第9回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

ジオパーク賞:新燃岳
写真:山田宏作(鹿児島県)
撮影場所:鹿児島県霧島市大浪池付近より(霧島ジオパーク)

【撮影者より】
6年ぶりに噴火した新燃岳が,高千穂峰を背景に火口から噴気を上げている様子を撮影してみました.(2018年1月4日撮影)

【審査委員長講評】
霧島山新燃岳は,今年3月初旬には噴火が活発となり,溶岩を噴出しました.この作品はその直前に2011年の溶岩が火口を埋めている様子をドローンで撮影したものです.溶岩の上に堆積した火山灰,硫黄,水たまり,噴気が克明に捉えられています.噴火が激しくなると立ち入り規制が火口から2〜3kmと広がります.一方ドローンは,原則として飛行できるのは目視できる範囲,飛行高度は直下の地表から150m以下と規制があるので,噴火中の撮影は困難が伴います.


【地質的背景】
霧島火山の新燃岳は,2011年1月に軽石を噴出した後,火口内に溶岩を溜めました.2017年10月のマグマ水蒸気噴火の3ヶ月後に撮影されたこの写真では,2017年の火山灰が2011年の溶岩を覆い隠し,噴石が多数のクレーター作ったことがわかります.その後2018年3月に,新たな溶岩が火口内を埋めたため,この作品は2017年噴火直後の火口を撮影した貴重な記録となりました.奥の特徴的な山はやはり霧島火山の高千穂峰です.(神奈川県温泉地学研究所 萬年一剛)

 

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