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┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン ┬┴┬┴┬┴┬┴
┬┴┬┴┬┴┬ No.458 2019/8/6┬┴┬┴ <*)++<< ┴┬┴┬┴
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★★目次 ★★
[2019山口大会情報]
【1】[2019山口]全体日程表・講演プログラム公開しました。
【2】[2019山口]事前参加登録はお済みですか?
【3】[2019山口]緊急展示申込受付
【4】[2019山口]会員カードを忘れずに
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【5】2019年度大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査
【6】本の紹介「The Atom and the Fault」
【7】支部情報
【8】その他のお知らせ
【9】公募情報・各賞助成情報等
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【1】[2019山口]全体日程表・講演プログラム公開しました。
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山口大会の全体日程表・講演プログラム(セッション別)を公開しました。
なお,一部情報は修正・変更される場合があります。
https://confit.atlas.jp/guide/event/geosocjp126/static/program
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【2】[2019山口]事前参加登録はお済みですか?
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参加登録に関わるお申込(大会参加・要旨集注文,巡検,懇親会,
弁当)については,例年通りオンラインによる大会専用参加登録シ
ステムを準備致しました(会員・非会員とわず,どなたでも申込可
能です).また,巡検のみに参加する場合には,大会参加登録費は
徴収しません.
巡検は,すでに定員に達したコースもあります(C, E, G, Hコース)。
巡検参加を希望される方はお早めにお申込下さい.
(注)巡検申込状況はこちらから(8/5,17時現在)
http://www.geosociety.jp/science/content0104.html
申込締切:8月19日(月)18時[WEB](8月9日(金)必着[郵送/FAX])
詳しくは,https://confit.atlas.jp/guide/event/geosocjp126/static/sanka
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【3】[2019山口]緊急展示申込受付
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緊急かつホットなテーマについて議論する場を提供するために,災
害調査報告や速報性の高い新技術・成果紹介などの「緊急展示コー
ナー」を設けます.ポスター展示を希望する方は,9月5日(水)ま
でにお申込下さい。
(注)コアタイムの時間帯が設けられます.優秀ポスター賞へのエ
ントリーも可能です.発表における1人1題の制約は及びません.
申込締切:9月5日(水)
https://confit.atlas.jp/guide/event/geosocjp126/static/emergency
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【4】[2019山口]会員カードを忘れずに
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大会会場での受付は「会員カード」で簡単に手続きいたします.
地質学会会員の方は,「会員カード」を忘れずに持参して下さい.
https://confit.atlas.jp/guide/event/geosocjp126/static/card
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【5】2019年度大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査
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本調査は、全国大学院生協議会(全院協)が行う、全国の大学院生
を対象としたアンケート調査です。大学院生の研究及び生活実態を
客観的に把握し、もってその向上に資することを目的としておりま
す。本調査へのご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
回答期限:2019年9月13日(金)
詳しくは,https://forms.gle/CP3zxCcEFYySye8E9
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【6】本の紹介「The Atom and the Fault」
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正会員 石渡 明(原子力規制委員会(NRA)委員)
The Atom and the Fault
(Experts, Earthquakes and Nuclear Power)
Richard L. Meehan 著
The MIT Press, 1984,First paperback edition in 1986.
Paperback: \2,316 (in July 2019),Size: 23x15 cm, 161 p.
