2011年1月21日
日本の惑星探査機「はやぶさ」が地球に持ち帰ったカプセルの中に,小惑星「イトカワ」の微粒子が含まれていたという宇宙航空研究開発機構(JAXA)の発表は,2010年末の大ニュースでした.しかし,その発表内容については,ニュース誌13巻12号15頁の記事のように,地球外物質と判断した根拠などについていくつか疑問があり,一般向けの発表とはいえ,もう少し科学的な正確さが必要なのではないかという印象を多くの会員が持ったと思います.そこで,日本地質学会会長からJAXA理事長に対し,プレス発表に科学的な正確さを確保するよう求める要望書を郵送しました.この要望書およびそれに対するJAXAの担当者からの回答文を掲載いたします。
■ 貴機構の「はやぶさ」関連プレス発表資料についての要望書(2010.12.22)
日本地質学会 会長 宮下純夫
2010年6月15日
小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワでの探査を終えて地球に帰還し,試料回収カプセルが無事回収された快挙に,日本地質学会から祝意を表します.「はやぶさ」が,小惑星イトカワの構造や表面状態について多くの興味深い知見をもたらし,様々な技術的困難を乗り越えて地球に帰還したことは,関係者の粘り強い心血を注いだ努力の賜物です.今回の探査に携わられた多くの関係者の皆さまの労をたたえます.
地球上の変動やこれまでの変遷過程を理解する上で,直接的なサンプルが果たしてきた役割は大きなものがあります.地質学の発展はまさにそうした直接的なサンプルやフィールドでの観察によって支えられてきました.月から得られた岩石試料が,月のみならず,地球の生成・発展の解明にとっても大きな役割を果たしたことは,よく知られています.
今後も始原天体などへのサンプルリターン探査がおこなわれ,地球・惑星・生命の起源と進化に関する解明が進むことを期待しますとともに,日本地質学会としてもそうした先端的・学際的な研究の発展のために力を尽くす所存です.
日本地質学会 会長 宮下純夫.
2010年6月14日
今般の学習指導要領の改訂にともなう平成24年度からの高等学校理科の先行実施に関し,本学会は文部科学大臣,各都道府県教育委員会教育長,政令指定都市教育委員会教育長に対して下記のような要望を提出しました.
一般社団法人日本地質学会
2010年6月7日
総合科学技術会議では第4期科学技術基本計画の策定に向けての検討を進めており,「科学技術基本政策策定の基本方針(案)」に対するパブリックコメントを募集していました.
日本地質学会では,研究・教育における基盤的経費の充実や,大学院博士課程学生に対する支援の拡充,若手研究者の身分の安定化,高校地学教員の配置などについて,まだ議論中の論点を中心にコメントとして提出することにしました.パブリックコメントのフォーマットとして,項目ごとに文書をまとめる形になっているので,以下,「基礎研究の抜本的強化」「科学・技術を担う人財の強化」「全体」の3項目について,提出したコメントを紹介します.
なお,「科学技術基本政策策定の基本方針(案)」の本文については,総合科学技術会議の以下のURLを参照ください.http://www8.cao.go.jp/cstp/pubcomme/kihon4/honbun.pdf
詳しくはこちら→
2010 年1月22日