「県の石」:九州・沖縄

北海道・東北(青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島)
関東(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川)
中部・甲信越(新潟・長野・山梨・静岡・富山・石川・岐阜・愛知・福井)
近畿(滋賀・奈良・京都・三重・大阪・和歌山・兵庫)
四国(徳島・香川・高知・愛媛)

中国(岡山・広島・山口・島根・鳥取)
九州・沖縄福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄)>


福岡県の「県の石」

◆福岡県の岩石 石炭(主要産地:筑豊地域)
  展示していある場所:田川市石炭・歴史博物館,直方市石炭記念館
筑豊地域は日本で有数の炭田地域で,日本の近代改革を支えた場所である.石炭は日本海拡大前の約4500万-3000万年前ごろの伸張作用によるハーフグラーベン構造でできた厚い堆積盆中に見られる.筑豊では針葉樹メタセコイヤなどが堆積して厚い石炭層を作る.現在,露頭がほとんどなくなっているが,宅地開発などでできる崖に,河川起源の砂層と互層して真っ黒い石炭層が見られる.石炭層中には珪化木も見つけられる.(撮影:清川昌一)
   
◆福岡県の鉱物 リチア雲母(主要産地:福岡市長垂)
  展示してある場所:北九州市立 いのちのたび博物館,福岡市 九州大学総合研究博物館
リチア雲母(lepidolite)はLiを含む雲母で,紅雲母,鱗雲母とも呼ばれる.紫色〜桃,無色,白色の粒状の集合体をなすことが多いが,六角板状〜柱状結晶,あるいは粗粒の湾曲した鱗片状としても産する.花崗岩質ペグマタイトにリチア電気石などのLi鉱物と共生する.なお,長垂のリチア雲母を含むペグマタイトは昭和9年に「長垂の含紅雲母ペグマタイト岩脈」として国指定天然記念物に指定されている.(写真提供:上原誠一郎(九州大学高標本No1359-1) 
   
◆福岡県の化石 脇野魚類化石群(脇野亜層群産魚類化石群)(主要産地:北九州市,直方市,宮若市)
  展示してある場所:北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)
約1億3000万年前の前期白亜紀の淡水魚類化石群.
湖成堆積物である脇野亜層群は古くから貝類化石や魚類化石の産出が知られている.北九州市(1976,1977)が行った発掘調査以来これまで,20種を超える淡水魚類化石が発見されている.この化石群は,当時の北部九州の古環境や大陸との関係を知る上で重要な化石となっている.
脇野亜層群から最初に記載されたディプロミスタス コクラエンシス(写真提供:北九州市立自然史・歴史博物館)
   

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佐賀県の「県の石」

◆佐賀県の岩石 陶石(変質流紋岩溶岩)(主要産地:西松浦郡有田町泉山)
  展示してある場所:佐賀県立宇宙科学館・佐賀県立九州陶磁文化館
泉山は日本で初めて磁器が製造された陶磁器発祥の地であり,歴史的意義が大きな陶石鉱床である.泉山陶石鉱床は杵島層群に貫入した直径約200mの岩株状流紋岩体であり,有田流紋岩に相当する.陶石を構成する鉱物は石英・セリサイト・カオリンである.泉山陶石の母岩となった黒雲母流紋岩生成年代は280から270万年前と考えられており,泉山陶石のセリサイトの年代が220から210万年前であるため,流紋岩の貫入から約50万年後に陶石化作用が生じたと推定されている.(写真提供:佐賀県立宇宙科学館)
   
◆佐賀県の鉱物 緑柱石(主要産地:佐賀市富士町杉山)
  展示してある場所:佐賀県立宇宙科学館
杉山の緑柱石は富士町杉山の白石山北斜面,ペグマタイト質石英脈中に産し,昭和18年「佐嘉鉱山」として石英を採掘中に発見された.緑柱石は母岩の黒雲母花崗岩との境界から,石英脈側に10cmの幅で20〜30cmの塊をなして産出したという.
生成年代は母岩である佐賀花崗岩が約9000から8000万年前に形成されたものであるので,緑柱石もこの時期に生成されたものと思われる.(写真提供:佐賀県立宇宙科学館)
   
