「県の石」:中部・甲信越

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鹿児島・沖縄


新潟県の「県の石」

◆新潟県の岩石 ひすい輝石岩(主要産地:糸魚川市青海,小滝など)
  展示してある場所:フォッサマグナミュージアム
ひすい輝石岩は,カンブリア紀のプレート沈み込み帯深部の熱水が関与した変成作用の産物とされ,縄文時代中期に始まる世界最古のヒスイ文化の基本石材である.(写真提供:フォッサマグナミュージアム)
   
◆新潟県の鉱物 自然金(主要産地:佐渡金山遺跡)
  展示してある場所:自然金:佐渡市立佐渡博物館
佐渡島では新第三紀の火山活動により形成された金銀鉱脈が見られる.同島西三川では砂や泥とともに海底に堆積し,砂金となった自然金が見られる.(写真提供:佐渡市)
   
◆新潟県の化石 石炭紀−ペルム紀海生動物化石群(主要産地:糸魚川市青海,小滝など)
  展示してある場所:フォッサマグナミュージアム
青海石灰岩から産する石炭紀からペルム紀の海生動物化石群は、この時代の大洋パンサラッサの古環境を示す我が国屈指の保存状態を誇る化石群である。(写真提供:フォッサマグナミュージアム)
   

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長野県の「県の石」

◆長野県の岩石 黒曜石(主要産地:和田峠)
  展示している場所:黒曜石体験ミュージアム(長野県小県郡長和町大門3670-3)
和田峠の黒曜石は,和田周辺に分布する和田峠火山岩類(更新世)に属する.この黒曜石は岩脈,溶岩の一部,火砕流堆積物の岩片として産出する..良質な黒曜石の岩片は石器として使用され,その広がりから旧石器時代の流通が推察されている.(写真:牧野州明)
   
◆長野県の鉱物 ざくろ石(主要産地:和田峠)
  展示している場所:黒曜石体験ミュージアム(長野県小県郡長和町大門3670-3)
ざくろ石は,赤くてきれいな鉱物である.和田峠火山岩類(更新世)の火道流紋岩中の空孔に産する.和田峠では,ざくろ石の中でも面がよく発達し,マンガンに富む.(写真:牧野州明)
   
◆長野県の化石 ナウマンゾウ(主要産地:野尻湖)
  展示している場所:野尻湖ナウマンゾウ博物館
約35万年〜3万年(中期〜後期更新世)に日本列島で生息していた日本を代表する長鼻類の化石.野尻湖では1962年から発掘が行われており,ナウマンゾウをはじめヤベオオツノジカなど氷河時代を代表する大型脊椎動物化石が産出している.ナウマンゾウは中国大陸から移入してきたが,約3万年前に日本列島から姿を消した.野尻湖は絶滅期におけるナウマンゾウの古生態が解明できる場として注目されている.(写真提供:野尻湖ナウマンゾウ博物館)
   

山梨県の「県の石」

◆山梨県の岩石 玄武岩溶岩(主要産地:富士火山青木ヶ原)
  富士山噴火の中で最大規模の青木ヶ原溶岩は,西暦864年〜866年の2年間にわたって活動した玄武岩溶岩である.この噴火で長尾山・氷穴火口列と石塚火口から相対的に北側に溶岩が流れ,当時富士北麓域に大きく広がっていた“せの海”を埋めて,これを西湖と精進湖に分断し,また本栖湖の一部も埋めた.その後,この溶岩の上に樹木が成長・繁茂したのが青木ヶ原樹海である.(写真:輿水達司)
   
◆山梨県の鉱物 日本式双晶水晶(主要産地:乙女鉱山)
  展示してある場所:山梨県立ジュエリーミュージアム
山梨県北部にそびえる奥秩父連峰を構成する主体は,中新世の花崗岩類である.これら花崗岩の形成に伴う水晶鉱山として,増富鉱山,乙女鉱山などが歴史的にもよく知られている.この中で,乙女鉱山から日本で最初に発見されたと言われる,2つの水晶の接合した日本式双晶が,ドイツ人G. vom Rathによって明治初期に記載された.この水晶は,2枚の平板が双晶面を境に84°33′の角度で接合したハート形(型)の美しい結晶をしている.(写真:輿水達司)
   