ISBN: 978-0-262-63106-8
Keywords: atomic power-plants, California
この「原子力と断層」の本は、活断層が多く地震が頻発する米国
カリフォルニア州(以下「加州」)において、1950〜70年代に計画
された商用原子力発電所や試験炉(以下「原発」)が立地調査、建
設、稼働段階において直面した活断層問題について、地質コンサル
タントとしてそれらの調査に直接関与した著者が、自身の経験に基
づいて、問題の詳しい経緯や電力会社、地質コンサルタント会社、
米国地質調査所(USGS)、米国原子力規制委員会(NRC; 1974年以前
はAEC)、大学教授、技術者、訴訟参加者らの立場と考え方を、人間
模様を絡めて物語風に述べたものである。Hart et al. (2012: EEG,
18(4), 313-) は、「地すべりが断層と誤認される場合:米国西部の
事例研究」(https://doi.org/10.2113/gseegeosci.18.4.313)の中
で、「本書は地質技術者と応用地質研究者の必読書だ」と高く評価
している。
序文によると、著者は1960年代に数人の仲間と地質コンサルタン
ト会社を立ち上げ、原発の敷地内や近傍の断層調査を行い、後に
Stanford大学で理工系の学生に講義した内容を基に本書を執筆した。
著者は、「この本は一人の当事者の見解であり、「客観性」に欠け
ると非難されるかもしれない。(中略)しかし、私は決して皆さん
を原発に賛成あるいは反対の立場に転向させることを目的としてい
ない。私の目的はもっと野心的である。私はもっと本質的な問題を
提起している。即ち、科学的専門家の間で、「正直さ」や「客観性」
が現実にどのように存在し得るか、という問題である」と述べてい
る。
加州は太平洋プレートと北米プレートの境界をなすSan Andreas断
層が海岸沿いの陸上または直近の海底を通過しており、プレート境
界が数10km〜100km以上沖を通る日本よりも活断層や地震についての
自然条件が厳しい(ただし、日本でも伊豆半島北側ではプレート境
界が陸上を通り、津波については日本の方が厳しい)。加州では19
50年代から計8つの原子力サイトが選定されたが、そのうち4つ(北
からPoint Arena, Bodega Head, Davenport, Malibu (Corral
Canyon))は立地調査ないし建設段階で活断層が発見されて建設中止
となり(Davenportの公式の中止理由は経済的)、2つ(Humboldt
Bay, Vallecitos)は運転開始の13〜20年後に活断層がみつかって運
転禁止になり、長期間営業運転できたのは2つだけ(Diablo Canyon
(現在も稼働中)とSan Onofre)という状況である。
AEC-NRCの活断層に関する指針は大略次のように変遷してきた(本
書p. 66)。【1956年】いかなる原子力施設も既知の活動的な起震断
層から地表距離で1/4〜1/2マイル(約400〜800m)より近くに設置し
てはならない。【1959年】原子力施設は断層の上に設置してはなら
ない。【1962年】「1/4〜1/2マイル」を「1/4マイル」に変更。【1
973年】新立地基準「10 CFR 100 Appendix A」採択。将来活動する
可能性のある断層(capable fault)を、3.5万年以内に活動または
50万年以内に繰り返し活動した断層等と定義(距離の基準は不明確)。
本書が扱う加州の原発の活断層問題のうち3つを簡単に紹介する。
加州北部のBodega Headは建設初期段階で原子炉位置に活断層が発見
され計画中止になった。この用地はSan Andreas断層をまたぐ岬の太
平洋側の先端にあり、原子炉を容れるための大きな穴を掘ったとこ
ろ、その底や壁を縦断する断層が露出した。そして、この断層は花
崗岩質の基盤岩を覆う4万年前の段丘堆積物を数インチ変位させてい
た。電力会社は、断層が3フィート(約1m)変位してもその動きを吸
収できる設計にするという「宇宙時代的な」補正申請書をAECに提出
したが、結局AECは立地不適と判断した。Schlocker and Bonilla (
1964)の最終報告書は、「本サイトとSan Andreas断層との距離は、
1906年のSan Francisco大地震において2.5〜4フィートの断層変位が
観察された複数の地点と同断層との距離にほぼ同じである。従って
このサイトにおいて2〜3フィートのずれが生じる可能性は否定でき
ない」としている(http://pubs.er.usgs.gov/publication/tei844)。
加州南部のMalibu (Corral Canyon)サイトは、活断層からの距離
が1/4マイル以内かどうかが争点になった。USGSや大学の研究者はこ
のサイトが断層帯の中にあり、原子炉の直下を破砕帯が通ることに
なり、危険度が高いと主張した。地元住民による反対運動が起き、
彼らは100人以上の石油地質関係の学者らを現地視察に招き、酒食で