◆佐賀県の化石 唐津炭田の古第三紀化石群(主要産地:佐賀県西部)
  展示してある場所:佐賀県立宇宙科学館・佐賀県立博物館・多久市郷土資料館
相知層群と杵島層群より産出する化石群,時代は始新世から漸新世(4000万年前〜3000万年前)に相当する.下位の相知層群は,厳木層から海生貝類化石が多産し,芳ノ谷層から植物化石やアミノドン(大型哺乳類)が産出する.上位の杵島層群は,いくつかの層で海生貝類化石が多産し,ヨコヤマオウムガイやサメ,カメ,コペプテリクス(海生鳥類)などが発見されている.(写真提供:佐賀県立宇宙科学館)
   

 

長崎県の「県の石」

◆長崎県の岩石 デイサイト(主要産地:雲仙火山(平成新山))
  展示してある場所:雲仙岳災害記念館
火山岩は二酸化ケイ素の含有量で分類されており,二酸化ケイ素の少ない方から順に,玄武岩・安山岩・デイサイト・流紋岩と呼ばれている.平成2年から約5年間にわたって活動した雲仙火山は,粘り気の強いデイサイトの溶岩を噴出し,新しい溶岩ドームを作った.溶岩ドームの一部が崩れるとき,火砕流を発生させ44名の命を奪った.デイサイトでできた溶岩ドームはその後「平成新山」と名付けられた.(写真提供:寺井邦久)
   
◆長崎県の鉱物 日本式双晶水晶(主要産地:長崎県五島市奈留町船廻水晶岳)
  展示してある場所:奈留港インフォメーション,長崎市科学館
長崎県五島奈留島船廻にある水晶岳の東側に幅約20 mにわたり水晶が露出している.五島層群中の砂岩泥岩互層に貫入してきた石英脈石による破砕帯にあたる.この中に厚さ数mm〜7cm程度の石英脈が発達し,これに沿って日本式双晶や両錐の水晶が多産する.日本式双晶は透明度の高い平板状の水晶が84.33°で結合しハート型を形成してている.現在は五島市の天然記念物に指定されている.(写真提供:浦川孝弘)
   
◆長崎県の化石 茂木植物化石群(主要産地:長崎市茂木町)
  展示してある場所:長崎市科学館
長崎火山活動の初期(約550万年前(中新世))に噴出した軽石や火山灰が淡水湖に流れ込み,植物の葉などとともに固まってできた地層がある.葉化石が浮き上がった状態で見られることから,水中火砕流ではないかと考えられている.ブナの葉が多く含まれ,棚井敏雅(1976)により,31科40属52種の植物が確認されている.日本の新生代の植物化石の最初の記録となって国際的にも有名であり,昭和54年7月27日に県の天然記念物に指定された.(写真上:ブナ葉化石(茂木植物化石群),下:長崎化石茂木植物化石層 写真提供:山川 続)
   

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熊本県の「県の石」

◆熊本県の岩石 溶結凝灰岩(主要産地:阿蘇カルデラ周辺)
  展示してある場所:阿蘇カルデラ周辺・阿蘇火山博物館(現在休館中 2016.5.12現在)
溶結凝灰岩は,高温の火砕流が堆積した際に,自分自身の重みと熱で圧縮され含まれる火山灰や軽石などが変形し固結してできた岩石.軽石などが押しつぶされて大小様々なレンズ状の形態を示すのが特徴.阿蘇カルデラから噴出した4回の阿蘇火砕流は溶結することが多く,地元では「灰石」と呼ばれている.阿蘇の溶結凝灰岩は加工しやすいため,通潤橋をはじめとする石橋の石材としてよく利用されている.(写真撮影:星住英夫)
(注)展示場所および一部説明文に加筆しました.下線部(2016.5.12 )
   