◆山梨県の化石 富士川層群の後期中新世貝化石群(主要産地:身延町小原島など)
  展示してある場所:身延町化石公園(写真で示した化石)
身延町小原島付近の道路沿いおよび早川橋付近の河床一帯を中心に,かつて海底に堆積した泥岩・砂岩・礫岩の互層からなる地層が分布している.この地層中に,約600万年前の二枚貝や巻貝などの貝化石群が認められる.同時に,この河床部一帯の地層が70〜80°の急傾斜であることも観察でき,当初地層が水平に堆積し,その後の地層の圧縮変形と陸域化など,地球の大きな営みの歴史についても,この地層の急傾斜から実感できる.(写真:輿水達司)
   

静岡県の「県の石」

◆静岡県の岩石 赤岩(凝灰角礫岩)(主要産地:富士火山宝永火口(御殿場市))
  展示してある場所:宝永山(御殿場市)
赤岩は宝永山を形作る地層で,現在の富士山(新富士火山)を構成する新鮮な噴火堆積物とは異なり,変質が進んで赤褐色を帯びた火山礫と火山灰からなる.かつて古富士火山の山体を構成していた地層の一部が,1707年宝永噴火の際に隆起して地表に露出したと考えられている.(写真提供:小山真人(静岡大学))
(注)説明文書修正(下線部)(2016.5.12)
   
◆静岡県の鉱物 自然テルル(主要産地:河津鉱山(下田市))
  展示してある場所:ふじのくに地球環境史ミュージアム
河津鉱山から産出する鉱物のひとつ.陶器状石英中に微細な結晶の集まりとして見られる.河津鉱山では,他もテルルを含む鉱物が産出し,テルル石や河津鉱など多種多様な鉱物が知られている.なかでも河津鉱は,1970 年に初めて発見され,産出地にちなんで名付けられた新鉱物である.(写真提供: 菅原大助 (ふじのくに地球環境史ミュージアム))
(注)説明文書修正(下線部).写真差替(2016.5.13)
   
◆静岡県の化石 掛川層群(大日層)の貝化石群(主要産地:掛川市,袋井市)
  展示してある場所:ふじのくに地球環境史ミュージアム
掛川層群大日層は,掛川市から袋井市北部にかけて分布する,約200万年前(第四紀前期更新世)に浅海域で堆積した砂層・泥層からなる地層である.この地層には,現生のホタテガイに似た絶滅種であるモミジツキヒガイ等,海生生物化石が多く産出することが知られており,日本を代表する暖流系化石群として,「掛川動物群」と呼ばれている.解説協力:横山謙二氏(NPO法人静岡県自然史博物館ネットワーク)(写真提供: 菅原大助 (ふじのくに地球環境史ミュージアム))
   

 

富山県の「県の石」

◆富山県の岩石 オニックスマーブル(トラバーチン)(主要産地:宇奈月町下立)
  展示してある場所:黒部市吉田科学館
約1,600万年前の火山性噴出物の上に発達した炭酸塩岩で,「オニックスマーブル」という石材名で呼ばれている.1 mm以下のラミナが発達することから,トラバーチンであると考えられる.国会議事堂建築の際に,その石材の16%にあたる442 tが切り出され,銅像台座・階段壁・階段手摺親柱などに使用されている.また,2014年に開通した黒部宇奈月温泉駅にも使用されている.埋蔵量がごくわずかで,産地は痕跡的にしか残っていない.
   
◆富山県の鉱物 十字石 (主要産地:宇奈月町内山)
  展示してある場所:富山市科学博物館
飛騨変成帯東縁部の宇奈月変成岩類から産する.十字石は,著しい風化で生じる酸化アルミニウムに富む泥岩が,大陸衝突帯深部の温度圧力条件で変成されてできる.宇奈月のものは,約2.5億年前をピークとする南・北中国大陸の衝突に伴い生成した.日本に肉眼で見える大きさの十字石が稀なのは,プレート境界に集積した海成層に富み,風化が起き易い大陸環境起源の地層に乏しく,衝突型変成作用でできた変成岩類も少ないからである.
   
◆富山県の化石 八尾層群の中新世貝化石群(主要産地:富山市八尾町)
  展示してある場所:海韻館・富山市科学博物館・滑川市博物館・黒部市吉田科学館
八尾層群及びその相当層は,日本海形成前後(前期〜中期中新世)の堆積物で,富山県を横断して東西に分布しており,各地で貝化石を豊富に産出する.特に富山市八尾地域では,貝類化石とともにマングローブ植物の花粉化石が見つかったことにより,古環境及び古生物学的研究の発展に大いに貢献した.
(注)産地の誤記を,訂正いたします。(2016.5.11)
   

