「県の石」:中国

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岡山県の「県の石」

◆岡山県の岩石 万成石(まんなりいし)(主要産地:岡山市)
  カリ長石がピンク色を呈すことが特徴の中粒角閃石黒雲母花崗岩.後期白亜紀の火成活動で形成.全体に淡い桃色をなすことから桜御影とも呼ばれる.岡山駅西方の京山,矢坂山周辺に産し,鉄道交通の発達によって明治終わりころから石材(建築材・墓石)として用いられるようになった.ノグチイサムの彫刻や石原裕次郎の墓石などに用いられている.(写真サイズ:縦15cm.写真提供 鈴木茂之)
   
◆岡山県の鉱物 ウラン鉱(主要産地:苫田郡鏡野町上齋原人形峠)
  鳥取県県境に接する人形峠鉱山から産出した。人形石(Ningyoite)や燐灰ウラン石などからなる。約700万年前頃(後期中新世)に堆積した人形峠層の砂岩礫岩中にウラン鉱は形成されている。周辺に分布する花崗岩が風化し、水に溶出した微量なウラン(酸化環境)が、地下水に混じって砂岩礫岩層の隙間を流れた際(還元環境)鉱物として固定されたものである。ウランが散逸せずに鉱物として固定されるメカニズムが核廃棄物処理のヒントになるとして着目されている。(写真:産業技術総合研究所所蔵,登録番号GSJ M18002)
   
◆岡山県の化石 成羽植物化石群(主要産地:高梁市成羽町,川上町の成羽層群分布域)
  展示している場所:高梁市成羽美術館
イチョウ,ソテツなどの裸子植物とシダ植物を主体とする後期三畳紀の植物化石群.これらの多種類の化石群はOishi(1932)によって成羽フローラと定義され,中生代前期型植物の国際的なタイプとなっている.模式標本(北海道大学所蔵)の多くは1930年に設立された成羽地学同好会のメンバーによって採取されたもので,主な化石は現在も成羽美術館で展示されている.
(写真サイズ:縦5cm.写真提供 鈴木茂之)
   

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広島県の「県の石」

◆広島県の岩石 広島花崗岩(主要産地:広島県南部(瀬戸内海沿岸地域および内陸部))
  展示している場所:広島大学総合博物館・理学部サテライト.広島県の瀬戸内海沿岸部のいたるところで観察することができる.
広島花崗岩は,西南日本内帯の山陽帯と称される岩石区に分布する花崗岩を代表するもので,白亜紀末期の8,600万年前頃に貫入した珪長質の深成岩である.一般にカリ長石が淡いピンク色を呈しているが,倉橋島に産するものは色が濃く鮮やかで,国会議事堂の外装に使用されたことから「議院石」と呼ばれている.広島県内の地盤のおよそ40%は広島花崗岩からなっており,経済的恩恵にせよ,災害の要因にせよ,広島県民は広島花崗岩とともにあると言っても過言ではない.(写真提供:早坂康隆)
   
◆広島県の鉱物 蝋石(主要産地:広島県庄原市勝光山)
  展示している場所:広島大学総合博物館・理学部サテライト
蝋石は,葉ろう石(pyrophyllite:Al2Si4O10(OH)2),滑石(talc:Mg3Si4O10(OH)2),カオリナイト(kaolinite:Al4Si4O10(OH)8)などの微細な結晶の集合体でロウのような質感をもつ軟らかい岩石の総称である.庄原市の勝光山鉱山に産するものは葉ろう石成分に富み,優れた耐火煉瓦の原料として,かつては日本一の出荷量を誇っていたが,現在は閉山している.しばしば青色の微細なコランダムの集合体をともなうのが特徴である.(写真提供:早坂康隆)
   
◆広島県の化石 アツガキ(主要産地:広島県庄原市、および三次市周辺の備北層群)
  展示している場所:広島大学総合博物館
広島県北部の庄原、三次地域には新第三紀中新世のおよそ2,000〜1,200万年前頃に形成された備北層群とよばれる汽水〜海成の地層が分布し,ヒゲクジラやサメなどの大型化石をはじめとし,様々な種類の化石を産する.中でもアツガキの化石は備北層群の各所に多産し,希に長径30 cmにも達するものがある.牡蠣の養殖が盛んで,牡蠣をこよなく愛する広島県民にとって,アツガキは県の化石としてまことに相応しいものであろう.(写真提供:白石史人)
   

 

山口県の「県の石」

◆山口県の岩石 石灰岩(主要産地:秋吉台)
  展示している場所:秋吉台
約3億4千万年前のサンゴ礁がプレートとともに移動し,日本列島に付加されて形成された.石灰岩で特徴づけられる秋吉台は,日本最大のカルスト台地であり,日本最大級の洞窟「秋芳洞」が発達する山口県のシンボルであり,国定公園および特別天然記念物,日本ジオパークに指定されている.また,石灰岩はセメント製造や製鉄に欠かせない鉱物資源でもあり,日本の近代化を支えた自給率100%の資源という側面もある.(写真提供:小原北士)
   
◆山口県の鉱物 銅鉱石(主要産地:長登銅山跡)
  展示している場所:長登銅山文化交流館(大仏ミュージアム)
約1億年前,地球規模で火成活動が活発化した時期に,秋吉台の石灰岩にマグマが貫入し,その熱水作用により石灰岩と花崗斑岩の接触部に長登銅山の鉱床が生成された.その後この地域は隆起して陸地となったため,鉱床の露頭は風化によって酸化が進み,褐鉄鉱や孔雀石などからなる酸化鉱帯が生成された.
長登銅山は古代から近代まで断続的に稼働してきた銅山で,奈良の大仏鋳造の際,料銅を産出したことで知られている.古代は地表付近の酸化銅鉱,中世以降はより深い位置にある硫化銅鉱を採掘して,製錬していたと考えられている.また孔雀石などの酸化銅鉱は,古代より顔料として利用されており江戸時代後期には高級画材として高値で取引された.(写真:世界ジオパーク推進課)
   
