この時代における動植物化石の保存状態としては極めて良好で,栃木県を代表する化石といえる.(写真提供:栃木県立博物館)
   

群馬県の「県の石」

◆群馬県の岩石 鬼押出し溶岩(主要産地:浅間山鬼押出し(吾妻郡嬬恋村))
  展示している場所:鬼押出し園
上信国境にある浅間山(標高2568m)を構成する複数の火山体のうち,前掛火山の天明三年(1783年)大噴火で形成された安山岩溶岩である.現在の釜山の火口北側にプリニー式噴火でできた火砕丘が崩れて再流動し,前掛火山北斜面を流下した.火砕成溶岩で3ユニットからなる.上信越高原国立公園の一部であり,日本百名山,日本の地質百選等に選定されている.なお,北麓地域は日本ジオパークに登録申請中である.(撮影 碾浜柑福扮 鬼押し出し園))
   
◆群馬県の鉱物 鶏冠石(主要産地:西牧鉱山)
  展示している場所:群馬県立自然史博物館,下仁田町自然史館
閉山した西ノ牧(西牧)鉱山から産出したものである.本宿層(約600万年前)中の安山岩質凝灰角礫岩をほぼ同時代の安山岩−デイサイト岩脈が貫入してできた低温熱水型の脈状鉱床で形成されたと考えられる,As4S4の化学式を持つヒ素の硫化鉱物.国内では本産地の他に青森県,北海道などで産出が知られる.町全体が日本ジオパークの一つ,下仁田ジオパークである.産地が私有地であるため,基本的に入山できない.(撮影 碾浜柑福©群馬県立自然史博物館(GMNH-EM 455))
   
◆群馬県の化石 ヤベオオツノジカ(主要産地:富岡市上黒岩)
  展示している場所:群馬県立自然史博物館
中〜後期更新世の日本にいた,本邦固有の大型絶滅シカ類.同じ固有種のナウマンゾウと共に産出することが多い.中国産の同属の種と比べ〆険Δ粒僂外側へ広がらず,ほぼ後ろへ伸びる,角の先端部に掌状に発達する角冠が小さい,3僂隆霽瑤ら伸びる大きめの眉枝が平たいヘラ状で上へ伸びるなどの特徴がある.化石骨は県指定天然記念物で,日本最古の化石発掘記録となる出土記念碑等3点の発掘関連資料も同記念物附に指定されている.(写真 所蔵 蛇宮神社(富岡市立美術博物館寄託),撮影 群馬県立自然史博物館(碾浜柑福法法17/1/31訂正)
   

埼玉県の「県の石」

◆埼玉県の岩石 片岩(主要産地:長瀞町など)
  長瀞の岩畳に代表される片岩は,片理といわれる板状結晶や柱状結晶の面状配列をもち,平らに剥がれやすい岩石.埼玉県小川町から長瀞町,皆野町,神川町にかけてみられるものは,三波川結晶片岩類と総称される.この岩石は九州東端まで約1000 kmにわたって帯状に分布し,分布地域は三波川帯などとよばる.地下深部で海洋プレート上の堆積物が7000万年前前後(後期白亜紀)に変成作用をうけた広域変成岩.古墳の石室や中世の板石塔婆の石材などにも利用されている.(写真:長瀞の岩畳.2016年4月6日,小幡喜一撮影)
   
◆埼玉県の鉱物 スチルプノメレン(主要産地:長瀞町上長瀞虎岩など)
  埼玉県上長瀞の『虎岩』の成分として有名.『虎岩』はスチルプノメレンの褐色と長石などの白色から縞模様を呈する.この岩は荒川の岸近くにあり,県立自然の博物館前の駐車場の奥にある宮沢賢治の歌碑「つくづくと『粋なもやうの博多帯』荒川ぎしの片岩の色」の脇を通って雑木林を抜け,川原に下りると,見つけることができる.(写真:上長瀞の虎岩にみられるスチルプノメレン(黒褐色).白色の部分は方解石など.2016年4月9日,小幡喜一撮影)
*2017.3.27説明文章修正
   