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石川県の「県の石」

◆石川県の岩石 珪藻土(珪藻泥岩)(主要産地:能登半島)
  展示してある場所:金沢大学で展示予定あり
能登の珪藻土は,新第三紀中新世に堆積した,多様な形態を持つ微小な珪藻化石を大量に含む珪藻質泥岩のことである.七輪などの原料として利用されている.堆積当時,陸源物質の供給が乏しく珪藻が大量に繁茂できる環境が長期間に渡って継続していたことを示す.古環境としては湖から海,海域では開放的な場合から閉鎖的環境まで多様である.特に飯塚層,和倉層は日本海が閉じた状態で循環が悪く酸素欠乏状態になった時期の堆積物である.(写真:珠洲市の珪藻土採掘現場(有限会社丸和工業坑道内).ロバート・ジェンキンズ撮影)
 
   
◆石川県の鉱物 霰石(あられいし)(主要産地:能登町恋路)
  展示してある場所:金沢大学で展示予定あり
石川県鳳珠郡能登町恋路に産する玄武岩の気泡中に晶出した六角柱状結晶.恋路産の霰石結晶は薄紅色を呈する.気泡内では緑色のセラドン石と共存する.国内の他の産地と比較して,能登町恋路産の結晶は外形の明瞭さ,薄紅色の色彩の美しさにおいて秀でている.(写真:金沢大学保管.奥寺浩樹撮影)
   
◆石川県の化石 大桑層の前期更新世化石群(主要産地:金沢市大桑町)
  展示してある場所:金沢大学で展示予定あり
大桑(おんま)層は第四紀前期更新世のおよそ170万年前から80万年前に日本海の浅海で形成された金沢市大桑(おおくわ)町の犀川沿いを模式地とする地層である.この地層中には主に寒流系種からなる貝化石密集層と暖流系種からなる貝化石散在層が約4万年周期で交互に出現している.これらは第四紀を特徴付ける氷期・間氷期サイクルによる気候変動・海水準変動に対して貝類が鋭敏に反応したことを示す証拠である.(写真:金沢市大桑町犀川の露頭.ロバート・ジェンキンス撮影)
   

岐阜県の「県の石」

◆岐阜県の岩石 チャート(主要産地:木曽川河畔(各務原市鵜沼,加茂郡坂祝町),飛水峡(加茂郡七宗町),金華山(岐阜市))
  展示してある場所:日本最古の石博物館(加茂郡七宗町)
チャートは放散虫というプランクトン化石からなる層状のきれいな地層である.岐阜県の木曽川,長良川沿いには美濃帯のジュラ紀付加体に含まれる三畳紀〜ジュラ紀前期の層状チャートが広く分布する.風化侵食に対する抵抗力が強いため山稜や淵をつくることが多い.岐阜のシンボル金華山もチャートでつくられた山である.特に保存良好な放散虫化石を含むため,精密な形成年代および地質構造の解析が進んだ.美濃帯は海洋プレートの沈み込みによって形成された付加体であることが明らかにされ,日本列島の発達史を明らかにする上で大きな役割を果たした.(写真提供:小嶋 智 飛水峡のチャート)
   
◆岐阜県の鉱物 ヘデン輝石(主要産地:神岡鉱山(飛騨市神岡町))
  展示してある場所:鉱山資料館(飛騨市神岡町)
神岡鉱山は,飛騨片麻岩中に含まれる結晶質石灰岩に花崗岩マグマ起源の熱水が接して形成されたスカルン鉱床からなる.2001年の閉山までの総採掘量は7,500万トンに達し,一時は東洋一の鉱山として栄えた.神岡鉱山から産出する代表的な鉱物がヘデン輝石(灰鉄輝石,CaFeSi2O6)である. (神岡鉱山資料館蔵ヘデン輝石,写真撮影:神岡鉱業(株))
   
◆岐阜県の化石 ペルム紀化石群(主要産地:赤坂金生山(大垣市))
  展示してある場所:金生山化石館(大垣市),岐阜県博物館(関市)
大垣市北部赤坂町の金生山は,古生代中期〜後期ペルム紀の石灰岩からなり,豊富な化石を産する.日本産の最初の化石が記載されたのは,ドイツ人ギュンベルによる金生山産のフズリナ化石と言われており,金生山は「日本の古生物学発祥の地」と呼ばれることもある.フズリナの他にも巻貝,二枚貝,ウミユリ,サンゴなどの化石を多産し,貝類には大型のものが多い. 写真:産業技術総合研究所所蔵(左)巻貝,登録番号GSJ F03579(右)二枚貝,登録番号GSJ F03580(いずれも地質標本登録データベースより)
   

