地質学会年会は,3日間の発表会が終わると必ず見学旅行(巡検)があります.
院生・ポスドクの皆さんに,私は巡検への参加を強くお勧めします.
富山大会では9つものコースが用意されています.その道のプロが重要露頭を厳選して案内してくれます.こんなチャンスは滅多にありません! 自分の研究あるいは専門分野に関連するコースに参加するものよし,あえて専門外のコースに参加するのもよし.参加すれば必ず得るものがあります.
学会巡検では,しばしば露頭の前で議論が交わされます.案内者は当然,自分のデータや解釈に基づいて参加者を案内しますが,参加者は地質屋としての習性(?)から,そうしたデータや解釈を鵜呑みにせず,自己の観察によって検証しようとします.いったん誰かが異論を唱えると,そこから激論が始まります.これが面白い! 議論では済まず,皆で時間を忘れて証拠探しをすることもあります.こうした行動は案内者,参加者の両方にとってたいへん重要です.宿泊を伴う巡検では,夕食後に酒の力を借りて(笑)さらに激論を交わすこともしばしば.
こうした議論の経験は,自分の研究に必ずプラスに働くはずです.わずか1日か2日の巡検に参加するだけで,その地域またはその分野の研究到達点や問題点がわかるのです.知り合いを増やすこともできます.これは大きなチャンス
ですよ!
星 博幸(行事委員長,愛知教育大学)