もてなして「このサイトは原発の建設には安全でない」という文書
に署名させた。Yerkes and Wentworth (1965)は Malibu 海岸断層が
後期更新世(約13〜1万年前)の地層を変位させている露頭を8箇所
示すが(https://pubs.er.usgs.gov/publication/ofr65179)、電力
会社はサイト内で新たに確認された断層も含めて過去1万年間は活動
していないと主張した。しかし、審査委員会とAECは「断層運動を考
慮した設計」を要求し、この要求はBodega Headの例から予想される
ように「そのような設計の先例がない」という理由で最終的な不許
可につながって行く。結局、1万年に1回以下の断層運動のリスクに
より、電力会社はMalibu原発の建設計画を放棄せざるを得なくなっ
た。
加州中央部のGE Vallecitos試験炉(主に同位体製造用)は、運転開
始20年後の1977年の免許更新時に、NRCがその近くに活断層があると
いう情報を得て、GE社に地質調査を指示した。USGSの新しい地質図
に活断層が示されたのである。GEが断層沿いの2地点で長さ300フィー
ト、深さ13フィートのトレンチを掘削した結果、両トレンチに新し
い時代の水平な地層を15フィート変位させる、断層面に粘土を伴う
傾斜25度の逆断層が出現した。専門家の間ではこれが活断層か地す
べりか議論があったが(上記Hart et al. 2012参照)、NRCは結局、
「原子炉を安全に冷温停止状態にし、その状態を維持すること。そ
の状態を変更しようとする場合は理由を示すこと」と命令した。こ
れは運転禁止に等しい。
以上のように、加州では原発建設初期から活断層が非常に大きな
問題になっていた。同様に活断層や地震が多い日本で活断層問題に
より建設中止になった原発はないが、福島第一原発事故後の見直し
の中で、敷地内や近傍の活断層問題で審査が難航し、停止が続いて
いる原発は複数ある。日本の現在の新規制基準では、12〜13万年前
より新しい地層(後期更新世以後の上載層)を1回でも変位させてい
れば「将来活動する可能性のある断層等」とみなし、それが重要施
設の直下に露頭していてはならないと定めている。この「断層等」
は支持地盤に達する地すべり面を含む旨、審査ガイドに明記されて
いる。敷地近傍に起震断層があれば、その地震動を最も厳しい条件
で評価する。しかし、この新規制基準といえども金科玉条ではなく、
活断層や地震・津波・火山等に関する新知見や国際的な規制動向を
取り入れて随時改善し、バックフィットしていく必要がある。
本書には、Point Arenaの「円形の断層」、輸入した米国製原発への
日本人の不満(overly cautious!?)、Benioff博士の日本留学の成
果(耐震基準0.1G!?)など興味深い話が満載だが、一方で著者の勘
違いも若干見られる。例えばp. 5で1958年頃の話としてサンアンド
レアス断層が「プレート」境界と考えられていたと言うが、プレー
ト論の提唱は1960年代後半である。P. 42の2段落目の「過去1100万
年間」は文脈から1.1万年の誤りだと思われる。
本書が最も強調する点は、地質屋と技術屋、理系と工学系の考え方
がいかに違い、それが原子力産業にどう影響したかということであ
る。本書は原発の活断層問題の必読書であるが、地質学と社会の関
係についても考えさせられる。会員各位のご一読をお勧めする。
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【7】支部情報
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[関東支部]
■シンポジウム:研究の最前線
〜中期更新世以降の関東平野北東部の地質と地形発達〜
10月19日(土) 13:20〜17:00(13:00開場)
会場:つくば市役所コミュニティー棟第一会議室
主催:筑波山地域ジオパーク推進協議会
共催:日本地質学会関東支部
参加費:無料
■筑波山地域ジオパーク巡検
10月20日(日)TXつくば駅9:50集合-17:00解散(予定)
募集:20人(先着順)
講師:久田健一郎(筑波大学)・杉原 薫(筑波大学)
申込期間(予定):9月9日(月)〜10月4日(金)
詳しくは,http://www.geosociety.jp/outline/content0201.html
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【8】その他のお知らせ
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■企画展「ベリリウムの華 魅惑の緑柱石・金緑石展」
9月10日(火)-11月4日(月)
場所:石川町立歴史民俗資料館 3階展示場
http://www.geosociety.jp/name/content0154.html
■那須野が原博物館
開館15周年記念特別展「昆虫創世記」
昆虫がたどった4億年の道のりがいま明らかに!