◆山口県の化石 美祢層群の植物化石(主要産地:美祢市)
  展示している場所:美祢市歴史民俗資料館、美祢市化石館
美祢層群からは約2億3000万年前のシダ類,トクサ,イチョウなどの植物化石が豊富に産出し,中生代三畳紀の植物化石研究において成果をあげてきた.また美祢層群は日本最古の昆虫化石が産出したことでも知られている.これら美祢層群の化石は,ペルム紀末におこった地球史上最大の大量絶滅から生命が再生した象徴ともいえる.美祢層群の植物は大量の石炭(無煙炭)を作り出した.その分布域は日本最大で,無煙炭は明治時代に始まった日本の近代化,戦後の高度経済成長を支えた.(写真:篠田健二)
   

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島根県の「県の石」

◆島根県の岩石 来待石(きまちいし)(主要産地:松江市宍道町)
  展示している場所:モニュメントミュージアム来待ストーン
来待石は約1400万年前の浅海に堆積した大森層の塊状凝灰質砂岩である.来待石は松江市宍道町来待周辺から採掘され,石材として古くは古墳時代の石棺に 始まり,江戸時代には御止石として藩外への持ち出しは松江藩の許可制となるほど重要視された.切り出しや加工がしやすく,新鮮な面では灰色を呈している が,酸化による風化が早いため黄褐色に変化し,趣のある石材として好まれており,現在でも石灯篭などに広く使われている.(写真:モニュメント・ミュージアム 来待ストーンの壁面.撮影:入月俊明)
   
◆島根県の鉱物 自然銀(主要産地:島根県大田市大森町 石見銀山)
  展示している場所:石見銀山資料館
石見銀山は14〜19世紀まで銀を採掘して石見銀山と呼ばれ,19世紀以降は含金銀銅鉱山として大森鉱山と呼ばれた.当地には鉱染鉱床の「福石鉱床」と,鉱脈鉱床の「永久鉱床」がある.銀を多産したのは福石鉱床であるが両鉱床は成因的に関連が深い.銀をもたらした熱水脈跡は幅3mm程の鉉(つる)と呼ばれ,鉉を挟む数10cm幅に自然銀を多く含む「福石」が形成している.(写真:石見銀山資料館の銀鉱石(福石)撮影:亀井淳志)
   
◆島根県の化石 ミズホタコブネ(主要産地:県内各地(模式地:松江市玉湯町志布名)
  展示している場所:島根大学ミュージアム
ミズホタコブネは軟体動物門頭足綱八腕形目アオイガイ科に属す絶滅したタコの仲間で,オウムガイに似た石灰質の殻を持ち,これが化石として残る.殻は薄く殻表には成長線が認められる.殻の内部は空洞で隔壁はない.松江市から新種として記載され,学名(Mizuhobaris izumoensis)に出雲という地名が用いられている.島根県東部に分布する約1300万年前の布志名(ふじな)層の泥岩から保存良好な化石が多産する.(写真:島根大学ミュージアムの展示物.撮影:入月俊明)
   

 

鳥取県の「県の石」

◆鳥取県の岩石 砂丘堆積物(主要産地:鳥取砂丘)
  鳥取砂丘(鳥取市福部町岩戸〜鳥取市白兎)
鳥取市の千代川河口の東西、福部町岩戸〜白兎までの東西16km、南北2.4kmに広がる鳥取砂丘を構成する石英と長石を主とした風成砂(径0.8mm程度)であって,岩石ではない.砂丘堆積物は約4.5万年前に降灰した大山倉吉軽石層を境に古砂丘砂と新砂丘砂に区分される.砂丘がやや黄褐色をおびているのは粒子表面の汚れ(風化物付着)による.供給源は主として中国山地の山陰帯の花こう岩類(鳥取花こう岩など)である.(写真:鳥取砂丘(鳥取県))
   
◆鳥取県の鉱物 クロム鉄鉱(主要産地:日南町多里)
  展示している場所:鳥取県立博物館(鳥取市東町2丁目124)
クロムを主成分とした酸化鉱物、化学組成は(Fe2+,Mg)(Cr,Al,Fe3+)2O4.多里のクロム鉄鉱は日本有数のクロム鉱床(クロム鉄鉱岩)を構成する鉱物ある.戦前・戦時中には国内生産量の約半分を担った歴史的価値もあり,若松鉱山は「多里地域クロム鉱山」として平成20年度経済産業省「近代化産業 遺産群続33選」に認定された.クロム鉱床は鳥取・広島・岡山県境部の古生代前期の超苦鉄質岩体中に胚胎する.(写真:クロム鉄鉱岩(鳥取県立博物館))
   
◆鳥取県の化石 中新世魚類化石群(主要産地:鳥取市国府町宮下)
  鳥取県立博物館(鳥取市東町2丁目124)
国内の有数の保存のきわめて良好な魚類化石群であり,約1680万年前頃に堆積した栃本頁岩層から,浅い海に生息した10数種類の魚の化石を産出する.ミヤノシタシシャモ,ミヤノシタサッパ,トットリヒラメ,イナバケツギョなど.江戸時代から魚類化石産出の記録が存在する.日本海形成時期の浅海性魚類相の形成を知る上でも貴重であるだけでなく,西太平洋地域の現生浅海性魚類の起原と進化プロセスを知る上で重要である.(写真:イナバケツギョ(鳥取県立博物館))
   

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