地質学雑誌投稿の手引き

日本地質学会News2003年1月号掲載
2011年11月一部改正

 

論文題名について

諭文題名のつけ方は特に投稿規定にもありません.というのも確定した地質学論文題名命名法などというものがないからです.著者のセンスが問われるところです.一言で言えば過不足なく内容が想像でき,かっより多くの読者の関心を引くような魅力的な題名であるべきでしょう.とはいっても常識的に次のようなことをご検討ください.
(1)羊頭狗肉を避ける.つまり内容と一致しない題名はつけない.当たり前だと思われるでしょうが,これが意外にあるのです.論文を書きはじめたころにタイトルをつけてしまい,その後主旨が異なってきたのにそのままにしておく場合,内容の一部にしかすぎない部分のみタイトルにしてしまう場合,大げさなタイトル,和文と英文タイトルがまったく違う場合などさまざまです.
(2)「恐竜謎の絶滅事件の真相」などと週刊誌まがいの題名も困ります.かといって,編集委員会としてとくに最初の段階では制限は設けません.アトラクティブなタイトルとの兼ね合いをどうするかは難しい問題です.編集上の他とのバランスの問題もあります.査読意見に異論がある場合は筆者のほうからも積極的に議論してください.
(3)地域地質の記載的な論文なら,対象とする地質時代や地域名を含むことは必要なことでしょう.
(4)「新潟県○○地域の中新世後期の褶曲運動」といった地域名を付す場合,英文タイトルでは,最後にcentral Japanとかnortheastern Japanとかつけたほうが良いと思います.この点では厳密に日本語タイトルと1対1に対応していなくても結構です.
(5)「・・・について」というタイトル,しかもその英文タイトルを“About ・・・“とするのはやめたほうがよいでしょう.
(6)連続して投稿を計画している場合,「・・・その1」「・・・その2」という題名の付け方はなるべく避けてほしいものです.各論文はそれ自体で完結しているべきだと思います.また,編集の都合からも「その1」が査読中なのに「その2」が先に受理されても印刷できません.
(7)Cemtral Japan か central Japan か
英語表題でCentral Japanとすべきかcentral Japanとすべきかと,著者からときどき問い合わせをいただきます.地質学会では,従来原則として機械的に小文字を用いています.もちろんCentral Japanは地理的名称として固有名詞であり,その限りで使われる分にはさしつかえないのですが,かならずしも地質学的な地域区分とあわない場合がでてくることがあり,単にタイトル末尾にいれる場合はより広義の意味合いをもつcentral Japanを用いています.もちろん,タイトルそのものに用いられる場合,しかも本文で「ここでいうCentral Japanは,糸静線以東,・・・」などと定義した上でNeotectonics of Central Japan等とする場合はこの限りではありません.
(8)長い論文タイトルは避ける
短いタイトルはパンチがありますが,長いタイトルなら内容を表現しやすくなります.しかし,タイトルが3行以上もあると,読者としてはそれだけで読む気が失せるでしょう.適当な長さのタイトルを付けてください.
(9) サブタイトル
メインタイトルとサブタイトルの区切りには,コロンを使ってください.「○○地域の○○:□□法による□□の発見」という具合です.英語論文では,サブタイトルの前後に横棒「―」を付けません.コロンを使います.日本語論文でも,横棒でメインタイトルとサブタイトルを区切ることを避けてください.

 

著者名と所属・連絡先の標記について

 著者の所属の表記は(編集委員会としては)常に悩む問題です.特に英文の住所表記については,掲載論文ごとに格差がありますが,これは海外からの別刷り請求が届く住所表記が原則です.誰の何大学,都市名(市),郵便番号,Japanが最低限です.邦文表記では所属大学のみなどという例がありますが,それでは不親切です.公的機関の連絡先については必要最低限を心がければ良いでしょう.
 