愛知県の「県の石」

◆愛知県の岩石 松脂岩(主要産地:鳳来寺山)
  展示してある場所:新城市鳳来寺山自然科学博物館,名古屋大学博物館,名古屋市科学館
松脂岩は流紋岩質成分でガラス質,松脂のような樹脂状光沢がある.また,英名のピッチストーンはアスファルトのような色と光沢から名づけられている.水分を5%以上含んでいることが特徴で,黒曜岩と区別される.約1500万年前の大規模な火山活動によって形成され,鳳来寺山から棚山にかけて広く分布している.国指定名勝天然記念物の鳳来寺山の象徴である鏡岩は,松脂岩からなっている.(写真:加藤貞亨)
   
◆愛知県の鉱物 カオリン(主要産地:瀬戸市)
  展示してある場所:名古屋大学博物館,名古屋市科学館
瀬戸物として古くから知られる陶業は,愛知県の伝統的産業の一つである.カオリンは陶業の原材料となる粘土である.瀬戸地方の粘土(カオリン)は後期中新世から鮮新世(約700万年から200万年前)に堆積した瀬戸層群の最下部の地層(瀬戸陶土層)から採取される.カオリンは周辺の花崗岩中の長石が風化によって形成された粘土が堆積したり,砂粒として堆積した長石が堆積後風化し粘土化したものである.(瀬戸陶土層とカオリンの電子顕微鏡写真 写真:竹内 誠・サイモン ウォリス・林 誠司(協力:愛知県陶磁器工業協同組合))
   
◆愛知県の化石 師崎層群の中期中新世海生化石群(主要産地:知多半島(愛知県南知多町山海))
  展示してある場所:名古屋大学博物館,名古屋市科学館
約1700万年前(中新世)の地層(師崎層群)が分布する南知多町から,ウミユリ類,ヒトデ類,ウニ類などの棘皮動物,深海魚,二枚貝や巻貝などの軟体動物等,多種の深海性動物化石が発見されている.これだけ多種類の深海性化石群が見つかっているところは日本では師崎層群だけである.さらに特筆すべきは,これらの化石が非常に保存の良い状態で発見されていることで,この化石群を産出する地層は日本を代表する「化石鉱脈*」の例として有名である.(深海性ヒトデの一種 (Himenodiscus sp.)写真:大路樹生)
*「化石鉱脈」:保存の良い化石が密集して産出する地層
   

福井県の「県の石」

◆福井県の岩石 笏谷石(火山礫凝灰岩)(しゃくだにいし)(主要産地:足羽山)
  展示してある場所:福井市自然史博物館
古来より採掘されてきた青く美しい「笏谷石」は,福井市中心部の足羽山で採掘されたデイサイト質の火山礫凝灰岩に付けられた名称です.水底あるいは一部陸上に流れ出した火砕流堆積物であると考えられており,中新世の糸生層最上部に位置づけられています.層理はほとんどなく塊状で,溶結構造はわずかに認められる程度です.加工しやすい,色が美しいなどの特徴を持っており,福井城の石垣も笏谷石が使われています.(提供:福井市)
   
◆福井県の鉱物 自形自然砒(主要産地:旧赤谷鉱山(福井市赤谷町;現在は廃鉱))
  展示してある場所:福井市自然史博物館
赤谷鉱山では自然砒結晶は変質した面谷流紋岩類(濃飛流紋岩類)中に生じている.大きいものでは,その長径が2僂肪する.表面は酸化して亜砒酸を生じ,灰白色〜暗灰色になり光沢を失っているが,内部の新鮮な部分では錫白金属光沢がある.本鉱山から産する自然砒結晶は,表面に菱面体結晶の突起が多数突き出ており,そのユニークな形がお菓子の金平糖を連想させるため,“こんぺいとう石”と言われている.写真「ふくい地質景観百選」(2009年,福井市自然史博物館)より
   
◆福井県の化石 フクイラプトル キタダニエンシス(主要産地:福井県勝山市北谷)
  展示してある場所:福井県立恐竜博物館
フクイラプトル キタダニエンシス(Fukuiraptor kitadaniensis)は,アロサウルス上科に属すると考えられる肉食恐竜である.大腿骨から全長4.2mと推定されている.前期白亜紀の手取層群北谷層から,福井県による恐竜化石発掘調査によって発見され,日本で最初に有効な学名がつけられた恐竜であり,また日本で最初に全身骨格が復元された肉食恐竜である.(写真提供:福井県立恐竜博)
   

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