┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬

┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン ┬┴┬┴┬┴┬┴

┬┴┬┴┬┴┬ No.343  2016/6/7┬┴┬┴ <*)++<< ┴┬┴┬┴

┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴

★★目次 ★★

【1】東京・桜上水大会情報

【2】学会創立125周年記念ロゴ募集開始

【3】フォトコンテスト入選作品展示会(in 銀座)

【4】本の紹介:北海道自然探検 ジオサイト107の旅

【5】支部情報

【6】その他のお知らせ

【7】公募情報・各賞助成情報等

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【1】東京・桜上水大会情報

──────────────────────────────────

■演題登録受付中!

【演題登録・要旨投稿】5月30日(月)〜6月29日(水)締切

 

■その他各種申込も受付中です。

【ランチョン・夜間集会】5月30日(月)〜6月29日(水)締切

【小中高校生徒「地学研究」発表会】7月14日(木)締切

 

■事前参加登録まもなく受付開始です。

【大会参加登録】6月10日(予定)〜8月18日(木)締切

【巡検申込】6月10日(予定)〜8月8日(金)締切

 

*詳しくは,大会HPまたはニュース誌5月号をご覧下さい.

http://www.geosociety.jp/tokyo/content0001.html

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【2】学会創立125周年記念ロゴ募集開始

──────────────────────────────────

125周年を盛り上げるため,会員の皆様から記念ロゴマーク(以後,記念ロゴ)
を募集中です.たくさんのご応募をお待ちしています!

 

募集締切:2016年 7月15日(金)17:00(郵送の場合は消印有効)

 

詳しくは,http://www.geosociety.jp/125th/content0006.html

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【3】フォトコンテスト入選作品展示会(in 銀座)

──────────────────────────────────

第7回惑星地球フォトコンテストほか入選作品展示会

6月11日(火)午後 〜6月25日(日)午前

場所:銀座プロムナードギャラリー(中央区銀座)

 

詳しくは, http://www.geosociety.jp/name/content0139.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【4】本の紹介:北海道自然探検 ジオサイト107の旅

──────────────────────────────────


監修:日本地質学会北海道支部


出版社:北海道大学出版会 定価:2,800円+税

 

 




北海道は四国・九州を合わせたよりも広い面積を有し,多彩な自然・地質景

観に恵まれている.北海道には既に2つの世界ジオパークを含め5つのジオパー

クが認定されており,さらに認定を目指して幾つかの地域で準備が進められて

いる.さて,このたび,標記の大変魅力的な本が刊行された.総カラーページ

で多数の写真によって北海道の多彩な自然・景観・地質の魅力が解りやすく紹

介されている.北海道全域を11のコースに分け,それぞれ10カ所前後のジオサ

イトが選定されて,統一したスタイルで各所の見所や面白さが紹介されている.

以下に本書の内容の一部を紹介しよう.

 第1コースは「札幌とその周辺」で,北大構内に始まり,北海道民にはなじ

みの深い手稲山や藻岩山,札幌市民の憩いの場である藻南公園などがジオサイ

トとして紹介されている.札幌の地形的・地質的背景を形作っている扇状地,

支笏カルデラ噴火による火砕流台地の形成,石狩平野の成り立ち,活断層によ

る丘陵形成などを知る事ができる.

 第2コースは観光地として人気の高い「支笏湖から洞爺湖へ」で,ここでは

有珠山や樽前山などの活動的火山はもとより,湧水や溶結凝灰岩の急崖がもた

らした滝なども紹介されている.また,新第三紀の火山岩が形成する室蘭の地

球岬の絶景も取り上げられている.

 第3コース「積丹半島から羊蹄山へ」は,岩登りのメッカとして名高い小樽

の赤岩に始まり,積丹半島の海岸沿いの奇岩・急立した海蝕崖を始め,羊蹄山

やニセコ神仙沼などが紹介されている.特筆したいのは,旧豊浜トンネルや大

規模地すべり地形もジオサイトとして紹介されている事で,悲劇をもたらした

岩盤崩壊の要因や巨大地すべり地形の特徴などが迫力溢れる写真とともに解り

やすく解説されている.

 全てのコースを紹介したいが,それは購入してからのお楽しみということで,

特徴点について以下に紹介する.第6コース「夕張から空知へ」では,日本の

近代化を支えた古第三紀の石炭層の壮大な露頭が幾つも取り上げられている.