 

アブストラクトについて

   アブストラクトは論文の他の部分が完成した段階で,最後に作成することが多いでしょう.従って,査読時にも本文の修正が続いている段階ではほとんど内容に関するコメントがつかない場合があります.ところが,ひとたび論文が出版された時には,読者は表題とアブストラクト(それに図表類)を一覧してその内容を概観しますから,ある意味ではその論文を読んでもらえるかどうかが最初に判断される最も重要な部分とも言えます.従って,長々と小型論文の様に導入部・対象物の説明・結果・解釈...等と書いていては最後まで読んでもらえません.また,通常はアブストラクト中に文献の引用を行うことは希です.まずは簡潔にすること.そしてその論文のオリジナリティーや価値を明確に記述すること.場合によっては,結論を先に書いて,詳しい内容は後にまわすのも良いかも知れません.語数は厳密に制限(論説,総説の場合:和文400字,欧文300語)されていますから,初めに長めに書いて,後から削っていく手もあります.
 

キーワードについて

 論説・総論には,キーワードを欧文で付けていただきますが,この選択も悩ましい場合があります.基本的には,電子アブストラクトなどに再録されて検索されるときに,検索者の意図に応じてご自分の論文が確実にヒットされるように,必要最小限のキーワードを選択することになります.しかし,検索者のワードの選択はまちまちですから,最善を尽くすとなると多数のワードを登録したくなるのも人情です.編集委員会では,ワード数が5〜6個を標準と考えています.ここでのワードとは,単語と熟語の両者を指しますが,他人が検索する時に多数の単語からなる熟語を用いる可能性は少ないので,なるべく語数の少ない熟語に止めるべきです.さらに,毎年地質学雑誌最終号で掲載論文の索引を作成しています.ここでの対象地域別のとりまとめの参考のため,日本の地域地質の論文の場合には必ず県名等をキーワードに入れていただくようお願いします.

論文見だしのフォーマットについて

 論文の見だしについては,投稿規定に実例として示されていませんが,これまで出版された論文の誌上での体裁をご参考にしていただいています.雑誌内での掲載論文の体裁が統一されていることは非常に重要ですから,投稿時に事前にチェックして下さい.ご参考に,地質学雑誌上では以下の見だしフォーマットで統一しています.
大見だし:「ゴシック,中央そろえ, 上下に1行空行」
中見だし:「ゴシック,行頭に番号とピリオド,左寄せ」
小見だし:「ゴシック,行頭に括弧付き半角番号,左寄せ改行無し」
これ以下の見出しについては,著者の自由としていますので,最小限上記の体裁で投稿原稿も作成して下さい.
 

調査結果の記載について

 野外地質調査結果の記載は地質学分野の研究論文において重要な位置をしめることはいうまでもありません.必要かつ十分な記載は,極端にいえばそれらの解釈やそれに基づく考察が誤りであっても,その結果の事実だけは後日の役に立ちうる成果となって残ります.ここでははじめて投稿される方を対象に初歩的な指摘を次にのべます.
(1)主要な記載事項を絞る
ある地域を調査した結果をなんでもかんでもすべて記載する必要はありません.たとえば構造発達史が主題の論文に『○○地域ではA層にベントナイト層が挟まれており,これは化粧品原料として毎年100t加工されており,その品質は・・』と記述するとか,直接関係ないけれどたまたま採取した鉱物のX線回折チャートなどをせっかく測ったからのせてやろうとする必要はないですね.総合的にある地域を調査した結果であっても各論文ごとに完結した記載が望ましいわけです.
(2)記載と考察はわける
結果の項目ごとに考察をいれることは原則的にはやるべきではありません.こうした場合その論旨は飛躍していることが多いのです.たとえば『この礫岩は大部分が花崗岩の円礫からなり,その最大礫径は10cmである.このことから,本礫岩の礫の供給は○○地域に由来することが推定される.また,礫は引っ張り剪断をうけて破砕していることが多い.このことは本礫岩分布域にその堆積後南北性の引っ張りが働いたことを示している. …』などといった書き方は記載と解釈の混同があり,かつ論旨展開に無理があり好ましくありません.しかし短い論文などで「結果と考察」と題して,両者を平行的に記述した方が読者にとって理解しやすくなる場合などはこの限りではありません.
(3)地層名の新称や再定義は客観的かつ必要最小限に
一般的な地層命名法に従うことはいうまでもありませんが,とくに日本の場合は大抵の地域はすでに調査されていることが多いので,既存調査結果との違いや対比を明確に示しておくことが必要です.他の研究者がトレースできるような情報(位置図・地質柱状図・岩相・・・,地質調査所の5万分の1地質図幅の記載などは1つの参考になります)をきちんと与えるような記載であるべきです.また新規性を強調したいあまり,なんでもかんでも新しい名前を付けたくなるかもしれませんが,それは避けるべきです.ある人が最下位にある火山灰層にA火山灰層と名付けた後,別の人がこの火山灰は黒雲母(biotite)が多いからB火山灰層と新称し,さらに,他の人はこれはクリスタルアッシュ(crystal ash)が主であるからとしてC火山灰層と名付け混乱しているという笑えない実例すらあります.これは地質構造の命名においても同様です.内容的に新規性がないのに,全くおなじ断層や褶曲に対して他人の定義した名前に同意できないからといって改名する類の行為も慎むべきです.

