入選:四倉海岸の砂絵
写真:志賀敏広(福島県)
撮影場所:福島県いわき市四倉 四倉海岸
【撮影者より】
いわき市四倉町にある四倉海岸で見た砂模様です.風の作用で出来たのか,波の作用で出来たのか不明です.この模様が出来る砂は黒っぽく湿っています.乾いた白い砂ではありません.オーストラリアの先住民族アボリジニの絵に似ていると思いました.自然が描く大地のアートです.
【審査委員長講評】
最近はインスタグラムの流行によって同じような写真が大量生産される傾向にうんざりしているので,このようなユニークな写真を見るとほっとします.スケールはありませんが,そのことが却ってこの抽象画のようなパターンがどうやってできたのだろうと好奇心を搔き立てられます.
【地質解説】
現世の砂浜海岸の波打ち際で見られる不思議な模様です.黒い部分は砂鉄質(重鉱物の多い)葉理(波が作る1cm以下薄い砂層),白い部分は石英質(無色鉱物の多い)葉理)と推測されます.それらが細かく交互に繰り返した(薄互層)砂浜面にできた,起伏のある波浪侵食微地形面を上から見ているのではないでしょうか.(安藤寿男:茨城大学)