◆熊本県の鉱物 鱗珪石(トリディマイトTridymite)(主要産地:熊本市西区島崎の石神山)
  展示してある場所:山口大学・理学部・地球科学標本室
鱗珪石(トリディマイト)は,石英(水晶)と同じ化学式SiO2で表されるが,結晶構造が異なり六角板状の形態を示し,石英より高温で安定な鉱物であり珍しい.一般に微細な結晶が多いなか,石神山では安山岩の空隙に1儷瓩ぢ腓な結晶を産出したことで有名で,他にクリストバル石や金雲母・パーガス閃石を伴う.石神山は前期更新世の約100万年前の角閃石両輝石安山岩からなり,採石場があったが現在は熊本市の石神山公園となっている.
薄板状透明な1~2伉度の結晶(写真提供:山口大学理学部地球科学標本室)
   
◆熊本県の化石 白亜紀恐竜化石群(主要産地:天草市、御船町)
  展示してある場所:天草市立御所浦白亜紀資料館,御船町恐竜博物館
熊本県からは,御船町や天草市(御所浦島や天草下島)などから中生代白亜紀の恐竜やアンモナイトなどの化石が発見されている.1979年に御船町から日本初となる肉食恐竜の歯の化石が,1997年には、天草市御所浦町から九州初の恐竜足跡化石が発見されている.御所浦層群(約1億年前),御船層群(約9000万年前),姫浦層群(約8500万年前・約7500万年前)から,獣脚類,鳥脚類,曲竜類,竜脚類といった恐竜化石が知られ,今後も新たな発見が期待できる地域である.恐竜以外の脊椎動物のほか,貝やアンモナイト,植物などの化石も産出する.(写真左:国内最大級の獣脚類の歯化石(天草市立御所浦白亜紀資料館所蔵),右:御船町恐竜博物館提供)
   

 

大分県の「県の石」

◆大分県の岩石 黒曜石(主要産地:姫島)
  展示してある場所:大分県立歴史博物館・大分市歴史資料館・離島センター「やはず」(姫島村)
姫島村観音崎の黒曜石は,一般的な黒曜石に比べて色が薄く,乳灰色〜乳白色であることが特徴で,0.2 mmほどのガーネットが含まれている.旧石器時代以降に瀬戸内海や四国,九州各地の広い範囲で石器として使われており,昭和34年に大分県の天然記念物に指定され,平成19年には「姫島の黒曜石産地」として観音崎一帯が国の天然記念物に指定された.(写真提供:おおいた姫島ジオパーク推進協議会)
   
◆大分県の鉱物 斧石(主要産地:豊後大野市尾平鉱山)
  展示してある場所:豊後大野市歴史民俗資料館
尾平鉱山は大分・宮崎の県境近く祖母山麓の奥岳川上流にある.ペルム紀付加体や結晶片岩,蛇紋岩などとそれを覆う中新世の火山岩類に中新世の花崗岩類が貫入して生成された鉱床で,かつて鉱物の巨晶を産出したことで有名.斧石は,マグマ固結の終末期に放出されるホウ素を含むガスと母岩との反応により生成されたスカルン鉱物の一種で,比較的まれな鉱物.尾平鉱山では接触交代鉱床の鉱体ごとに異なる巨晶,美晶の晶群を産出している.(写真提供:豊後大野市歴史民俗資料館)
   
◆大分県の化石 更新世淡水魚化石群(主要産地:玖珠盆地(九重町野上))
  展示してある場所:北九州市立自然史・歴史博物館
玖珠盆地に分布する第四紀更新世の珪藻土層からは,淡水魚の化石が多産し,当時の環境や生物相を理解する上で貴重な情報を提供している.写真はビワマス類似の一種.これは玖珠盆地から最も多く産出する魚類化石で,サケ科に属する.玖珠盆地産のサケ科魚類化石は鱗がビワマスに類似しているが,ビワマスと同種であるかどうかは今後の研究にゆだねられている.(写真提供:北九州市立自然史・歴史博物館)
   