図表類について

 地質学の分野では他の研究分野にもまして,図表類の良し悪しが論文の評価を定める重要なポイントになりえます.地質学雑誌は投稿論文の図表類の製図は行いませんので,著者の原図類がそのまま(あるいは縮小されて)掲載されます.査読の過程で繰り返し指摘されることを以下に要約いたしますので,投稿前に参考にして下さい.
(1)インデックス図には,論文中で出てくる主要な地名を表示すること.
インデックス図は,対象地域の位置関係を一目で理解してもらうために不可欠ですが,その他に論文中で触れている地域・地点を理解するのにも重要な役割を持っています.縮尺によっては全ての地名を表記することは不可能ですが,逆に本文中の重要な地名はどれかの図中に示されているように気をつけて下さい.
(2)地質図と地質断面図が一致すること.
これはそもそも断面図がおかしい場合があります.極端な例では,地質図の背斜構造が断面図では向斜構造になっていたりします.断面線の位置がずれているために貫入岩がぬけていたりすることもあります.また.地層の模様が両者で異なっていたりする(とくに,地質図で横縞なのに,断面図で縦縞になったりする)ことがあります.違う機会に作った図の場合に多いミスでしょう.
(3)方位の真北は左右対称に.
北を表すのは真北・磁北,地図上の北と3種類ありますが,通常論文に掲載される程度の縮尺では真北を使うのが妥当です.この場合方位を表す矢印は左右対称の図柄で示して下さい.また,図ごとに図柄が変わるのもややみっともないので,とくにあらたに作る場合は統一することをお勧めします.縮尺の表現も同様です.
(4)緯度経度を人れる.
著者にとっては自明の調査地域でも,読者にとってはそうであるとは限りません.とくにサンプルや化石の採取地点を示す場合など緯度経度を入れることを忘れないで下さい.使用する測地系は,日本の場合,2002年4月から施行されている改正測量法にしたがって,世界測地系としてください.何らかの理由で他の測地系を使用する場合にはかならずそれを明記してください.位置図などに使用する地形図・地勢図などが,旧日本測地系のままのものである場合がありますので注意してください.
(5)模様はわかりやすく.
海岸地域の地質図の場合は,沖積層ないし第四紀層を白抜きにすると海域と区別しにくくなる場合があります.また,隣接した岩体・地層の模様が込み入りすぎていると識別がしづらくなります.とくに縮小する場合は実際に縮小コピーなどで出きばえをチェックした方がよいと思います.手書きの模様はなるべく避けて下さい.また,地層の境界線と断層などの構造線は太さを別にして下さい.
(6)図表の大きさに配慮する.
図表は印刷時の大きさでデザインして下さい.拡大または縮尺で,著者の意図と異なるデザインで印刷されることを避けるためです.そのために, 1ページが2段組で印刷されることを考慮して,図をデザインして下さい.図は1段の幅または2段分の幅を占めます.それぞれ,8cmと17cmの幅です.高さは最大で24cmです.図の横幅が,それらの幅の9割程度の幅になるようにデザインすると,バランスがいいものです.また,等倍でデザインすることには,図中の文字をもっとも美しく見せる効果があります.例えば10ポイントのフォントは,10ポイントで印刷されることを前提にデザインされているからです.さらにまた, 6ポイント程度より小さい文字は,使用しないで下さい.
また,スペースを有効に使ったデザインを考えて下さい.論文には関わりのない地域までを索引地図に含めたり,不定形の図の配置が不必要な空白を生じさせていたり,図の中に入れられる方位記号や縮尺を外に出して図の外形が大きくなったりしている例が非常に多く見られます.また,単なるインデックスの日本地図などは,縮小して他の図に組み込むなどすれば,総ページ数を圧縮するのにも役立ちます.また,図中に数式を入れる場合は,「数式の書き方方に関する細則」を考慮して下さい.
(7)キャプションと言語は統一する.
