第8回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

ジオ鉄賞:あまちゃんの歌が聞こえる
写真:吉村 誠(奈良県)
撮影場所:岩手県下閉伊郡普代村 レストハウスうしお敷地内


 

【撮影者より】
昨年のゴールデンウィークにみちのく旅行に出かけました。NHKの朝ドラ「あまちゃん」に出てきた美しいリアス式海岸と、三陸鉄道北リアス線を一緒に撮影したいと国道45号線を宮古から八戸にかけて、北上しました。三陸鉄道大沢橋梁を通った時に、テレビで見た光景が目に入り、ここで撮影する事にしました。場所をお借りした“レストハウスうしお“さんからは北リアスの絶景が望め、観光列車が一時停止するそのタイミングでショットしました(お店でいただいた“名物ウニ丼”も絶品でした)。東日本大震災で被災したこのエリアも無事に復旧していました。これからも、この景観を見れるように環境を保存してきたいものです。

【審査委員長講評】
私も去年5月に北三陸を撮影していました.国鉄時代に建設された橋梁とカラフルな車両,遠方に見える見事な海成段丘とまさにジオ鉄に相応しい作品です.撮影者の気の利いたコメントも作品を引き立たせました.


【地質的背景】
三陸鉄道の南北リアス線は「リアス」の名を冠するものの、北リアス線の走る宮古以北はリアス海岸(沈水海岸)ではなく海成段丘(隆起海岸)が広がっています(リアス海岸は宮古以南。南リアス線で展望可能)。写真は太平洋の絶景区間で知られる北リアス線白井海岸〜堀内間。水平線の向こうに真っ平らな三崎半島の海 成段丘が見えます。沿線の海成段丘直下の花崗岩に架橋された大沢橋梁(1974年完成)は、国鉄時代に橋梁技術開発を目的に建設された我が国初の逆ランガーアーチ橋で、谷に対して天を仰ぐアーチは津波に対する安全性も考慮された構造です。三陸鉄道のシンボルカラー赤青白を纏ったオリジナル36形とラッピングの連結車両が、三陸沿岸の立夏の爽やかなジオ鉄風景を引き立てています。(藤田勝代@深田研ジオ鉄普及委員会)
 

※「ジオ鉄賞」:第6回より深田研ジオ鉄普及委員会より本コンテストに後援を頂き,「ジオ鉄」賞を設けています.鉄道と地球の姿を組み合わせた優れた「ジオ鉄」作品を表彰します.

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