また,崕山(きりぎしやま)等が紹介されている.紹介者は北海道で生まれ育っ

たので,本書で紹介されている多くは馴染みの場所であったが,崕山のような

絶景がある事を初めて知った.鋭いノコギリの歯のような一見岩脈に見える石

灰岩峰が,緑の森林から立ち上がっている様は絶景であり,その成因も謎に満

ちている.第5コース「渡島半島西海岸を北上」では,縞模様の美しい白亜の

海蝕崖やガウディの建築を思わせるような露頭,北海道の天然記念物に指定さ

れている安山岩の見事な柱状節理など,これまた旅への意欲を駆り立てる魅力

的なジオサイトから構成されている.地質学徒には必見の幌加内の青色片岩,

アポイ岳のかんらん岩,白亜紀中期の海洋無酸素事変,白亜紀—古第三紀境界

などももれなく収録されている.

 本書では,大規模斜面崩壊や地すべり,活断層地形なども数多く紹介されて

いる.また,有名観光地や温泉などに関連したジオサイトも多い.北海道には

100名山が9座あるが,本書では6座までが取り上げられているのも嬉しい.ま

た,道東のコースでは,美しい湿原の光景のなかに,数千年間にわたる500年毎

の巨大津波堆積物の歴史が刻み込まれている事が紹介されている.3.11の東日

本大震災による津波や,まだ収束の見えない熊本—阿蘇—大分地震などにより,

津波堆積物や斜面崩壊・活断層にたいする社会的関心が高まっている中で,本

書ではジオサイトとしてそれらが多数収録してあるのはまさに時宜にかなって

いる.

 コースは行政区分ではなく,車で移動する事を想定した設定となっている.

例えば,第7コースは「神居古潭から知床半島」,第8コースは「雄冬から稚

内・オホーツクへ」といったコースであるが,実際に各ジオサイトを訪れる時

には合理的なコース設定となっている.

 本書は,分かりやすい本作りという意味でも工夫が感じられる.各コースの

最初の2ページは必ず見開きの2ページを用いて,そのコースで観察できるジ

オサイトの概要と,各ジオサイトのタイトルとキャッチフレーズが代表的な写

真とともに示されており,一目でコース全体の概要が分かるように工夫されて

いる.各ジオサイトは3ページにまとめられており,以下のように構成も統一

されている.まずタイトルと写真の次に簡潔な概要が示されている.その下に

はカラーの位置図が掲載されており,そのジオサイトの項目の中で用いられて

いる写真の位置や,ジオサイトへのアクセス方法がまず紹介されている.サイ

トの説明は,「概要」と「特徴」の2項目に分かれており,「概要」で大まか

な見所を理解した上で,「特徴」ではより詳細な内容が解説されている.さら

に「メモ」が付けられていて,専門用語の解説やあるいは科学的背景,歴史的

エピソードなどが紹介されており,より理解を深めれる様に配慮されている.

 ページ調整も含めて配置されたように思える6つのコラムは多彩な内容で楽

しめる.また,巻末には北海道の地質のあらましが4ページにわたって簡潔に

紹介されており,表紙裏には107のジオサイト位置が,裏表紙裏には11コース毎

の地史年表が示されている.こうした本作りは他の地域で類似の書籍を企画す

る際に多いに参考になるであろう.

 本書の編著者は,民間や北海道の研究機関の地質技術者・研究者として活躍

されてきた方々であるが,日本地質学会北海道支部で取り組まれてきた「北海

道地質百選」の活動の中心メンバーであったと聞く.つまり,活発な学会支部

活動の成果が本書に反映していると言える.本書は地質学の楽しさを伝えると

ともに,地質学を社会に広く発信していく上で大きな役割を果たすに違いない.

こうした良書を纏め上げた編著者に敬意を払うとともに,本書を携行して北海

道を旅するなら,旅の楽しさが一層大きくなるであろう.本書を多くの地質学

会会員に強くお勧めしたい.

 

 なお,著者割引価格(2,240円+税)で購入できる会員限定注文用紙は学会

HP「会員ページ」(要ログイン)からダウンロードできます.

                          
 

                           (宮下純夫)
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【5】支部情報

──────────────────────────────────

[北海道支部]

■平成28年度例会(個人講演会)

6月11日(土)10:30〜17:30

場所:北海道大学理学部5号館301室

*講演プログラム・講演要旨を公開しました!