論文の図表全てについて,説明文の言語は欧文に統一することになっていますが,これは図表中で使われている文字も含みます.ただし,固有名詞(地名等)に和文表記を併記することは構いません.
(8)図と表の違いは?
本来,表とは活版印刷で版組みできるものだけと定義されてきました.そのため,文字と横線だけで構成されている付図を表として認めてきましたが,地質学雑誌の印刷方法が変更されて以降,表として提出された原稿も現在はそのまま写真印刷されています.従って,「縦線や斜めの直線がちょっと入っているから表ではない」とは認識していませんが,不整合を波線でいれたり,ワープロや切り張りで文字を回転させている場合など,複雑なものは現在も図として扱っていただいています.図表番号の振り直しは大変やっかいな作業ですから,事前に十分検討して下さい.また,表中に数式を入れる場合も,「数式の書き方に関する細則」を考慮して下さい.
(9)出版済みの図表の引用の際の注意.
引用する付図についての著作権の問題も,近年重要になってきました.地質学雑誌で,掲載論文ごとにコピーライトの表示を入れたのもごく最近からです. 他人の論文の図を引用するときには,「掲載雑誌の出版社または著者に承諾を得る」という原則は十分に認識して下さい.編集委員会としては,当該の図表に引用に関する手続きは投稿者が責任をもってクリアしている前提で作業していますが,ひとたび地質学会のコピーライトマーク付きで出版されてしまうと,万が一のクレームは当該出版社から学会に直接来ることになります.多くの国際出版社の規約を見ると,投稿者本人が自身の付図を使いまわすことにはそれほど神経質ではないようですが,だからといって,第三者の著者にメールで承諾を得たからコピーを使えるかどうかは疑問な場合もあります.図表の引用に際しては,「Written permission from the copyright hoder」が必要かどうかよく調べておいて下さい.
また,誰かの付図を許可を得る必要が無いようにするためにちょっと変更(追加修正)して,「Modified after 誰々」とするのは著作権の侵害にならないでしょうか?どのくらいModifyすれば新たなオリジナリティーが発生するのでしょうか?これらの判断は原則として投稿者にまかせられていますが,地質学雑誌あるいは地質学会に迷惑がかからないような事前の措置を十分に行っておくようにお願いします.

 

口絵・図版・写真

「百聞は一見にしかず」などと言いだすまでもなく,地質学論文における写真の効用には抜群なものがあります.層序や構造を示すすぐれた露頭写真,証拠となる微化石の顕微鏡写真,鉱物・岩石の組織・産状を一目瞭然に示す写真,衛星画像写真など枚挙にいとまがありません.地質学雑誌においても口絵の写真の欄は評判がよい企画の1つですが,次のことにご注意下さい.
(1)あたりまえのことですが,未発表のものに限ります.とくに商業誌に掲載されたものは注意してください.もちろん口頭発表はこの限りではありません.
(2)投稿規定にあるように地質学雑誌掲載論文の著作権は日本地質学会に帰属します.論文中の写真類も当然含まれます.
(3)原則として,写真中にスケールを表示してください.顕微鏡写真の場合のスケール・バーの表示,露顕写真におけるスケールまたは大きさのわかるものの表示(たとえばコインとか人物など),遠景写真などはこの限りではありません.
(4)なるべくなら,写真のスケッチを示してもらったほうが理解しやすいのです.あるいは写真中に矢印や記号をいれるなど工夫して下さい.どこを不整合や断層が通っているのか,著者のいう00構造とはどこを指しているのか読者にわかりにくい場合があります.
(5)写真の枚数が不必要に多い投稿論文がままあります.写真集ではありませんから必要不可欠なものに絞ってください.
(6)論文中にカラー写真をどうしても入れたい場合は相談に応じますが,実費の負担をしていただきます.
(7)すぐれたキャプションは写真の価値を高めます.十分に吟味した簡潔な文章を練って下さい.
 