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宮崎県の「県の石」

◆宮崎県の岩石 鬼の洗濯岩(砂岩泥岩互層)(主要産地:青島海岸(日南海岸))
  展示してある場所:日南海岸(青島〜鵜戸神宮)一帯
宮崎県の日南海岸には新生代新第三紀中新世(約700万年前)に堆積した宮崎層群が分布している.洪水等で土砂が供給されると,粒の重さの違う砂と泥の層に分離する.長い年月これを繰り返すと,硬い砂岩とやわらかい泥岩が規則的に積み重なった砂岩泥岩互層ができる.その後,地層は隆起して,傾いた地層を波が水平に洗い,現在の地形ができあがった.鬼の洗濯岩は国や県の天然記念物にも指定されている.(写真:日南海岸戸崎鼻の「鬼の洗濯岩」.写真提供:赤崎広志)
   
◆宮崎県の鉱物 ダンブリ石(主要産地:土呂久鉱山)
  展示してある場所:宮崎県総合博物館
ダンブリ石は米国コネチカット州ダンベリーで最初に見つかった無色透明〜白色で四角柱状の結晶をつくる鉱物で縦方向の筋(条線)が特徴.日本では数カ所でしか産出しない希少な鉱物.ヒ素公害のあった宮崎県の高千穂町の土呂久鉱山は美しい標本が産した.現在は閉山のために採集不能となっている.屈折率が高く美しく輝く性質から,過去には,透明なものがダイヤモンドの代用品としてカットされた時期もあったといわれている.(写真提供:赤崎広志)
   
◆宮崎県の化石 シルル−デボン紀化石群(主要産地:五ヶ瀬町祇園山)
  展示してある場所:宮崎県総合博物館,宮崎県庁本館,五ヶ瀬町自然の恵み資料館
宮崎県五ヶ瀬町鞍岡の祇園山の石灰岩は全国有数の古生代シルル紀〜デボン紀(約4億年前)の化石産出地である.祇園山からは現在のサンゴとは違う構造の床板サンゴやウミユリ,三葉虫など,さまざまな化石が報告されており,特に床板サンゴのハチノスサンゴとクサリサンゴのなかまが代表的.祇園山の石灰岩はかつて石材として使用されており,宮崎県庁本館正面玄関の階段には多数のハチノスサンゴ化石を見ることができる.(写真:祇園山のハチノスサンゴ化石.写真提供:赤崎広志)
   

 

鹿児島県の「県の石」

◆鹿児島県の岩石 シラス(主に入戸火砕流堆積物)(主要産地:島嶼部を除くほぼ全域)
  シラスという言葉は,南九州で白っぽい火山性の堆積物に対して使われていたが,今日では主に入戸火砕流堆積物の非溶結部を指す.約2万9千年前(後期更新世)に姶良カルデラから噴出した入戸火砕流はシラス台地を形成し,その噴出量は150 km3を超えると報告されている.旧地形によって層厚は変化し,旧谷部では100 mにも達する.入戸火砕流の溶結部は,姶良カルデラの北方から東方の広い地域,薩摩半島の南九州市川辺付近に見られる.同時に噴出した火山灰は関東でも10〜20cmの厚さがある.(写真提供:大木公彦)
(写真左)曽於市にある県指定天然記念物「溝ノ口洞穴」へ至る道路の拡張工事現場.旧谷地形を埋めた入戸火砕流堆積物は,下位より大隅降下軽石層,非溶結部,溶結部,非溶結部が見られます.溶結部の下の非溶結部が地下水によって浸食され「溝ノ口洞穴」ができました.写真の工事現場ではシラスを垂直に切っていますが,このように切った方が雨によって浸食されにくいと考えられています.(写真右)鹿児島市中部に広がる紫原シラス台地の道路建設現場です.工事で植生がはぎ取られシラスが露出すると,雨水によって容易に浸食され,ガリが発達します.
(注)写真を差替えました(2016.7.19)
   