 

■書籍「北海道自然探検 ジオサイト107の旅」出版

監修:日本地質学会北海道支部

出版社:北海道大学出版会

定価:2,800円+税(会員割引価格:2,240円+税)

*会員割引専用申込フォームあり

 

詳しくは,http://www.geosociety.jp/outline/content0023.html

 

[関東支部]

■清澄フィールドキャンプ 参加者募集

8月29日(月)〜9月4日(日)

場所:東京大学千葉演習林(千葉県鴨川市清澄)

費用:40,000円程度(宿泊・食事・保険・レンタカー代込)

応募締切:7月8日(金)(*応募書類は所定のフォーマットを使用のこと)

詳しくは,支部HPへ http://kanto.geosociety.jp/

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【6】その他のお知らせ 

──────────────────────────────────

■国際地学オリンピックニュースvol.8

http://www.geosociety.jp/uploads/fckeditor/name/olymp/kokusai_chiori_news_2016.6.pdf

 

*************(以下,関連団体の行事案内です)****************

■(共)Goldschmidt 2016

6月26日(日)〜7月1日(金)

会場:パシフィコ横浜

ワークショップ・巡検申込:5月26日(木)締切

巡検,イベント等の紹介 http://www.geosociety.jp/faq/content0660.html

大会サイト http://goldschmidt.info/2016/index

 

■(共)第53回アイソトープ・放射線研究発表会

7月6日(水)〜8日(金)

http://www.jrias.or.jp/

 

■(後)ジオパーク新潟国際フォーラム

7月27日(水)〜29日(金)

---27日:東アジアネットワーク ワークショップ

---28日:基調講演会、パネルディスカッションほか

---29日:見学会(佐渡コース、苗場山麓コース、糸魚川コース)

会場:朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)

http://www.city.itoigawa.lg.jp/geopark-forum/

 

■第70回地学団体研究会総会(小川町)

8月19日(金)〜21日(日)

会場:リリックおがわ(埼玉県小川町民会館)

事前申込締切:7月31日(日)

http://www.geocities.jp/obt_kk/2016/index.html

 

■第35回万国地質学会議(35th IGC)

8月27日(土)〜9月4日(日)

会場:南アフリカ共和国ケープタウン

http://www.35igc.org/

 

■第19回日本水環境学会シンポジウム

9月13日(火)〜15日(木)

会場:秋田県立大学秋田キャンパス

事前参加登録締切:8月22日(月)

http://www.jswe.or.jp/event/symposium/index.html

 

■(共)日本地球化学会第63回年会

9月14日(水)〜16日(金)

会場:大阪市立大学杉本キャンパス

講演申込:7月14日(木)14時締切

http://www.geochem.jp/conf/2016/

 

■(共)第60回粘土科学討論会

9月15日(木)〜17日(土)

会場:九州大学医系キャンパス

講演申込:6月13日(月)〜24日(金)

http://www.cssj2.org/

 

■第6回学生のヒマラヤ野外実習ツアー(参加者募集中)

(日本地質学会推薦)

2017年3月4日〜18日(暫定日程)

コース:中西部ネパールヒマラヤの全断面で、ポカラを通る南北のルート

参加申込締切:11月30日(水)

http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm

 

その他のイベント情報は,学会行事カレンダーもご参照下さい.

http://www.geosociety.jp/outline/content0151.html#now

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【7】公募情報・各賞助成情報等

──────────────────────────────────

■平成28年度千葉県職員採用(地質職)選考考査(6/23)

■東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻教員(教授)公募(7/22)

■JAMSTEC海洋掘削科学研究開発センター(研究員等)(7/19)

 

■平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞および若手科学者賞
 受賞候補者の推薦(学会締切:7/15)

■第20回尾瀬賞の募集(8/31)

■海のフロンティアを拓く岡村健二賞(8/1)

■H28年度京都大学防災研究所特別緊急共同研究の公募(6/30)

 

詳細およびその他の公募情報は,

http://www.geosociety.jp/outline/content0016.html

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

報告記事やニュース誌表紙写真,マンガ原稿募集中です.

geo-Flashは,月2回(第1・3火曜日)配信予定です.原稿は配信前週金曜日

までに事務局(geo-flash@geosociety.jp)へお送りください.