未公開文献の引用と謝辞

過不足や偏りのない引用文献が望ましいことはいうまでもありません.先人の成し遂げた業績を正当に評価し,自己の研究の位置付けを明確にするためにも必要なことです.以下の点についてご配慮ください.
(1)卒業論文や修士論文など,印刷されていないものの引用は原則としてできません.これにも異論があるところでしょうが,編集委員会で何回かにわたって議論した結果です.理由としては部外者がその論文を閲覧して引用部分の真偽を事実上チェックできないことが多いためです.また,いわば未公表のデータに準ずるので,部外者の勝手な引用による論文のプラィオリティ侵害を防ぐ意味もあり,このように規定されてきました.しかしながら,最近投稿論文の成立に不可欠な引用文献として引用を必要とする場合が見られる場合が出てきました.本来は印刷出版された報告が科学情報として社会に共有されているわけですが,事情により引用を避けられない場合には,編集委員会の判断として以下の回避策を認める場合もあります.
・最近は,大学あるいは教室ごとに,利用規程が定められる傾向にあります.そうした規定があれば,それに従ってください.
・脚注や私信扱いとして引用し,その内容の再現性が検証できる最低限の生データをアペンディックスで記載する(化石データなら写真テーブルなども).その際,論文の著者から事前に同意を得ておくこと(謝辞や共著者)が必要でしょう.
・投稿者が関係している(指導した)卒論などでは,上記の連絡などが可能ですが,戦前の卒論など筆者が既に存在しない場合や他大学の場合には,内容の転記の許可が簡単には取れません.その場合には,管理者(指導教官か大学当局)から引用に関する許可を取る必要があるでしょう.これは先に触れた著作権の問題に対する事前の防備策にもなります.
(2)従来配布が限られている印刷物は引用文献として問題があるとされていますが(総研報告書など),いまや配布状況はかなり改善されているのでケースバイケースとすることになっています.そこで,このような印刷物を投稿者が引用したい場合には,査読者が内容をチェックできるようにコピーを投稿時に同封して下さい.また,受理出版後に読者の要求に応じてコピーを送付できるならば,配布の限られた印刷物でも引用を認める場合があります.(ここでの引用対象はあくまでも印刷物です.出版組織名と場所が標記できなければ引用文献欄に記載できません.)
(3)投稿者本人に限らず,平行して準備している研究成果は引用できません.準備中と投稿中が相当します.引用が不可欠な場合には,それらの論文が受理されるまで査読を中断して待っていただいています.また,投稿中の論文が受理された段階で引用は可能になりますが,この場合でも,査読者が受理原稿のコピーを要求する場合がありますので,印刷中の論文を引用する場合にはご準備下さい.なお,出版時にも印刷中の場合には,印刷中の論文のページ数は確定できないので,巻とページの代わりにDOI (Document Object Identifier)を引用文献欄に記載していただきます.
(4)謝辞の書き方も難しい点があります.誰にでも謝辞を述べればよいというものでもありません.謝辞にのった方には原則として査読をお願いできませんので本当に当該論文に関与した方に限った方がよいと思います.また,査読者や編集委員会の担当委員などに謝辞を述べていただく場合もありますが,これは筆者の判断におまかせします.
 