◆埼玉県の化石 パレオパラドキシア(主要産地:小鹿野町般若,秩父市大野原)
  展示してある場所:埼玉県立自然の博物館
パレオパラドキシア(Paleoparadoxia )は束柱目の絶滅した哺乳類.学名はギリシア語のpalaios(古い)+paradoxos(奇妙)に由来.北太平洋東西両岸の,約2000万年前〜1100万年前の地層から発見されている.束柱目は長鼻目(ゾウの仲間)・海牛目(ジュゴンやマナティーの仲間)と近縁,柱を束ねたような歯,太い胴体と平爪をもった頑丈な四肢をもち,海岸付近を泳いでいたと推定されている.パレオパラドキシアは前歯が発達,スコップのような下あごが特徴.
(写真 埼玉県立自然史博物館に展示されているパレオパラドキシア.
(上)骨格復元模型(左から埼玉県小鹿野町産の般若標本・秩父市産の大野原標本・岐阜県土岐市産の泉標本)と,後方の壁面の産状模型(左から埼玉県小鹿野町産の般若標本・秩父市産の大野原標本).2016年4月9日,小幡喜一撮影.
(下)骨格復元模型(左から埼玉県小鹿野町産の般若標本・秩父市産の大野原標本)と,後方の壁面の産状模型(左から埼玉県小鹿野町産の般若標本).2016年4月9日,小幡喜一撮影.)
   

 

千葉県の「県の石」

◆千葉県の岩石 房州石(凝灰質砂岩・細礫岩)(主要産地:鋸山(千葉県富津市,鋸南町))
  展示してある場所:鋸山.石材標本は,鋸山ロープウェー石切資料コーナー,千葉県立中央博物館などに展示.石材使用例は東京近郊に多数あり.
黒色のスコリア〜玄武岩片と白色の軽石が縞模様を示す独特の外観を呈する.江戸時代末から明治時代にかけての近代化に伴って石材として産業化が進み,東京,横浜などを中心に首都圏で多量に使用された.昭和60年を最後に切り出しは終了したが,近年になって地元の富津市金谷地区で房州石に着目した町おこしが盛んになり,埋もれた石切場の調査が行われたり,毎年シンポジウムが開催されるなど,首都圏の石材研究の中心地になりつつある.(写真:赤司卓也)
   
◆千葉県の鉱物 千葉石(主要産地:房総半島)
  展示してある場所:千葉県立中央博物館に常設展示(タイプ標本は東北大学総合学術博物館).
2011年に発見された新鉱物.シリカ鉱物の一種で,珪素と酸素がカゴ状の結晶構造を作り,‘カゴ’の内部にメタン,エタンなどの炭化水素分子を1分子ずつ含む珍しい鉱物である.シリカクラスレート(包摂化合物),クラスラシルとも呼ばれる.透明な八面体結晶であるメタンハイドレートの況燭汎韻弦渋い鮖つ.房総半島南部に分布する前期中新世保田層群の凝灰質砂岩中の石英質脈から発見された.千葉県からの新鉱物の発見は初めてであることから名付けられた.(写真提供:千葉県立中央博物館)
   
◆千葉県の化石 木下貝層の貝化石群(主要産地:下総台地(印西市木下ほか))
  展示してある場所:露頭(国指定天然記念物:印西市木下万葉公園内).標本は印西市立木下交流の杜歴史資料センター(4/27オープン),千葉県立中央博物館等に展示.
木下貝層は,第四紀後期更新世(約12-13万年前)に,関東平野一円に広がっていた古東京湾で堆積した貝化石層である.内湾棲の貝類・海胆類が密集して産するのが特徴で100種類以上が報告され,バカガイ(Mactra chinensis),キタノフキアゲアサリ(Gomphina neastartoides),クサビザラ(Cadella delta),マメウラシマガイ(Ringicula doliaris)などを多産する.大正時代から数多くの古生物学的・地質学・堆積学的研究があり,平成14年に国指定天然記念物に指定されている.(写真 印西市木下万葉公園南側露頭(提供:千葉県立中央博物館))
   

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東京都の「県の石」

◆東京都の岩石 無人(むにん)岩(主要産地:小笠原諸島父島など)
  “無人(むにん)”とは小笠原の古名で,無人岩はそこから名付けられた岩石名である.無人岩は火山岩の一種で,広義には安山岩に区分されるが,普通の安山岩と比較してマグネシウムの含有量が極めて高いこと,安山岩には普通に含まれる斜長石と呼ばれる鉱物を含まずに,単斜エンスタタイトと呼ばれる鉱物を含むことで特徴づけられる.地球上で極めて稀で,特殊な岩石であり世界的に有名.小笠原諸島の無人岩は,父島列島から聟島(むこじま)列島にかけて分布し,約4800万年前に噴出したものとされている.(写真左上:父島の海岸に露出する無人岩の枕状溶岩の露頭.写真右上:産業技術総合研究所 R57584.写真下:父島釣浜に露出する無人岩枕状溶岩(海野 進提供))
   