◆鹿児島県の鉱物 菱刈金山の金鉱石(自然金)(主要産地:菱刈鉱山(住友金属鉱山株式会社))
  展示してある場所:鹿児島大学総合研究博物館脇
菱刈鉱山は第四紀の火山活動によって形成された浅熱水性鉱床であり,鉱脈の形成年代も100万年前よりも新しい.普通の金鉱石の品位は数グラム/トンであるが,1981年に発見された菱刈の金鉱石は約50グラム/トンもあり,世界最高の品位を誇っている.菱刈鉱山は国内で稼働しているほぼ唯一の金鉱山であり,その発見は従来あまり注目されなかった島弧の第四紀火山地域における金鉱床の探査を活発化させるきっかけとなった.
(写真:鹿児島大学総合研究博物館の屋外に展示されている金鉱石の大きな塊(横2 m,縦1.4 mで,重量は約4トン).金の含有量はトンあたり約40グラム.金鉱石の標本としては国内最大.)
   
◆鹿児島県の化石 白亜紀動物化石群(主要産地:甑島、獅子島)
  獅子島の約1億年前(後期白亜紀セノマニアン)の御所浦層群からはエラスモサウルス科の長頚竜化石と,植物食のカモハシリュウ類の恐竜化石が,下甑島の約8000万年前(後期白亜紀サントニアン〜カンパニアン)姫浦層群からは肉食性の獣脚類などの恐竜化石や,翼竜,ワニ,カメや魚類化石が産出する.これらの白亜紀脊椎動物化石群集は日本で最も南の産出記録である.
(注)現在,これらの化石は研究中のため,一時的な展示会等以外では展示はされていない
(写真:獅子島での発掘風景(主として高知大学理学部の教員、院生、学生が参加)(撮影:仲谷英夫)
   

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沖縄県の「県の石」

◆沖縄県の岩石 "琉球石灰岩"(主要産地:県内全域)
  展示してある場所:琉球大学付属博物館風樹館
"琉球石灰岩"は第四紀更新世初期から後期更新世に琉球列島の各島々で形成したサンゴ礁複合体堆積物の累積体の俗称で,正式には琉球層群の石灰岩類に相当する."琉球石灰岩"は琉球層群の大部分を占め,サンゴ石灰岩,石灰藻球石灰岩.砕屑性石灰岩,有孔虫石灰岩などに分類される.沖縄県内では建設資材や記念碑等に広く利用されている.特に化学的沈殿を伴う緻密な縞状構造を有する石灰岩は勝連トラバーチンと呼ばれ,国会議事堂の建築材として利用されている.(写真:琉球石灰岩 万座毛1(沖縄県恩納村万座))
(注)字句修正.下線部(2016.5.12)
   
◆沖縄県の鉱物 リン鉱石(主要産地:沖大東島)
  展示してある場所:琉球大学付属博物館風樹館(北大東島産)
沖大東島,北大東島に分布する.生物の骨,海鳥の糞・死骸に含まれるリン成分が下位の石灰岩に染み込んで形成した海成堆積性リン鉱石(有機質リン鉱石)である.北大東島では島の小高い山部と周縁部に散在して分布するが,リン酸三石灰鉱は黄金山にまとまって分布する.1919年から1950年の間に採掘され,閉山までの総採掘量は80万トンと推定されている.現在はリン鉱石貯蔵庫跡が西港に残されている.(写真:燐鉱+りん灰土(右:北大東産燐鉱,左:ラサ島(沖大東)産りん灰土.琉球大付属博物館風樹館所有)
   
◆沖縄県の化石 港川人(主要産地:八重瀬町字長毛)
  展示してある場所:東京大学総合研究博物館(1号,2号保管),沖縄県立博物館(展示物レプリカ:3号,4号保管)
1967〜1970年に沖縄県具志頭村港川の採石場の石灰岩裂罅中(フィシャー)から大山盛保氏によって発見された化石人骨である.四体分の骨格が残っている.化石動物としてリュウキュウシカ,リュウキュウムカシキョンなどを伴う.炭素14年代測定法から1万8000〜1万6000年前の人骨であることが示された.この化石人骨によって末期更新世時代の日本人の祖先の姿が明らかにされた。港川人化石骨格は保存が良く,東アジアの末期更新世における新人の進化を解明する上でも貴重な資料と考えられている.(写真:港川人1号骸骨レプリカ.沖縄県立博物館・美術館所蔵)