地名対照表について

 欧文による投稿には,周知のものを除いて人名・地名・地層名などの対照表をつけるように投稿規定で指定されていますが,最近はあまり見かけなくなってしまいました.あまり厳密には扱っていないのですが,欧文論文で日本・中国・韓国等の地域を扱った場合には,読者の便宜を図るために文末に地名の欧文と現地表記(漢字など)の対照表をつけていただくよう査読時に指示する場合もあります. 日本の場合に限らず,欧文で地名を記述するときに現地の発音にかなっているかどうか確信が無い場合などは,対照表により誤解を避けることができますので,ぜひご検討下さい.

投稿原稿のページ数見込みについて


投稿規定にも明記されていますように,原稿は400字詰め用紙か40字30行の印刷で提出するように指定されています.また,投稿カードにも原稿の刷り上がりページ数を記入いただくようになっています.これらは,編集時に雑誌の構成の際の重要な情報となっているのです.最近ワープロの打ち出しでの投稿がほとんどですが,驚くことに上記の1200字の規定を守っている例の方が少ないのです.さらに,付図類の縮尺や挿入位置の指定もなく,投稿カードの刷り上がりページ数も不明とされている場合などに至っては,編集委員会で字数を数え,付図を縮小した後レイアウトまで行わなければなりません.このような膨大な手間は,本来投稿者の義務であることは言うまでもありませんし,ページ制限ぎりぎりの場合などは,投稿規定違反かどうかの判断も下せません(この例では既に投稿規定違反ですが).また,投稿者の意図に反する様な付図類の縮小なども生じかねませんから,ぜひ投稿前にご自分の原稿のレイアウトや分量を計算するよう心がけて下さい.
 

記入例

  下記の記入例を参考にして下さい(PDFファイル)
欧文雑誌名略記例
雑誌名等を引用する際の略記例

・鉱物名などの略号
・地質学雑誌における古生物記載法

印刷校正についてのお願い

  受理後の著者校正の段階では,以下の例外を除いて,語句の(複数のセンテンスに渡らない)訂正は編集委員会から指示しない限り原則として認めていません.例外は,1)受理後に公表された著しく重要な研究成果の引用をAppendix(付録)として追加する場合,2)著しく改善された付図(写真含む)・付表の差し替え,3)著者校正によりページ制限に係る問題が生じた場合,4)ゲラ段階で指定した縮尺の付図・付表の表示が著しく不鮮明だった場合,のみ一方,以下の微細なスタイルの統一については,編集内規あるいは慣例として入稿の段階で事務局が対応をチェックすることとしています.

●キーワードは正立体指定で印刷し,特に指定されたもの(化石名など)だけを斜体としています.

●本文中での引用詳記とその出典の間は,セミコロンで区切ります.
(例)A化石帯(2.5−2.2 Ma;Chisitsu, 1999)

●同一著者の和文および英文論文の,文献欄では配列順序は,以下の例を原則とし,言語を区別しないことを原則としています.
(例)地質,1997
Chisitu, 1998
地質,1999
●連続を意味する列記の場合,半角ダッシュを挿入し,ハイフン・全角ダッシュ・スラッシュ・中黒・カンマ等は用いないことにしています.
(例)氷期−間氷期

●羅列併記の際,「A, B and C 」と「A, B, and C」は,どちらも語学的には正しいのですが,特に両者で意味が異なるなどの理由のない限り,地質学雑誌では最後の1組の間には「and」だけとして,カンマは挿入しない形に統一しています.

●付図の番号の標記については,日本語の場合は「第1図」,欧文の場合には「Fig. 1」としていますが,一つの付図を構成する個々の図を標記する場合にはピリオドを付記してさらに番号を加え,特に化石写真など同一個体の別写については,「第1.3a−1.3c図」など,欧文の場合には,「Figs. 1.3a−1.3c」などと小文字アルファベットを付加しています.

●雑誌の体裁を統一するために,見出しは原則として,次のとおりに割り付けています.
中見出し(章に相当):中央に    ゴシックで2行取り
小見出し(説に相当):1.2.・・・ ゴシックで1行取り
その下の小見出し:番号無し(1) (2),1) 2),等・・ゴシックのみで行取りせずに
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●査読段階や著者校正段階で看過された明らかな誤りは著者の了解なしに編集委員会で訂正することがありますご了承下さい.