第8回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

日本地質学会会長賞:安山岩の細胞分裂
写真:牧野帆乃香(福岡県)
撮影場所:沖縄県久米島 奥武島(おうじま)


 

【撮影者より】
琉球列島の中の久米島という離島から橋で渡れる距離にある小さな島、奥武島。そこで見られる高Mg安山岩の柱状節理です。綺麗に六角柱・五角柱に割れた柱の中央には黒ずんだ核のようなものが見え、岩石がまるで細胞分裂しているようだと思いました。

【審査委員長講評】
畳岩は,天然記念物や地質百選にも選ばれているので,既に多くの作品が撮影されています.その中で高評価を得るためには,見る人をハッと思わせるもうひと工夫がほしかった.ハンマーは真ん中ではなく,右あるいは左寄りの柱状節理の上に置くのがよかったと思います.


【地質的背景】
この写真の場所は「久米島町奥武島(おうじま)の畳石」として平成26年,国の天然記念物に指定されました.平成19年には日本の地質百選にも選ばれています.柱状節理は,柱状の溶岩が束になった構造をしており,一つ一つの柱の断面は六角形など多角形をしています.多角形の縁は急冷するためガラス質が,中心部はゆっくり冷えるため結晶が多くなります.細胞のような模様に秘められた冷却過程の情報は,誰かの解読を待っているかのようです.(神奈川県温泉地学研究所 萬年一剛)

 

目次へ戻る