開催中-9月23日(月・祝)
http://www2.city.nasushiobara.lg.jp/hakubutukan/
(後)サテライトミュージアム企画展示「アンモナイト展」
7月20日(土)-8月31日(土)
場所:新潟大学駅南キャンパス ときめいと(新潟市中央区笹口1-1プラーカ)
入館無料
http://www.lib.niigata-u.ac.jp/tenjikan/index.html
■第9回学生ヒマラヤ野外実習ツアー参加者募集(地質学会推薦)
日程(仮):2020年3月4日-18日(出国から帰国まで15日間)
参加申込締切:2019年12月31日
参加費:学生・大学院生 20万円以内
http://www.gondwanainst.org/geotours/Studentfieldex_index.htm
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(後)科教協福岡大会・科学お楽しみ広場
(第66回全国研究大会福岡大会)
8月9日(金)
会場:西南学院大学 西南コミュニティセンター(福岡市早良区)
参加無料
参加者は各展示ブースを回って,自然科学,理科教育に関する様々な
体験や学びができます.児童生徒も参加可.
https://kakyokyo.org/archives/1319
第225回地質汚染・災害イブニングセミナー
8月30日(金)18:30-20:30
場所:北とぴあ806会議室(東京都北区王子)
講師:山崎晴雄(首都大学東京名誉教授 理学博士)
演題:『首都圏における活断層』−地層判定の重要性−
会費:会員500円 非会員 1,000円
http://www.npo-geopol.or.jp/event.htm
(後)第63回粘土科学討論会
9月10日(火)-12日(木)
(講演会:9月10-11日,現地見学会:9月12日)
会場:埼玉大学(さいたま市桜区下大久保225)
http://www.cssj2.org/publication/annual_meeting/
(共)日本地球化学会第66回年会
9月17日(火)-19日(木)
場所: 東京大学・本郷キャンパス
http://www.geochem.jp/meeting/index.html
★ 日本地質学会第126年学術大会(2019山口)
9月23日(月・祝)-25日(水)
場所:山口大学 吉田キャンパス(山口市吉田)
https://confit.atlas.jp/guide/event/geosocjp126/top
■第226回 地質汚染・災害イブニングセミナー
9月27日(金)18:30-20:30
場所:北とぴあ806会議室(東京都北区王子)
講師:張 銘(産業技術総合研究所 地圏環境リスク研究G長)
演題:「化学と科学でみる自然由来重金属類」
会費:会員500円 非会員 1,000円
http://www.npo-geopol.or.jp/event.htm
(協)第35回ゼオライト研究発表会
12月5日(木)-6日(金)
会場:タワーホール船堀(江戸川区船堀4-1-1)
その他のイベント情報は,学会行事カレンダーもご参照下さい.
http://www.geosociety.jp/outline/content0191.html
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【9】公募情報・各賞助成情報等
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・2020年度笹川科学研究助成の募集(9/17-10/16)
・日本アイソトープ協会奨励賞(10/31)
・第41回沖縄研究奨励賞(学会締切9/6)
・大船渡市立博物館地質学芸員募集(8/28)
・新潟大学 災害・復興科学研究所 准教授公募(8/30)
・土木研究所寒地土木研究所 任期付研究員公募(8/26,17時)
・京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻准教授公募(9/30)
・京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻教授または准教授募集 (8/30)
詳細およびその他の公募情報は,
http://www.geosociety.jp/outline/content0016.html
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報告記事やニュース誌表紙写真募集中です.
geo-Flashは,月2回(第1・3火曜日)配信予定です.原稿は配信前週金曜日
までに事務局(geo-flash@geosociety.jp)へお送りください.