◆東京都の鉱物 単斜エンスタタイト(主要産地:小笠原諸島父島など)
  エンスタタイトは,輝石と呼ばれる鉱物の一種で国際鉱物学連合(IMF)主要造岩鉱物のひとつ.単斜エンスタタイトは,エンスタタイトと化学組成は同じであるが,結晶系が単斜晶系である点で区分される.単斜エンスタタイトは,いん石にはよく含まれるが地球上の岩石では珍しい.小笠原諸島は日本で唯一単斜エンスタタイトを産出する場所である.小笠原諸島の単斜エンスタタイトは,無人岩の中に最大10冂の結晶として産する.(写真:中央やや右寄りの白色の鉱物が単斜エンスタタイト.神奈川県立生命の星・地球博提供
   
◆東京都の化石 トウキョウホタテ(主要産地:特定の場所なし(東京層))
  展示してある場所:北区飛鳥山博物館,神奈川県立生命の星・地球博物館
トウキョウホタテ(Mizuhopecten tokyoensis)は,徳永重康博士が1906年に東京都北区王子の東京層から記載した二枚貝化石である.産地の東京にちなみ名がつけられた.ホタテガイに似ているが,別種の絶滅種である.日本各地のほか,台湾などの鮮新世〜更新世の地層からも見つかっている.(写真左:北区西ヶ原産(標本番号KPM-NN4154)写真右:文京区関口(江戸川公園)産(標本番号KPM-NN4108)いずれも神奈川県立生命の星・地球博提供)
   

神奈川県の「県の石」

◆神奈川県の岩石 トーナル岩(主要産地:神奈川県丹沢山地)
  展示してある場所:西丹沢自然教室,神奈川県立生命の星・地球博物館
神奈川県北西部の丹沢山地の中心部に分布する深成岩体.無色から白色の石英や斜長石と黒色の角閃石からなり,白と黒のコントラストが美しい.丹沢山地から流れ出す酒匂川や,酒匂川が注ぐ相模湾の西部では普通に見られる石でなじみ深い.伊豆弧の中部地殻を構成する深成岩体が露出したものと考えられてきたが,最近の年代測定から500〜400万年前(新第三紀鮮新世)にできたことが判明したため,丹沢が本州に衝突してからできた岩体と解釈されている.(写真提供:神奈川県立生命の星・地球博物館)
   
◆神奈川県の鉱物 湯河原沸石(主要産地:神奈川県足柄下郡湯河原町)
  展示してある場所:神奈川県立生命の星・地球博物館
神奈川県西部の湯河原町の不動滝にて,1952年に櫻井欽一博士によって記載された新鉱物で,神奈川県の地名がつけられている唯一の鉱物.箱根火山の一部を構成している凝灰岩に入り込んだ熱水によって二次的にできた鉱物で,脈中に濁沸石などと一緒に産出する.結晶は無色透明で,変形した六角形の薄い板状の結晶をなす.脈中の結晶は,バラバラの向きで集合する.湯河原町指定天然記念物になっている.(写真:中央にある板状で虹色に輝く鉱物が湯河原沸石 提供:神奈川県立生命の星・地球博物館)
   
◆神奈川県の化石 丹沢層群のサンゴ化石群(主要産地:丹沢山地)
  展示してある場所:県立生命の星地球博物館、県立秦野ビジターセンター、県立西丹沢自然教室、平塚市博物館
丹沢山地の中新統・丹沢層群の地層中にサンゴ石灰岩露頭が10地区で30ヶ所在る.その石灰岩は約1500万年前の火山島周辺に発達したサンゴ礁で堆積したものである.造礁サンゴ類、底生有孔虫類,オウムガイ類、石灰藻類化石などが見つかる.フィリピン海プレートに乗って遥々南の海から来て日本列島に付加したことを明示する生物化石が詰まっていて伊豆―小笠原弧の移動方向を教えてくれる.大地の変動を学ぶ良い教材資料である.(写真:人遠・皆瀬川のアオサンゴ群体化石.撮影:門田真人)
   
 

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