第7回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

優秀賞:赤い惑星
写真:瀬戸口義継(鹿児島県)
撮影場所:宮崎県宮崎市いるか岬


 

【撮影者より】
宮崎市にある「いるか岬」は水成岩が浸食され他の惑星の様な雰囲気を醸し出しています.夜には満天の星空と街灯(ナトリウム灯)に照らされ地球上では無い様な景色をみせてくれます.まさに赤い惑星の様でした.

【審査委員長講評】

宮崎市最南部のいるか岬で撮影した作品です.起伏に富んだ宮崎層群の上に広がる,冬の天の川がこの作品の魅力です.冬の天の川には明るい星団が多く,シミのように写っています.また右下の地平線の直上には南極老人星(カノープス)が写り,南国宮崎ならではの作品となっています.

【地質的背景】
日南海岸には,日南層群を不整合で覆ってゆるく東傾斜した新第三系の宮崎層群のうち,砂岩泥岩互層からなる"青島相"が分布している.青島相は「鬼の洗濯岩」として有名なタービダイトが主体であるが,ここでは,塊状厚層の砂岩層からなる隆起波食台が平坦な面をなしている.部分的に炭酸塩などで膠結された部分がコアとなって侵食を免れ,キノコ岩に似た形状を示している.このような侵食形状はとりわけ珍しいものではないが,ナトリウム灯の効果と星空とを組み合わせた高度な撮影技術がすばらしい.
(宮田雄一郎:山口大学)
 

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